SIGMA sd Quattro改 OM-System
SIGMAさん、ごめんなさい。
禁断のボディマウント改造レポート
2017正月休みなので、じっくり改造に取り組めました。
先回の記事ではM42のマウントアダプターで試し撮りしましたが、sd Quattroを購入した真の目的は、オリンパスOMマウントへの改造なのでした。
さすがの解像力を持つカメラです。M42では物足りず、デジタルとも相性の良いOMレンズの組み合わせを試すべく本体の改造に踏み切りました。
改造は元に戻せるようにシグマのマウント部品は取り外し、ボディには手を入れません。レンズ側マウントは、オリンパスOM1のジャンクから取り外し利用しました。
sd QuattroとOlympus OM1
取り外したOMマウント
OMマウントを装着するための補助プレートを削り出しました。元のシグマSAマウントは取り外し、補助プレートを固定しました。
しっかりした補助プレートを作っておけば、今後色々なマウントに交換できるかもしれません。
ジャンクから削りだした補助プレートの上にOMマウントを設置しました。
マウントのネジ穴の関係上、OMマウントは時計方向に傾けてあります。
コリメーターを使って無限遠を確認します。
これでOMレンズが使えるsd Quattroが完成しました。
僕にとっては、マニュアルファーカスのレンズが使えることがとても重要なのです。
※注意※マウントは一度取り外して締めなおすと、片ボケなど精度が乱れる場合があります。良い子は絶対真似しなで下さい。又、改造することで、メーカのサービスが受けられなくなる可能性も生じます。
OMマウントを選んだ理由です。
1.フランジバックの距離の関係
マウント改造はマウントを組み立てるだけではなく、レンズの持つフランジバック距離の確保こそが大事なポイントです。
SAマウントのフランジバックは、EOSと同じです。EOS用のアダプターが存在するマウントなら、候補に上がります。しかし、EOSと比べると口径が狭いので、フランジ・バヨネット部分がカメラ内に収まるかも問題になります。
2.レンズロック機構の問題
一番厄介なのは、レンズのロック機構です。レンズピンの位置関係がマッチしなければ、マウントは移植難しいのです。
その点、OMはレンズ側にロック機構があるので悩むことはありません。
3.OMレンズをたくさん持っている
OMレンズは24mmから300mmまでの9本ほど持ってます。
他のカメラでは、アダプターでキャノンFDレンズを主に使っています。
OMレンズの出番が少なく、徐々に減っていく状態でした。
これだけ揃っていれば、かなり楽しめます。
中でもsd Quattroで試してみたいレンズは、
28mmf3.5、50mmf3.5マクロ、100mmf2.8、どれも小振りで高性能、デジタルにも相性が良いレンズです。
4.OMはレンズに絞り込みボタンがある。
これは、撮影のオペレーションでメリットがあります。
マウント改造やアダプタでは、ボディと絞りの連動はありません。
OMレンズの絞り込みボタンは、プリセット絞りと同じ機能を果たすのです。
あらかじめ絞りをセットしておき、シャッターを切る寸前に絞り込みボタンを押せば、開放でピント合わせをして、即絞り込み、撮影が出来ます。カメラの設定を絞り優先オートにしておけば、開放時もファインダーが飛ぶこと無く撮影出来ます。
それでは、実写です。
まずは、お店の窓からいつものテスト撮影で様子を見ます。
一番試してみたかったOM G.ZUIKO 28mmf3.5遠景の写真です。ノーレタッチ
無限遠もピッタリです。遠景まで解像感が抜群です。
期待通りの写りでした。
OM28mmf3.5
窓の写真 ノーレタッチ。収差も気になりません。
OM E.ZUIKO 100mmf2.8
いつも観ている景色ですが、これだけ解像感がある画は始めてです。ノーレタッチ。
それでは、外に出かけます。
いつも撮影している関内の繁華街を大岡川まで歩きました。
sdQには、OM24mmf2.8を装着し、上着のポケットには軽量な50mmf1.8をころっと入れて出かけました。
OM H.ZUIKO 24mmf2.8
パリッとした青空。シャープです。
OM H.ZUIKO 24mmf2.8で撮影
OM ZUIKO 50mmf1.8の写真2枚、ユリカモメ 開放撮影
OM H.ZUIKO 24mmf2.8 横断歩道の写真
OM ZUIKO MC 50mmf3.5マクロ お店の簡易スタジオでのクローズアップ写真
思った通り、sd QuattroとOMレンズの相性はばっちりです。
広角系は中心解像度は高いものの周辺の甘さが目立ちます。モノクロではポテっとした感じに仕上げられるので、そう弱点ではありません。
小振りなOMレンズ群は、カメラバックを持ち出すこともなく、ポケットに忍ばせておけます。
こうしてスナップに最適となった僕のsd Quattroでした。
モノクロ専用機としてマニュアルフォーカスで撮影出来るこのカメラは、大変満足いく物となりました。おかげさまで、Leica M Monochromeがほしい病から開放されました。
カメラは飽きると売りに出されますが、改造したカメラはジャンクと一緒、売れることはありません。このカメラは一生モノとなったのです。大事に使います。
それにしても解像感のすばらしさよ。PCで開いて拡大していくと何処までもズームされるので、超望遠でも使っているかのような錯覚を覚えます。
普通のセンサーの高解像度では、古いMFレンズでは粗が目立つことが多いですが、この写りはFoveonセンサーの賜物でしょう。
こうなると気になるのは、発売間もないsd Quattro Hです。
どんな写りか見てみたいです。もちろんOMレンズで!
蛇足
OMのオートフォーカスレンズOM ZUIKO 35–70mm f4 AF。
かつてミノルタに先を越され、AF専用機を持たぬメーカーのレンズ内蔵オートフォーカスが出回った時期がありました。
ゆっくりとAFが作動しますが、シャレにもなりませぬ。