コミュニティの皆様に向けたアナウンスとご提案

Orangechem
MCH | My Crypto Heroes
19 min readNov 27, 2023

12月29日追記

本記事公開後、一部情報の変更及び更新をしております。以下の資料が現時点で最新となります。最終確定は別記事にて告知を行い、本記事の内容はあくまでもコミュニティの皆様に事前共有することを目的としております。一部内容の変更がある可能性もございますので、ご了承ください。

背景

My Crypto Heroesの5周年を目前に、ビジョンである「ゲームにかけた 時間も お金も 情熱も、あなたの資産となる世界」をより一層実現するために複数のアップデートを予定しております。

本記事ではそのコンセプトとなる部分を皆様にご報告し、ご意見や質問をお聞きできればと思っています。公式Discord内のフォーラムに専用の部屋を作成しましたので、ご意見ある方はこちらまでコメント頂けますと幸いです。Discordに未参加の方はまず以下よりご登録ください。

過去~現在

これまで2018年のリリースよりコンテンツ拡充やブロックチェーンの可能性の探究をはじめ、ビジョンにもある「資産」とはかくあるべきかをユーザーの皆様と共同で議論しながら試行錯誤を重ねてまいりました* 。

* マイクリファンフェスタ主催者bearko氏作成の5周年を振り返る記念動画

一年を経たずサービス終了となってしまうゲームも多くあるゲーム市場の中で、さらに環境変化の激しいブロックチェーンゲームの領域の中で5周年を迎えられるということは非常に誇らしく、また今後もより良いプロジェクトにしていきたいと強く思います(これを書いているMCHチームも全員元はユーザーであり、コミュニティ-運営の垣根のない想いだと思っています)。

そういった背景の中で過去同様、My Crypto Heroesの進化・成長・拡大に関して現在もいくつかの課題点を認識しています。

1. アセットの多様化
現在、約200種のオリジナルヒーロー、約150種のエクステンション、加えてオーラがバトルコンテンツで利用できるNFTとして存在します。しかしながら、5年間でゲーム環境だけでなくその資産性や暗号資産市場との連動、エアドロップ、ランドやアートコンペティションなどさまざまな取り組みと並行して発行が行われてきました。その結果として、発行上限数に制限があることに加えて、アセット間での供給量やステータスのバランス、ユーザー離脱や秘密鍵紛失によるアセットの死蔵/非活性化など、ユーザーの入れ替わりやコミュニティ拡大における障壁があることは事実です。この課題は2019年から認識されていたため、レプリカ構想など過去に対応を実施したこともありました。

2. デュエルの環境変化
アセットの多様化に関連し、2022年にはリリース当初からの計画通りオリジナルヒーロー (コラボヒーローを除く) の新規発行を完了しました。2023年はアセットの強弱 (インフレ防止)、ゲームバランス、戦略検討コストなどを含むUX等のバランスを加味し、エクステンションの更なる新規発行も多くは行なっておりませんでした。しかしながら、人間の構造上同じゲームには必ず飽きるものです。新規アセットの流通を含めたデュエル環境の継続的な変化は継続的な運用には必要であると考えています。

3. コンテンツの多様化
これは大変良いことですが、今のMy Crypto Heroesにはたくさんのコンテンツが存在します。リリース当初は単純なクエストとデュエルカップ。そこからランド、レイド、コロシアム、ギルドバトル(幻獣大戦)などの複数のバトルコンテンツがリリースされました。2022年にリリースした魔石マイニングでMCHC-Cpが経済圏に密に紐付き、2023年にリリースしたクラフトとLab機能によってGUMと素材を介した経済圏が完成したと思っています。もちろん経済設計も機能設計もUIもいろんなところに改善点はあり、適宜アップデートを続けていますが、経済性を伴うゲームとして骨格は非常に面白いものができたと思っています。

5年間で構築したMCHのコンテンツと経済

しかしながら、成熟したシステムは安定であるものの、わかりにくい。そして安定なだけの仕組みはいつか枯れてしまいます。リリース当初のように「NFTを買って金箱掘ってデュエルで勝つゲーム」くらいの一直線のユーザー動線やわかりやすさがあると、新しいユーザーも比較的参入しやすい。近年のブロックチェーンゲームの流行は「NFTを買ってゲームすれば独自トークンが獲得できる」というPlay to Earnとも呼ばれるキャッチーなわかりやすさとともにありました。

未来

まだまだ記載しきれない部分もありますが、上記を踏まえての提案です。

達成したいことは主に以下の3つですが、ビジョンの継続とゲームとして楽しくあり続けることを大前提としています。

1. ヒーローのバランス調整(上方修正のみ)

