Lightning Networkについて

Lightning Networkについて個人的に感じていることを書きます。

以下は、2年前にMUFGアクセラレータの最終発表会で示した、ビジネスモデル。今はサイドチェーンが出てきたり、色々状況が変わってきているが、プロトコルが本質的にLayer構造になっていくという予想と、ミドルレイヤーに価値が出てくるという部分は大体そんな感じになっていっていると感じてる。今後さらにレイヤー構造が追加されていくかもしれない。

自分達はBitcoinは、とんでもなく大きなイノベーションだと思っている。価値を生み出す所(国家や企業に依存せずに価値を生み出している)と、Trustlessに価値をやりとりするところ(明示的な中間者を挟まずに価値をやりとりできる)が、これまでに無いガバナンス構造であり、ソフトウェアの構造=社会構造となる現代において、非常に大きなイノベーションを起こすプロトコルだと思っている。Ethereumのように、価値のやりとりにおいて、smart contractが使用できる、さらに新しいプロコトルも大きな存在感を示してきていて(自分達はbitcoin maximalistではなく、Ethereumも好きだ)、今後期待があると思うが、やはり価値のやり取りのプロトコルとしてはセキュリティサーフェスが小さいBitcoinが最初にアダプションを迎えると思っている。

Lightning Networkによって、リアルタイムなmicropaymentが可能になり、その上に沢山のアプリケーションが載っていく。このプロトコルはTCP/IPやhttpのように、社会にとって非常に重要なものになっていくだろうと予想している。そして、また、プロトコル自体が成熟していくのに数年かかるのではないかと思っている。

そのような予想のもと、自分達はこのプロトコルをきちんと全部理解したいとえて実装をしている。また、このプロトコルが完成に向けて作られていくところに少しでも参加したいと思って貢献を心がけている。

仕様自体は以下のgithubページに公開されている。

ここを見るだけでもかなり複雑なプロトコルだと分かる。さらに実際に設計したエンジニアによると

Lightning Network = Bitcoinを含むロジカルなプロトコル + 並行処理

で、実際のところ並行処理や排他制御が非常に複雑であり、そちらの設計の方が大変であると言っている。そして、その部分はRFCを読んでいても把握するのは難しい。いくら読み込んだとしても半分しか把握できない(一部の天才除く)。こういう事実自体を知らない人も多いと思う。勿論、そこは各実装に隠蔽されるので、別のレイヤーを創っていくというのもスマートなやり方だとは思うが、最初に述べたように、このプロトコルは非常に大きな価値を持つようになると考えていることと、どこまでがTrustlessなプロトコル仕様に入り、どこからがアプリケーションレイヤーに入るかはビジネスにも大きな影響を与えるため、自分達で実装を行った。

まだReckless Versionではあるが、この部分を把握したエンジニアが複数いることは、このプロトコルが実際に多用され始めたときに大きな意味をもってくると思っている。

Nayuta Lightning Shop: https://shop.nayuta.co/
Ptarmigan: https://nayuta.co/lp/ptarmigan.html
Nayuta Website: https://nayuta.co/

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