暗号通貨市場のHerfindahl-Hirschman指数(Dec/5/2017版)

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minecc, the cryptomarkets
3 min readDec 5, 2017

知る人ぞ知るHerfindahl-Hirschman指数(HHI)。普段あまり見かけないかも知れませんが、市場における「寡占度」を測る指数です。「各企業の市場占有率の2乗を加算して算出する(by野村證券)」もので、これを今回暗号通貨市場に当てはめたものを示します。データセットは12/1時点の物です。

図1:暗号通貨市場全体の時価総額(上段)とHHI(下段)

図1の上段が暗号通貨市場全体の時価総額、下段がHHIです。時価総額軸は対数表示になっているのでご注意を。HHIはパーセントではなく率から算定しています。パーセント慣れしてる人は10000倍してください。2013年春からみてみると、揺れはありますが、2017年に入るまで概ね0.7以上となっており、市場の寡占度が高い、すなわちBTCシェアが高かったことがわかります。これが2017年に入ると急に下がります(寡占状態が解消された)。次に2017年に入ってからの動きを拡大してみましょう。

図2:2017年以降の暗号通貨市場全体の時価総額(上段)とHHI(下段)

3月初旬にHHIが急減し、0.7から0.5まで下げています。ここで起きていたのはETHなど有力アルトの値上がり。市場の時価総額和は急変していないため、BTCから資金が流れてきた物と推定します。その後、GW前の4月末に暗号通貨ブームが訪れます。ここでは時価総額が明らかに増えています。HHIはその後0.3を切るところまで下げ、市場の寡占はかなり緩和されました。みんないろんなアルトに資金を投入したんですね。儲かりましたか?7月以降、じわじわとHHIが戻ろうとしていましたが8月のBCHフォークのタイミングで再び下げました。0.25位が下限のようで、10/8あたりまで底値圏をウロウロ。ここでBTCドミナンスが増え、HHIも急増。一ヶ月で0.4まで上がりますが、時価総額が急変しているわけではないので、市場内での資金流動のようです。11月中旬のHHI急減はBCH急騰のタイミング。一旦0.3まで下げましたが先物や100万円超えのニュースが効いてか、再びHHI上がってきていますね。

結言

HHIでみると、実は4月末ではなく、3月初旬から市場は大きな変動を見せていたことが分かります。さて、今後BTC先物の影響でHHIは再び上昇するのか、あるいは資金がアルトにも流れて維持されるのか。神とクジラのみぞ知る。

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