当初より予定されていた約200種類のヒーローの発行が終わり、過去~未来の項で述べたこれまでの試行錯誤によって歪んでいる部分をバランス調整します。ただし、ヒーローの下方修正は一切行わず上方修正のみとします。これによりヒーロー購入の際の事前調査等のコストを低減させ、かつより様々なヒーローを用いた多様な戦略が楽しめるゲーム環境を目指します。

2. Soul Bound Hero (仮) の導入

既存のヒーローと同等の性能を持ち全てのコンテンツを利用することができるヒーローを、Soul Bound Hero(仮)としてアドレス間での送付や売買ができないトークンの形で導入します。

現時点ではGUM建で販売を行い、売上の50%はバーン、残り50%はオリジナルホルダーに還元することを予定しています。価格の決定手法、販売方法、販売期間、使用期限、ホルダーへの還元方法など多くの事項については設計は一旦完了しておりますが改めて発表を行なってまいります。まずこの時点でコメントをいただきながら、最良の方法について議論ができればと思っております。

これによりヒーローの流通数の問題や、ゲーム内完結でいつでもヒーローを購入してコンテンツを遊ぶことができるわかりやすさを提供できるものと期待しています。

3. World Championship (WC) 2024でのオーラの利用制限

オーラは多くのユーザー様に遊んでいただいており、戦略の多様化や楽しさにもつながっているものと思っております。しかしながら、当初の想定通りには利用が促進できなかったことは反省しており、まずWC2024では参加人数の最大化を最優先事項としてオーラの利用を不可能とします。

その他コンテンツやWPを配布しないデュエルカップにおいては、これまで通りオーラを利用していただくことが可能です。WC2025以降のオーラの利用可否については、現時点では未定です。

4. エクステンション

全てのエクステンションをスタンダード、レガシー、モダンの3つに分類し、WC2024ではスタンダードとモダンのみが利用可能となります。その他全てのバトルコンテンツでは、全てのエクステンションがこれまで同様に利用可能です。

  • スタンダード:既存エクステンションのうち20–30種類が該当します。戦略構成の基本となる代表的なエクステンションを中心に選ばれます。
  • レガシー:スタンダードを除く、前年度までに発行したエクステンションが該当します。
  • モダン:各年に新規発行されたエクステンションが該当し、年間で20~30種類の新規発行を想定しています。WC2024に向け、2023年に発行されるランタン及びハンバーガーシリーズはモダンに該当します。

各種エクステンションの分類の詳細については、公式発表をお待ちください。

5. 状態異常のバランス調整

上記のアップデートに合わせ、状態異常のバランス調整も行います。

6. 褒賞

「ゲームにかけた 時間も お金も 情熱も、あなたの資産となる世界」。資産という言葉は大変広い意味があって、一人一人が思い浮かべるものやその価値は異なります。しかし、そのような多様な価値を効率よく流通し、経済やコミュニティを安定・拡大させるために寄与してきたわかりやすくて便利なものがお金です。

そこで、World Championship 2024にはわかりやすい褒賞を設定しました。これが認知、興味、行動いろんなもののきっかけとなり一緒にMy Crypto Heroesを遊んでくれる方が一人でも増えるきっかけになることを期待しています。

なお、改めて公式発表を行うタイミングでUSDおよびOASそれぞれで3000万円を確保し、将来褒賞付与のタイミングで価格が高い方を付与します。

なお、褒賞の分配は以下を予定しています。

  • King Dragon優勝者:1,000万円
  • Queen/Prince/Princess Dragon優勝者:300万円
  • WPくじ:1,100万円

ビジョン再考

ゲームにかけた 時間も お金も 情熱も、あなたの資産となる世界」。今回の提案はこのビジョンに反しているのではないか?というご意見も頂いています。このような再考こそ蛇足でせっかくのビジョンを陳腐化する可能性すらあるとも危惧しますが、5周年を機に改めてビジョンについて考えてみたいと思います。

1. “資産”とは何か

これまでビジョンにある”資産”が何を指すのかは、個々人に委ねられていたのではないかと思います。たとえば市場で価格が付くようなヒーローなどのNFT、MCHCなどの暗号資産が挙げられると思います。他にも、ゲーム体験をブログにしたり、ゲームで得た影響力やスキルをマネタイズしたりさまざまな手段で資産を得る場合もあります。また、お金(市場価格)と切り離された資産も存在すると考えます。ゲームプレイによる楽しさ、コミュニティやイベントの楽しさ、それらの思い出。楽しさ、にもたくさんの種類の感情があるでしょう。

