Theme Hospital (2)

miyaoka
Miyaoka Notes
Published in
6 min readNov 17, 2012
Theme Hospital Flow

前回Corsix版のTheme Hospitalをやったけど、未実装の部分もまだまだ残っているのでオリジナル版を改めてやってみた。

このゲームをプレイしていて感心したのは、患者というインプットを病院施設で処理するというフローについて。
・病院にやって来た患者は診察を受け、
・その場で病気が診断できなければ診断できるまで検査を繰り返し、
・診断確定したら治療が施され、
・その結果、回復 or DIEという最終的なアウトプットに至る。(※フローを途中で断念して帰宅するという選択肢もある)

そうした構図が頭の中で上図のように描かれたときに初めてこの箱庭経営ゲームのなんたるかを理解したような感じがした。

ひとたび病院にやって来たからには、生きて出るか、死んで出るか。

生と死という究極的なバイナリのフローが待ち受けるというのは普段意識してないからずいぶんインパクトがあるけれど、こういうゲームモデルだからこそ見えてくる病院の本質なのかもなとさえ思えてしまう。

Theme Hospital

まあ、生死フローに関して特に極端さが誇張されているのは、誤診で治療を施した場合には必ず死んでしまうという設定が大きい。半端にダメージ負うとかそういうことは無くて、必ず生か死の2択に帰結するデジタルなドライっぷり。あと薬で治療する病気については薬の有効確率の判定があり、それも失敗すると死んでしまう。

逆に生き死にが分かれそうな手術に関しては、治療処置さえ終われば必ず成功するという設定になっている。

Theme Hospital

CorsixTHでは未実装だったため、オリジナル版をプレイして初めて経験した院内感染イベント。

その場で公表すれば一定額支払って終了するけど、隠蔽工作を試みる場合には一定時間内のうちに感染患者を帰さずに全治療するイベントになる。成功すれば補償金が貰え、失敗するとさらに高額な罰金を支払わなければならない。最初のうちは慣れずにうまく対処できないことが多くて凶悪なイベントだった(慣れれば逆に収入になる)。

Theme Hospital

そして地震イベント。

治療機器が大きくダメージを受けるので、ちゃんとチェックしていないと知らず爆発してたりする。一度爆発してしまうとその部屋の区画は永久に利用不可になるので部屋配置的に自由度が減ってしまうし、部屋内に居た職員・患者も死亡するので恐ろしい。

Theme Hospital

PC Watch ゲームソフトインプレッション 第28回
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971121/weekend.htm

英Bullfrog社 インタビュー
「僕たちの夢は日本でビッグヒットを出すことさ」

Theme Hospitalの記事を検索したらPC Watchによる97年リリース当時のBullfrog社インタビューがあって、すごいっつうか15年もログを残しててえらいなあと思ってしまった。しかしなんかこう日本でビッグヒットとかなんとなくバンドマン的なノリを感じる。

まず「テーマホスピタル」を制作するきっかけですが、もうずいぶん前にピーター・モリニューがアスキーのログイン編集部とサバイバルゲームをしたときに、竹林の中で手を怪我してしまったんです。すごく深く切ってしまったので日本の病院につれて行かれて、何針か手を縫う手術をしたんです。そのときに、その待合室で僕と2人で話していて「こういった病院を題材にしたシミュレーションゲームをやったらおもしろいかもね」という話が持ち上がったんです。その時は「病院など生き死にを扱う場所を舞台にしたら冗談にならない部分が出てくる」という理由で実現しなかったのですが、そういったアイディアはきちんとストックされていて、何年か後になって「やっぱりやってみるか」ということになったんです。

読んでて面白かったのが、ピーター・モリニューがサバゲーで怪我したときに病院行ったのが開発のきっかけというところ。患者として、待たされたりたらい回しにされたりという病院のフローが見えたんじゃないかなと。

そうですね、「テーマプリズン(刑務所)」とかいかがですか? けっこう面白いかもしれないですよ。「テーマホスピタル」もけっこうセンシティブな題材だったのですが、“刑務所”というのはもっとセンシティブなテーマになるかもしれないですね。今はイギリスの制度としてはなくなりましたが、死刑のあった過去の時代を舞台にするとか、逆に未来でもいいですね。登場人物も人間じゃなくてサイボーグとか、そういったゲームシステムにすれば、たとえば死刑にしても、冗談ですむかもしれませんね。

あと前回書いたようにIntroversion Softwareが刑務所ゲー作っているけれど、本家でも刑務所というテーマが視野にあったというのは入出力とフローの機構からすると納得感がある。

Theme Hospital
Theme Hospital

そんなわけでプレイの方はやっと10面くらいまで来たところだけど、レベル構成に関しては、単純に敷地が広くなって、病気の種類と治療機器が増えて、クリア目標が高くなって…、という感じなので新鮮味に欠けてちょっとしんどい。15年も前のゲームだからそのへんは現代とは違う感じかもしれない。

あとCorsix版からやったからVGA解像度はキツイだろうと思ってたけど、意外と全体把握できるもんなんだなーと。

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