キュレーション・フリー宣言

Curation Free Declaration

WaxOgawa
NEORT.JP
Dec 5, 2022

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キュレーションはラテン語の「curare(世話をする)」に由来しており、さらに遡れば、「cure」は「karo(悲しみ)」に由来しているとされる。こうした「キュレーション=治癒」を排し、展示となすことは、ある意味で各人の自己治癒能力を信じることでもある。

それぞれが互いに伸ばしあう想像力や創造性がこの世界を埋め合い、ホワイトキューブを彩っていく。自律的に制御されていくイメージ、そのとき立ち現れてくる途方もない視覚の洪水について…… ポスト・インターネット時代における自己治癒能力を探る試みとして、「キュレーション・フリー」を設けよう。

現在地

2022年4月に馬喰町でオープン以降、NEORT++ではギャラリスト・キュレーターによるアーティスト選定や企画、展示を一貫して行ってきた。デジタル技術をメディウムとした新たな表現を素材としながら、そこから立ち現れてくるヒューマニティー、芸術、美学、感性を提供して続けている。

一方、今回の実験的な企画では「キュレーション・フリー」を掲げ、広く作品を募集することとした。条件はただ一つ、NEORT++の空間に投影できる作品であること。タイトル通り、作品の選定や調整、コンセプトの説明などは一切行わない。参加したいと思えば、誰でも分野や職業を問わずオンライン経由でNEORT++という物理的なプラットフォームへ介入できる。それはある意味で、ポスト・インターネット時代における新しい社会参加型アートの一つの形態としてみなすこともできるだろう。

インターネットという、私たちが獲得した義手は今や、私たちの表現という身体に馴染んでいて、それなしで想像することが難しい。とはいえ、これを悲しんだり否定したりするのではなく、その上で何が可能なのかを考えることが、デジタル・ネイティブ世代たる私たちのひとつの役目だろう。制限のないイメージがもたらしていく反=秩序の中に、ある種の美学を見出すこと。混淆な想像力=創造力が広げていく印象の洪水を、ここで実現しよう。

応募期間:2022年12月4日 23:59 JST

展示期間:2022年12月10日 14:00 JST — 2022年12月18日 19:00 JST

表示方法:8台のプロジェクターによる壁面投影

*最大サイズは11012px×1080pxです。各作品は約1分間表示されます(作品の数の何倍も再生されます)。

参加方法

次の2つのタグで作品をNEORTに提出してください。

1. CURATION_FREE
2. 1day1~day7(展示日を表す)

day1:12月10日(土)
day2:12月11日(日)
day3:12月14日(水)
day4:12月15日(木)
day5:12月16日(金)
day6:12月17日(土)
day7:12月18日(日)

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