2021年にユーザーの1人が代表となり設立したMCH株式会社は、ゲームにかけた時間とお金と情熱がこの多様な”資産”となる世界を作る法人です。そして、”資産”に対する大きなの価値棄損の1つはサービス終了です。

「MCHの提案はビジョンに反しているのではないか」「”資産”の価値を毀損しているのではないか」というご意見に関しては、思い浮かべる”資産”の対象またはその広範さが異なる、ないしは誠意のある丁寧な説明が不足している状況であると考えています。

2. MCHの考え方

多様な”資産”について、それぞれ記載していきます。

<市場価格*のある資産について>
まず前提として、MCHは投資会社やそれに類するものではありません。そのため、MCHは販売物(ヒーロー、ランド、ソウル**およびMCH Verse Pass**)や無料配布物(エクステンション、MCHC及びRAYS)に対して、価格保証や価格向上を目的とした提供は行っておりません。あくまでも全てはゲームを遊ぶためのアセットであり、トークンとして二次流通することで市場価格のある資産となり、ビジョンを最低限実現しているものと考えてます。この際、MCHは特定価格に対する意図を持ちません***。

* 価格とは、ある資産の価値が需要供給に基づいて取引される際の対価となる貨幣数量を指します。
** 発行対価となるトークンは全てバーン
*** 発行対価に対するサービス(ユーティリティ)に保有者が十分に価値を感じているかは二次流通価格として観測できる場合もある。したがって、それを指標に努力することはあるが、保有者に対して価格を保証する、または価格向上自体を目的にすることはない。

<市場価格のない資産について>
市場価格がないため、ビジョンの最大化が実行できているかを定量化して判断するのは非常に難しいですが、主に3つの観点を持っています。

A. ゲームとして楽しいか
金箱を見つける、バトルで勝つ、賞金や報酬を獲得する、テンポよくクラフトできる、Labで儲ける、魔石を引き当てる、Cpを稼ぐ、ランドに貢献する、みんなが気付いていない編成を見つける、コミュニティで会話する、など多岐に渡りかつ定量化も言語化も難しい提供価値の設計は主に経験に基づいた直感と信念で判断します。これらの提供価値が、皆さんの”資産”となっていれば嬉しい限りです。

B. NFTの時価総額
供給量が一定のNFTに対して、ゲームが楽しければNFTの需要が増加し、二次流通価格も上がります。そのため、ゲームという提供物に対する皆様の評価の1つの指標として二次流通価格(≒ 時価総額*)を意識することはあります。ただし価格自体を目的にすることはありません。また、NFT価格はETHなどの市場価格にも影響を受けることがあります。

* 厳密には、死蔵したアセットなどを除いた活発に利用されている各種アセットの時価総額の総和。

C. MCHCの時価総額
MCHCは、NFTを利用したゲームプレイにより獲得できるため、NFTの時価総額にも相関があると思われる他、NFTとは無関係の”楽しさ”の受け皿にもなっていると考えています(詳細はこちら)。よって、最も広義に”資産”を定量化したい場合は、MCHCの価格(厳密には時価総額)を参照します。あくまでもこれは多様な”資産”に対して、複数のチームメンバーにて複雑な意思決定をする際、意思統一のためにチーム内で設定している指標です。また、MCHC価格はETHなどの市場価格にも影響を受けることがあります。

3. ビジョンは最大化されているか?

当然ではありますが、MCH社としては常に最良の判断に努めています。しかしながら、常に最良の選択を継続できるわけではないと思います。そして、その評価は各種アセットの市場価格と皆様のいちプレーヤーとしてのご意見に現れます。質問・提案・意見については、本記事冒頭に記載の公式Discordまたはこちらのフォームからご連絡ください。

終わりに

蛇足だとしてもあえてビジョン再考を行ったのは、MCHが考えていることをコミュニティの皆様と共有したいからです。究極的には、MCHの保有資産を全てトレジャリーへ移し、プレーヤー自身の意見によって現メンバーを含むチームがMy Crypto Heroesを作り上げていくことが理想です。今回の議論もその過程となれば幸いです。

アセットの貸し借りについて

賞金額が大きくなることによって仲間(ギルド)でのアセットの貸し借りが促進され、個人では賞金に手が届かないという事態が興を削ぐ可能性があるのではないか。

このようなご意見をいただいており、MCHも同様の認識をしています。

まずアセットの貸し借りは禁止されたものでもなく、(プライベートな) 売買と厳密な区別もできない行為であるため、明確にルール内の行動です*。その上で、以下の複数の観点を総合的に考慮し、状況に応じた施策を行ってまいります。

* 細かいですが曖昧な点が残るとすれば、デュエルカップ参加時に「不正行為」をしないことを承諾していただいておりますので、これにアセットの貸し借りが該当しないことが明確な表示にする必要があります。

