OCT-18マウントとArriスタンダードマウント

おフランスVSおそロシア
マウントを比べてみる。

Arriスタンダードマウントは、ドイツ製アリフレックス映画用カメラのマウントです。
OCT-18とはロシア製の35mm映画用カメラのマウントです。
どちらも古い規格のマウントです。

↓こちらは、OCT-18のPO61 28mmf2.5のマウント部分です。

↓こちらは、アリスタンダードのアンジェニュー 24mm f2.2です。

マウントは、この通り筒状にになっています。
筒に切り込んである溝に、カメラ側の爪が噛み、ロックされる仕組みです。

見たところ同じ様なマウントですが、寸法が違います。

アリスタンダードはシリンダーの直径は41mmです。マウント面からロックの溝までの距離が14mmです。

OCT-18は直径47mmで、溝までの距離は11.5mmです。

ロシアのマウントの方が一回り大きいですが、明らかにアリフレックスを真似て作った様な形状です。

アリ・スタンダードマウントには、2種類のタイプがあります。シングルヘリコイドとダブルヘリコイド。

ややこしいですが、見た目は一緒でも、
シングルヘリコイドとダブルヘリコイドと2種類のタイプがあります。

シングルヘリコイドは、マウントの筒の部分とピントリングが一体型です。筒は、カメラマウントの中で回転しています。ヘリコイドの回転を抑えるために、後ろの方からピンが出てレンズに差し込まれます。

ダブルヘリコイドは、筒の部分とピントリングは別体です。
筒の部分は固定され、回転するのはグリスの詰まったヘリコイドの部分だけです。映画用カメラ実機は触ったことがありませんが、ピントリングの感触はダブルヘリコイドの方が良いことは想像できます。

アリフレックスは、ツアイス、クック、アンジェニュー、シュナイダーの4メーカーからレンズが出ています。シングルヘリコイドのレンズは主にクック製のレンズと聞いています。

もう一つ、ややこしい事があります。
アリ・スタンダードマウントには、16ミリ映画用と、35ミリ映画用があるのです。マウントは同じながら16ミリ用のレンズが入ったものと、35ミリ用のレンズが入ったものがあります。大は小を兼ねるで、35ミリ用は16ミリ用でも使えます。

シングルヘリコイドに対応したマウントアダプターを見てみましょう。

ヘリコイド固定用の差し込みが見えます。
その両脇に、ベアリングが見えます。ベアリングはシリンダーに一周入っています。ベアリングにはスプリングが効いており、パチンとレンズマウントの溝にハマります。

ついでに、アリバヨネット(ニュー・アリ)マウントの形状も

筒の径はアリ・スタンダードと同じです。写真の様にバヨネットの爪がついてます。カメラにはグイッと回してロックします。
アリ・バヨネットには、シングルヘリコイドはありません。

アダプターもこの通りシンプルな構造です。2本のネジでマウントを締め付けます。

しっかりとマウントを咥え込み、レンズを装着出来ます。
ダブルヘリコイドのアリ・スタンダードマウントも兼用して使えます。

アリ・スタンダードもダブルヘリコイドなら、こちらのアダプターの方がしっかりと止まります。

それではOCT-18のPO61 28mmf2.5は、

PO16は、アリで言うシングルヘリコイドです。

OCT-18のレンズでダブルヘリコイドがあるかどうかは知りません。

OCT-18のマウントアダプターもありますが、映像プロ向けなのでとても高価です。

この様に、ボールベアリングの複雑な構造です。

マチュアがちょっと使うにはもったいない。

そこで、教えていただいたのが、このアダプターです。

このアダプターを教えてくれたのは「オールドレンズ・ライフ」の澤村さんです。

アダプターはOCT18-EOSマウントアダプターです。ベラルーシ製です。
ベラルーシといえば魚眼レンズのペレング8mmを思い出します。

EOSと言ってもEOSに装着できるわけではありません。このレンズの場合ミラーに当たってしまいます。
EOSにしておけは、他のマウントアダプターをブリッジすることで、母艦の機種を問わずなんとでもなるという訳です。

P061は35ミリ映画用のレンズです。映画では35mmフィルムを縦に回すので、フィルムで言えば、ライカ判の半分です。ハーフサイズ、要はAPS-Cタイプのセンサーと同じくらいの大きさです。
という事で、富士のX-T20に装着してみました。少し工夫が入りました。

こんな感じに組み上がりました。

PO61 28mmf2.5 →OCT18-EOSアダプター→EF-Mアダプター→M-FXヘリコイド付きアダプター→X-T20

ヘリコイド付きアダプターを使わなくても、前玉を回転させて繰り出せばピントは合わせられますが、絞りリングと一緒に回ってしまい、操作し辛いのでヘリコイドを組み合わせました。

これでMマウントアダプターのヘリコイドで繰り出し、ピントが合わせられます。

X-T20とPO61 28mmf2.5

ロシアの28mmです。意外とピリッと写り僕の好みです。
後玉がキズキズなんですが、なかなかイケてます。

このベラルーシ製アダプターもいくつかセレクトしてmukでラインナップする予定です。


Angenieux 24mm f2.2も

PO61 28mmf2.5もAngenieux 24mm f2.2もどちらも35ミリ映画用レンズです。35ミリのシネレンズはX-T20にジャストなフォーマットのレンズと言えます。

X-T20とAngenieux 24mm f2.2

mukの前の通りのスナップです。無限遠で絞り込みパンフォーカスで撮りました。


ここで一つ仕入れたてのウンチクを披露させてください。
アンジェニューの話です。

この、アンジェニュー25mmではなくて、28mmの話です。

映画用レンズにおいて、はじめての28mmレンズはアンジェニューでした。
それまでは、ワイドと言ったら35mmまでしかありませんでした。
アンジェニュー28mmを使ったはじめての作品が、1937年のフランス映画「望郷」です。
ジャン・ギャバンの主演作品です。
初の28mmワイドレンズは映画の中でも一際柔らかく、どのカットをこのレンズで撮影したのかわかってしまうほどでした。

カメラマンの間でふんわり描写が流行っています。是非、映画「望郷」を見てください。そして28mmのカットを探してください(笑)

名作安売りDVDで売っています。

OCT-18についてもう一つ

調べていたら、OCT-18のムービーカメラ Konvas 1MのYoutube動画が見つかりました。
マウントのロック機構も詳しく解説されています。

見ていると触りたくなりますね。

情報は全くありませんがPO61もソ連映画の名作に使われていたかもしれません。そんなつもりで古い映画を探すのも楽しみです。