CES2017で見て感じたものは未来の一部だったのか 前編 - MILLENNIALS REPORT

Ryosuke Yoshitomi
MILLENNIALSTIMES
Published in
7 min readFeb 28, 2017

こんにちわ。McCANN MILLENNIALSの吉富亮介です。
今年のはじめ、1月5日から8日にかけて米国ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「CES2017」に行ってきました。

そこで、今回そして次回の2回に渡り、私吉富がCES2017で見た・感じた様々なものをこの場を借りてお伝えできればと思っています。

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目次
01)CESとは?
02)CES2017 個人的トレンド ( ← 前編ではここまで )
03)注目のプロダクト
04)CES2018に向けて

01)CESとは?

実は今年で50周年だったCES。会場のいろんなところにこんなオブジェがありました。

いまこの記事を読んでいただけている方は「CES」をもともとご存知でしたか?

正直に言うと、私は行くことが決まった2016年12月某日、初めて「CES」というものをちゃんと知りました。確かに耳にしたことはありました。FacebookやTwitterでは年始に知り合いの何人かが「来てます!」と写真を上げているのを見たような、見てないような。それでも『自分には関係のないイベントだな』とそれ以上に深堀することはなく日常に戻っていく日々。

そんな私が、ラスベガスの地に降り立ったのです。
自他共に認めるCESビギナーな私がお伝えする「CES」とは。

始まりはNYから。そして年2回が1回に、世界でも最大規模の見本市へ

ラスベガス開催が定着しているCESですが、50年前の1967年6月、初めて開催された際の会場はNew Yorkでした。さらに出展企業数は14社。昨年2016年は3,900社弱というから今の1/278もの規模感の差。変遷のドラマを感じます。そして年に2回あった開催タイミングも集約することでより大きく、注目を集めるものになっていきました。
ちなみに会場の広さは合計で274万平方フィート以上(東京ドーム5個分相当!)。そこを連日歩き回ることはかなりの体力がいりました。

大企業メーカーだけではない。スタートアップも広告も。

これまでCESについて日本のニュースが取り上げていたもののほとんどが車や家電メーカーの新製品情報でした。
ですがいまは、スタートアップ企業が多く集まる会場があったり、広告関係を扱う会場があったり(2015年より開設)と、これまでの“家電見本市” という言葉だけでは語りきれない、 “イノベーション見本市” とでもいうべき姿になってきている。それがいまのCESなのかも、と今年初めて体験し、思った次第です。

Advertising & Marketing の会場 C-space で、Google CEOのMargo GeorgiadisさんのKeynote。すごい人でした。

02)CES2017 個人的トレンド

すでに様々なメディアで取り上げられていますが、個人的に気になったものを勝手な「個人的トレンド」としてご紹介したいと思います。

1. 王者Amazon Alexaからの音声認識技術

正直、言わずもがなのトレンドワードだとは思いますが、私自身も現地でわくわくしながら触れてきました。
まだ日本語対応していないため日本での浸透が低いAlexaですが、海外ではAlexa搭載の「Amazon Echo」が1,000万台以上を売り上げ、爆発的に普及が進んでいます。

※ちなみに「Alexa」とは、Amazon社が提供する音声認識機能を有したクラウドベースの人工知能のこと。Skillというアドオンを追加することで色々カスタマイズが可能。Skillは企業や個人でも開発できるように情報公開していて、それが今回の要因とも言えます。

ALEXA搭載プロダクトの1つで話題になったLG社の冷蔵庫。冷蔵庫に話しかけると中の状況を教えてくれる。

他企業が提供する音声認識技術、AIもいろいろと出ていましたが、Alexaが断トツで採用率が高く(CES2017の中ですでに700以上のプロダクトが採用していたそうです)、もう他の追随を許さないとはこのことだ!と言わんばかりの存在感でした。

ただ、今回の “Alexa無双事件” をキッカケに、他企業の追い上げが増すのは間違いないでしょう。でももしかしたらAlexaの独壇場になるかもしれません。正直半年後、1年後でプレーヤーチェンジの可能性は大かと。要注目のカテゴリです。

2. 次世代の通信規格 5G(とConnectedな世界)

Qualcomm社 CEOの Steve Mollenkopfさんが今年のKeynoteで話していた5Gという恐ろしいまでの高速通信規格。これがどれだけすごいかというと、現在主流となっている4G/LTEの速度の数十倍〜100倍の環境になり、例えば4K画質の映画を18秒間でダウンロードができるほどという。今だったら一瞬で制限超えて(パケ死)しまいますね、、、

世界中で実現、採用されるのは13年後の2030年までに、という話でしたが、技術の進歩はいつ飛躍するかわかりません。もしかしたら数年後、というのも夢ではないかも。

そしてこれは、Intelのブースでも象徴的に「Connected」と出ていましたが、日々私たちが使うスマホだけに限った話ではなく、5G含めた技術が様々なものを繋げていく世の中を現実のものとするなぁ、と本気で考えさせられました。

3. IoTが実現するSmartなHOMEとHEALTH

ここ数年のトレンドでもありますが、Smart HomeとHealth Techの2つは今年も会場の至るところで目にしました。
Alexaでも紹介したLG社などのような家電メーカーはIoTとの組み合わせで「生活のあれこれを1つにまとめる」と宣言し、アンダーアーマー社のようなスポーツウェアメーカーはIoTを取り入れることで「運動量の測定だけでなく、健康管理までワンパッケージで行う企業になる」と宣言するなど、まさに “Smartのインフレ”がすごいことになっていました。

ではその渦中でどう差別化していくのが正解なのでしょう。
どこの技術と提携するのか?どんなビジネススキームを構築するのか?
これから飛躍するのか停滞するのかはそのジャッジにかかっていると言っても過言ではなさそうです。想像するだけでドキドキしますね。

ちなみにこうこういった IoTなマッサージチェア(?)もすごい流行ってました。みんな疲れてる?

ということで、前編は一旦この辺で。
後編ではよりプロダクトに寄った目線で気になったものをご紹介しつつ、タイトルにもある「CESは未来と繋がっているのか」をお伝えできればと思います。

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Ryosuke Yoshitomi
MILLENNIALSTIMES

吉富亮介 1984年生まれ。McCANN TOKYO Creative Planner / McCANN MILLENNIALS Co-Founder、MILLENNIALS TIMES編集長。色んなものを良くする、解決する「アイデア」を形にしたくて仕事しています。最近やっと英語勉強中。あと、PGFJごくごく。