まず、SBHの導入によって貸し借りをせずともヒーローの入手が可能となります。エクステンションに関しても、モダン導入とクラフトでの作成により、アセットの流通状況が大きく変わります。すべてのパターンに関する厳密なシミュレーションは不可能なため、リリースと並走してゲーム環境の整備に努めます。

次に、ご意見の中でも細くいただいていたように、WPくじやOAS Cupの併載によってインセンティブの分散(アセット集中のインセンティブの減少)を行います。

さらに、MCHを含むユーザー提案によるガバナンスにて、実質的にアセットの貸し借りを制限するルールを実行することも可能です。

最後に、本記事でも述べた通り、今回の褒賞は「名誉にふさわしい褒賞」を掲げています。個人であれ、ギルドであれ、勝者には名誉が与えられます。My Crypto Heroesの未来はその名誉と一心同体です。その名誉を、そしてビジョンを最大化できるようチーム一同努力して参ります。合わせてユーザーの皆様からもたくさんの情熱と意見をいただきながら最高のゲームを提供し遊べれば嬉しいです。一緒に楽しみましょう!

Q&A

Q. なぜユーザーガバナンスを実施しなかったのでしょうか

A. 今回の提案は上記の通り広範に及ぶため、各施策が有効である期間内に結論に至る可能性は極めて低いと判断したためです。またこれらは独立した提案ではなく、一部を未実施とする場合は全体ではデメリットが勝る可能性もあると考えています。よって、運営判断による決定がビジョン最大化につながると判断しました。

Q. World Championshipを1年開催ではなく、より短期開催にすることは可能か (3か月など)

A. 可能です。今回の発表以外の考慮事項も多くあると思いますので、目的やメリットデメリットを整理の上でガバナンス提案にてまず議論するのが良いかと思います。3ヶ月ごとの優勝者4人で年間勝者を決める、なんて形式もあるかも知れません。

Q. 以下の提案1–2はどうか

(1)オリジナルヒーロー
・能力値変更はしない。

(理由)
・資産価値が恣意的に変更される。
・一度変更を認めると、今後何度も調整が行われる。
⇒能力値のインフレ発生、その内行き詰まる。

・大会は、オリジナルヒーローとSoul Bound Hero(仮)に分けて開催
・能力値は、オリジナルヒーローからバランス調整したものへ変更
・販売の売上げは、オリジナルヒーローホルダーへ還元
(+オリジナル保有ヒーローと同一のものは無償で購入可)

現在のMy Crypto Heroesと、完全フォークプロダクトであるMy Crypto Heroes -Soul Bound-を作るようなイメージと理解しました。まず、フォークの作成については以前から議論に上がったことは複数回あり、大変面白い試みと考えています。MCH社の同メンバーで2つのプロダクトを運営することは、インセンティブもメリットもないため検討はしていませんが、適切なサードパーティが見つかった際には具体的な検討も可能です。

また、我々の提案通り同一プロダクト内にオリジナルとSBHが存在する場合、それぞれ独立したWP配布なしのデュエルカップを報酬の有無に限らず開催することはレギュレーションとして勿論考えられます。World Championshipとしての開催におきましては、同一大会へのユーザー参加が盛り上がりの集中化のために必須と考えております。

(2)Soul Bound Hero(仮)
・有効期限付きヒーローとする(一定期間経過後は使用不可)

(理由)
・有効期限付きヒーローとすることで、オリジナルヒーロー
のように半永久的に存在しない。それにより、能力値の
バランス調整に失敗しても一定期間経過すればリセット可能。
能力値、発行数、販売価格等、思い切った変更も可。
(能力値等は、ガバナンス投票で決定しても良い)

ご記載の理由の通りに年間ごとの有効期限は検討しましたが、現時点では一旦期限なしを想定しています。以下のように考えております。

  1. SBHの購入者最大化を考える際、有効期限や維持コストに相当するものを撤廃することは障壁の最小化には必要です。まずこれをはじめに考えています。
  2. その上でSBHの過剰供給 (≒値付けミス) やオリジナルヒーローの価格下落を防ぐことができれば最良です。バランス調整はオリジナルに合わせるだけですので、本件とは独立して考えて問題ありません。
  3. 2の詳細として、販売価格決定はオリジナルホルダーの意思表示を反映するロジックを用意する予定です。ユーザー間での議論は不要ですが、各ホルダーの意見が反映されます。また、この際にSBHの流通状況等をロジックに反映することで過剰供給を防止する想定です。

ゲームにかけた 時間も お金も 情熱も、あなたの資産となる世界
The time, money, and passion you spent on games will become your assets.

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