『アスタリスク』発売
伏せた言葉にこめた願いは
今月の新刊が、今年が終わる直前に出ました。
最近ぬるめの新作が続いてましたが、久々に暗い作品です。
重いか?と言われると分かんないんですが、読んでいて不愉快になるというか、いらいらするというか、そんな作品かなーと思います。
作者も読み返しながら「あー……」と思ったんですが、主人公は久しぶりに自分が強く投影されてるので、近親憎悪かもしれんな。
このタイトルなんですが、改題したものですね。
元は『死ねばいいのに』というタイトルでした。
ひどいタイトルですが、一度はこれしかないと思ったんですよね。
どのぐらいこれしかないと思ったかというと、その旧題で公募に出したくらいです。
タイトルも内容も不快だったと思うので、もちろん一次通過もしませんでしたよ。
してたらびびるわ。下読みさんも途中で読むの投げたんじゃなかろうか。
でも、ある意味タイトル変えてないんですよね。
アスタリスク、我ながら「オレンジレンジにそんな曲あったね……」って感じというか、その曲ウォークマンに入ってるのでは?って思うんだけど。
あんな、きらきら光るような意味でタイトルにしたのではないのです。
「いや、表紙は……?」って言われたら、たぶん詐欺です。
アスタリスクには、「伏字」という意味もあるのをご存知だろうか……
四文字言葉をよく伏せてますよね。
“s**t”とか”f**k”とか。洋楽聴く人は「あーね」って感じかもしれないな。
この伏字に使ってる”*”が「アスタリスク」です。
つまり、『死ねばいいのに』というタイトルを伏せたって感じなのです。
また、主人公が望む四文字の願いが章タイトルになってまして。
これは別にまずいワードではないのですが、せっかくなので四文字で統一しました。
そして、その四文字の願いの中で、主人公がたどりつく想いは何なのか──
明言はしなかったので、そこも伏字なわけです。
と、めっちゃ煽ってますが、よほど月ノ羽衣の作品ならいけるぜという自信のある方のみどうぞ。
絶対に万人受けしないし、主人公が繰り返し死のうとする描写はいらつくと思います。
何でそんなもん発表したんだよって言われたら、今月中に何とか作業終わりそうだったからです。
そんなん……いっそ今月の新刊休めばよかったじゃん……と思われても仕方ないけど、まあ……出しちゃった。
あと、もし作品を読んだ猛者がいたら、「これは自伝か?」って思うかもなんですが……
自分の体験はかなり参考にしてます。
しかし、作家とは自分の人生をネタ帳と思ってるものなので、要はネタです。はい。