森部綾子さんの『被災写真との関わり』

Yoko Sasagawa
muzumuzu
Published in
4 min readFeb 2, 2020
大学院生インタビュー加藤文俊研究室に所属する大学院生は、自身の興味や関心に基づいた専門的な研究を進めています。これまでの経過や成果をフィールドワーク展で報告する大学院生に、広報担当がインタビューを行いました。どうぞご覧ください!

大学院生のインタビューシリーズ、最後を締めくくるのは修士2年性の森部綾子さんです。日頃から私たち学部生の研究相談にも乗ってくれる優しい森部さん。ひたむきに進めてきた修士2年間の研究について、インタビューで探りました。

ー研究内容について教えてください

元々「生活記録」や「写真や手紙」に興味がありました。
中でも特に写真が好きで、携帯を持ち始めた事をきっかけによく写真を撮るようになったのですが、溜まった写真の整理の仕方に悩むようになりました。写真はどうしても撮りたいのに、捨てられず溜まっていって困ってしまう、みたいな。そんな、写真に拘りつつも、縛られてしまうのはなぜだろうという疑問から、「写真にまつわる生活記録」をキーワードに研究を進めています。

そんな疑問を持ちながら出会ったフィールドは、東日本大震災で被災した写真を洗浄する団体です。災後の瓦礫の中から見つかる被災写真を集めて一枚一枚についた土砂を手作業で洗い流す活動に対して、今まで写真に感じてきた「なぜ私は写真を捨てられないのか?」という問いへのヒントがあるのではないかと直感的に思いました。
その現場で何が行われているのかを知りたい思いが強く、その思いに動かされて、今日まで研究しています。現場に通ううちに、めまぐるしく動く現場のあり方に面白さを感じたり、写真に対する人々の認識をフィールド外でも知りたく思い、活動をフィールド外で実践するようにもなりました。

ー展示内容について

修士2年間の研究の成果をしっかりお伝えして、来てくださる方としっかりお話するインタラクティブな展示にしたいと思います。

皆さん当日は是非たくさんお話しましょう。

ー去年一年と比べて変化した事

去年はフィールドに入りたてで、とにかく作業に参加して現場を見よう見まねで覚えていく感覚でした。今年は現場に関わる経験も積み重なってきて、周りの人やフィールドを直接体験しない人にこのプロジェクトの面白さをいかに伝えられるか、という点まで考えが及ぶようになりました。

ーむずむずした瞬間

活動を直接体験しない人に、研究の面白さをイマイチ伝えきれない時期にむずむずしていましたね。
活動の震災や災害という社会的なインパクトが注目される事が多くて、私が面白いと感じるところまでを伝わるように語れるようになるまで時間がかかりました。当時は「防災系の研究なの?被災状況は?」などのフィードバックをもらう事は多く「難しい事を選んでしまったな…」と思う時期もありましたね。

ー恵比寿オススメのスポット

働いている時の休憩スポット「恵比寿南1公園」です。比較的小さな公園ですが、お弁当を持って公園で人間観察をぼーっとできる当時のオアシスでした。有名なタコ公園(恵比寿東公園)に対抗して(?)3~4年前にタコを意識したすべり台ができたのが面白いので、皆さん展示の帰りに是非行ってみてください(笑)

ちなみに、恵比寿で働いていたこともある森部さんは、恵比寿の素敵な飲食店にも詳しいです。展示にいらっしゃる際には、彼女オススメのお店を尋ねてみてもいいですね!

そしていよいよ明日は加藤文俊先生のインタビューです。お楽しみに!

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Yoko Sasagawa
muzumuzu
Writer for

Keio Uni. Faculty of Environment and Information Studies