【EIP/ERC Vol.1】〜Ethereumの標準規格について〜


目次

  • EIP/ERCとは
  • ERCのカテゴリ 1. Token design 2. Identity 3. Subscriotions 4. Compliance

EIP/ERCとは

「EIP」とはEthereum Improvement Proposalsの略で、直訳すると「Ethereum改善提案」となります。これは何もEthereumに限ったことではなく、BitcoinではBIP(Bitcoin Improvement Proposals)というBitcoin改善提案が存在します。そしてEthereumも同様に、このEIP上で提出される改善案をERC(Ethereum Request for Comment)と呼び、提出されたERCがコミュニティ内で承認されると正式なEIPとして採択されEthereumの次回アップデート時に実装されるという流れとなっています。

https://github.com/ethereum/EIPs/tree/master/EIPS

ERCのカテゴリ

1. Token design

Token designに関する規格を理解する上で、まず、Fungibility(ファンジビリティ)について理解しておく必要があります。Fungibilityとは直訳すると「代替可能性」を意味します。このFungibilityの有無でTokenの性質が大きく2つに分かれます。

  • NFT(Non-Fungible Token)

2. Identity

Blockchainで様々なアプリケーションを展開する上で、サービス提供側・利用者側の双方に求められるのがTrustlessなidentity証明です。現在、このBlockchain上のidentity証明に関するプロジェクトはいくつか存在し、IDカードやクレジットカードなど複数のデータを紐づけてidentity証明をするものから、複数のSNSやシェアリングサービスのアカウントと紐づけてidentity証明をするものまで様々あります。代表的なものとしてEthereum上でのID管理を目指すuPort、Linux Foundationが主導するHyperLedger Indy、昨年ICOで$33,000,000を調達したことで知られるCivicなどいくつかあげられます。当然、こうしたidentityに関する議論は個々のプロジェクトの活動に委ねるだけでなく、EIP/ERCでも活発な提案が行われております。

  • 利用者側:プライバシー確保、scam対策

3. Subscriotions

Consensysの記事(McKinsey & Company, Inc.調べ)によると、Netflix、SpotifyをはじめとするSubscriptionモデルのサービスは2008年以降急増し、2017年にはBtoC向けで2,000社以上のSubscription会社、1100万人以上のユーザー数が存在すると言われています。これらのサービスをBlockchain上に置き換えて展開した場合、現在のTokenモデルでは著しくユーザー体験を損ね、今の市場と同様のユーザー数を取り込むことは困難であると言えます。これまでのSubscriptionモデルは定期支払い時に自身の銀行口座(あるいはクレジットカード)から自動で支払いが完了され、支払いの度にユーザーの同意は必要ありませんでした。しかし、これをTokenで行う場合、定期支払いの度に秘密鍵の署名が必要となり、支払いの度にユーザーの意思確認が必要となり、ユーザー体験を著しく棄損する結果となります。

https://media.consensys.net/subscription-services-on-the-blockchain-erc-948-6ef64b083a36

4. Compliance

2018年にはいりSecurityTokenへの注目が増したことでBlockchainにおけるComplianceの議論が活発に行われるようになりました。一概にTokenと言ってもその性質はそれぞれ異なり、サービス内での利用価値に限定されたTokenをUtilityToken、証券としての価値を持つTokenをSecurityTokenの2つに分類することができます。こうしたTokenの分類は2018年3月にアメリカ証券取引委員会(SEC)によるCrypto市場への規制に関する声明が出されたことがはじまりといえます。(この声明は証券に該当するTokenを扱う取引所はSECへ登録が必要となる主旨の声明で、こうした規制の対象となるTokenをSecurityTokenと分類されるようになりました)この声明以降、SecurityTokenに特化したマーケットプレイスが次々と立ち上がり、株式・不動産・絵画・ワインと言ったこれまでCrypto市場で扱われてこなかった分野のToken化が加速するきっかけとなりました。こうした新たな市場の確立とあわせて既存のEIP/ERCではカバーしきれないSecurityTokenならではのCompliance(Token発行者・購入のKYC/AML/CFTなどのidentity管理から、ロックアップ期間/投資家の数などの証券性の担保するToken設計に至るまで)に関する提案が現在活発に行われています。


Metaps Blockchain JP

Building a blockchain ecosystem

Hiroyuki Narita

Written by

#Metaps.inc #Metaps Crypto Gateway Inc.

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