暗号通貨市場のHerfindahl-Hirschman指数(Jan/2/2018版)

mineCC
minecc, the cryptomarkets
3 min readJan 3, 2018

あけましておめでとうございます。皆さん元気にマイニングしてますか?楽しいですよマイニング。プールがハックされなければ。

さて、年末年始も相変わらずよく相場が動きましたね。一見複雑で新奇に見える動きもマクロに見れば実はよくあるパターンに過ぎないことが分かります。まずは例によって市場時価総額和とHHIの推移を見てみましょう。

図1:暗号通貨市場全体の時価総額(上段)とHHI(下段)

5月と12月に見られた時価総額和の急増は赤線でそのトレンドを示しています。第2次急増は前回記事に書いたように12/22には調整局面を迎えましたが、暗号通貨への資金流入は続いています。12/22以降の時価総額和の増加トレンドは8月頃と同様で、秋よりは強い基調で増加していますね。一部チューリップ勢から「バブル崩壊かぁ!」との声も聞こえましたが崩壊していません

しかしBTCの上がりは確かに鈍くなりましたよね。最近何が起きているのでしょう。これはHHIが教えてくれます。2000近くまでHHIが下げたことは前回述べましたが、12月末には遂に2000ラインを破り、1/2には1790まで下げ続けています。つまりオルトへの分散化が一層進んでいるのです。それもかなり広く。時価総額の分布から分散化の様子を確認してみましょう。

図2:11/16/2017および1/2/2018間の暗号通貨時価総額分布(当時$10K以上)

黒線がが1/2時点のカーブです。赤線で示している12/24時点と比べると上位通貨の時価総額はあまり増えていません。増加が特に顕著なのは30–40位以下の低位通貨です。明らかにテールが持ち上がっていますよね。青線で示している11/16時点のカーブと比べると、テール部分の傾きが大きく異なっています。これらの結果からだけではハッキリとしたことは言えませんが、新規参入者がいきなり低位通貨に手広く資金を投入するとは考えにくいので「新規参入者がメジャー通貨を買う→古参がその益でマイナー通貨を買う」流れが主にこの分布変動を形作っているのだと思います。最近は低位通貨を意図的にパンプさせる行為も広く行われているようですし(マカフィとか)、その影響もあるでしょう。

結言

時価総額和は12/22以降も秋頃以上のペースで増加を続けています。HHIも低下傾向を見せており、時価総額分布からも低位通貨への資金分散化が顕著に進んでいることが分かりました。

2017年は暗号通貨に注目が集まった年でした。特にBTCが入り口となっていたため、最近になって各種オルトが認知され始め、そちらに投資する人も増えているのでしょう。しかし、個人的には今の低位通貨の騰がり方は異常だと思います。もちろん自分も低位通貨を保有していますが、さすがに材料もなく騰がりすぎています。

2018年にプロダクトを出してくるICOプロジェクトは幾つあるでしょうね。

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