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4 min readNov 29, 2017

Bitcoinマイニングにおけるハッシュレートと収益の歴史(11/29/2019)

BTCの$10000突破記念にマイナーの端くれとして、マイニング収益の歴史をここで簡単に振り返ってみます。データソースはQuandlのBCHAIN。それぞれのデータをTradingviewで表示したい方は下記リンク先をご参考にどうぞ。

まずはハッシュレートからマイニングシステムの歴史を簡単に振り返りましょう。図1はTH/s(テラハッシュ毎秒)単位でのハッシュレートを時系列表示したものです。マイニングに主に用いられていたアイテム毎に時代(Era)分けしています。厳密ではありませんので参考程度に。

図1:ハッシュレートの変遷と当時主に利用されていたシステム

2010年頃のGPU時代はさすがに古いのでさておき、FPGAからASICに切り替わった2012年末から2013年初頭で急激にハッシュレートが増えています。プロセスノードが進んだこともありますが、下図2に示すようにBTC価格はこの時期に急騰しています($10→$100レベル)。BTC価格はその後2014年に入るまで上がり続け、その後1年かけて漸減しました。2014年に入るとハッシュレートの増加ペースは鈍化し、2014年末には横ばいとなります。BTC価格は2015年後半に再び今に繋がる価格上昇を始め、この時期にはASICの16nm世代が出たこともあり、価格と共にハッシュレートは今なお増え続けています。

図2:BTCのUSD建価格の変遷(価格は対数表示)

図3(左)は総マイナー収益(MIREV)ならびにハッシュレートあたりのマイナー収益(MIREV/HRATE)を示しています。図3(右)は2015年以降を抽出したものです。MIREVは(BTC数+Tx手数料)*市場価格で求まる値で、これとハッシュレートの関係を見るのが本稿の主目的(私の興味)です。「ハッシュレートあたりのマイナー収益」、しかも「米ドル秒毎テラハッシュ」という見慣れない単位でいわれるとピンとこないかも知れませんが、いわば「ハッシュパワーの価値」です。

ハッシュレートの増加ペースが価格上昇ペースを上回っていたために、2013年以降、2017年4月辺りまではMIREV/HRATEは漸減していました。しかし、今春に訪れた暗号通貨ブームにより、BTCマイニングの収益性は改善の兆しを見せています。1USD*s/THを下回っていたのが堅調に戻し、11/28時点では1.94USDs/THまで戻しています。13TH/sのAntminer S9だと25.2USD/dayくらいですね。

結言

来年には10nm世代の(おそらくTSMC製)ASICを搭載したマイニング装置が市場に投入されます。これに加えて、多くの大口参入(GMOやDMM)も計画されている為、ハッシュレートは急増するでしょう。今回は触れなかった電力効率もプロセスノードが進むことで大きく改善されます。

群雄割拠のマイニング業界。まだまだ収益機会は残されているので、小規模な個人だからと諦めず、ASICやGPUを購入して(いろんな意味で)熱いマイニングを体験してみましょう!