暗号通貨市場のHerfindahl-Hirschman指数(Feb 17 2018版)

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minecc, the cryptomarkets
4 min readFeb 18, 2018

ご無沙汰しております。最近は仕事が忙しくてすっかりほったらかしにしていました。一月前の投稿から大きな暴落がありましたね。Coincheckの件もあり、個人的にAfter DEGAWA(AD)世代と呼ばせて頂いている方々は大変難しい局面であったと思います。

さて、標題の通り、Herfindahl-Hirschman指数(HHI)を振り返ってみましょう。復習ですが、HHIは市場における「寡占度」を測る指数です。「各企業の市場占有率の2乗を加算して算出する(by野村證券)」もので、時価総額$10k以上の通貨を対象とし、暗号通貨市場に当てはめたものを示します。過去記事はこちら

図1:暗号通貨市場全体の時価総額和(上段)とHHI(下段)

まず図1上段の時価総額和から見ていきましょう。2018年に入ってから暗号通貨大暴落・バブル弾けた論が大いに盛り上がっております。しかし、私見としてこれは大きな上昇トレンドの中で生じた「プチバブル」が弾けたに過ぎないと見ています。確かに対数軸でみてこれだけの減少がこの短期間に生じたのは驚きです。この減少がトレンドを覆したかというと、黒破線で示した2017年初頭からのトレンドラインに再度乗っており、この事から私は「大きな上昇トレンドから未だ外れていない」と見ています。対数軸でトレンドを述べるのはおかしいという言説をTwitterの一部で見かけましたが、変化率を気にするのであればむしろLinear軸で表示する方が異質である事を申し添えておきましょう。

次に下段のHHIについて、これは驚いたことに2000を割ったままほとんど変化しておりません。これは大きな下落の中では特定通貨が大きく売られた訳ではなく、市場全体から時価総額に応じて各通貨から資金が抜けたことを示唆しています。いわゆるFiat高ですね。分かります。確定申告の事もありますし、やたらと不安材料が出てきていましたし。インドとか。次の図2を見れば分布が分かりますが、年末に人気を得た低時価総額通貨(低位とは書きにくい…)が未だに根強いHODLerを持っている証左の一つですね。

図2:12/9/2017および2/17/2018間の暗号通貨時価総額分布(当時$10K以上)

今回は「青線」が最新の分布です。ピーク時の1/7/2018(黒線)にはもちろん及びませんが、12/24/2017(赤線)と1/2/2018(緑線)の間を取ったようなカーブになっています。概ね上位40通貨は12/24に近くそれよりも低位の通貨は1/2のカーブに類似しています。図3にその関係をプロットしました。横軸が2/17時点の時価総額で、縦軸が1/2 or 12/24の時価総額です。低時価総額側では1/2の青点が対角線上によく乗っているのに対し、高時価総額側では12/24の赤点がよく乗っている事がわかりますね。

図3:2/17/2018の時価総額分布と過去の時価総額分布の関係(当時$10K以上)

結言

低時価総額通貨の人気がもっと落ちているかと思いましたが、案外根強い事が分かりました。そして本文では言及しませんでしたが、BTCの時価総額が他に比べて低調です。色々考え甲斐がありそうですが今回はここまで。ちょっと手抜きだったので、時間があればさらなる分析を追記します。

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