デジタルアートって何だろう?

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NEORT.JP
Published in
6 min readFeb 15, 2019

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この記事はWhat is Digital Art?の翻訳です。

NEORT, Inc.ではデジタルアートのプラットフォーム「NEORT」を開発しており、近日β版のリリースを予定しています。

今日はわかりそうでよくわからない「デジタルアート 」について、我々の考えを紹介したいと思います。

我々の考える定義

様々な解釈があると思いますが、私たちはデジタルアートを「コンピューター技術を用いてつくられた動的なアート」と定義しています。

アートが何か?についてはここでは深く触れず、美的表現に対して用いられる言葉程度に捉えてください。

絵画などの従来のアートと比較すると

  • 時間経過に応じた変化がある(アニメーションする等)
  • インタラクション可能
  • PC、スマホ、プロジェクターなどのマルチデバイスで閲覧可能

などの特徴があります。

イラストや写真などの静的な作品や、インスタレーションでよく見られるフィジカルな作品もデジタルアートと呼ばれることもありますが、私たちは主にディスプレイに表示される動的な作品のことをそう呼んでいます。

デジタルアートの例

アートの解釈は多様で私たちの想像を超える作品がたくさん生まれることを期待していますが、例としては以下のような作品をデジタルアートと呼んでいます。

Deep Sea Trench by r21nomi

こちらはJavascriptでつくられた作品で、ブラウザ上で動作します。

perlin noise by yasai

こちらはProcessingという開発環境によってつくられた作品で、ブラウザで動作するようp5.jsが使われています。

Until by FMS_Cat

これまでの作品はループするビジュアル作品がほとんどでしたが、この作品は数分程度の映像作品としてつくられており、音楽も盛り込まれた複合芸術作品となっています。

このような作品はデモとも呼ばれており、Demosceneと呼ばれるカルチャーも存在します。
Demosceneについてはこちらの記事がわかりやすいです。

ちなみに、上記の作品は映像フォーマットになっていますが、元はWebGLやUnityなど、プログラミングによってつくられたビジュアルです。

Paramount Comedy x Kasay by Andrey Kasay

これまであげたような抽象表現の作品だけでなく、上記のようなアニメーション作品もデジタルアートと呼べると考えています。

いくつか例をあげましたが、人の心をうごかす動的な作品はどんな表現であれデジタルアートと呼べるかもしれませんね。

色々な呼び方

我々がデジタルアートと呼んでいる作品群には別の呼称も存在します。

  • ジェネラティブアート
  • シェーダーアート
  • ピクセルアート
  • モーショングラフィックス
  • VFX
  • デモ

人によって定義は異なるかもしてませんが、ちょっとこれらの呼び方は専門的な印象を受けませんか?

呼び方は様々ですが、これらの作品はどれも美しくカッコ良いものだと私たちは考えます。

こういった美しい作品をたくさんの人が楽しめるような総称となるような言葉を探していました。

それが「デジタルアート 」です。

デジタルアートをつくるための技術

大きくリアルタイムレンダリングとプリレンダリングがあります。

リアルタイムレンダリング

リアルタイムにビジュアルを生成する手法です。
主にプログラミングによってつくられることが多いですが、TouchDesignerやvvvvなどのGUIでつくることも可能です。

大きな特徴としては、入力に応じてビジュアルを変化させられる点でしょう。
音やマウスカーソルに合わせてビジュアルが変化するインタラクティブな作品をつくることができます。

Clock of clocks by Daniel Weiner

例えば、時間を入力値として用いれば、時計を美的に表現することもできます。

よく使われる技術としては、WebGL(Javascript)、GLSL、Unity、openFrameworks、processing、TouchDesignerなどがありますが、Web上で扱うためにはJavascriptで実行できる形式にするか、動画として書き出す必要があります。

リアルタイムレンダリングはインタラクティブなビジュアルを制作できる反面、複雑な描画処理の際にはマシンスペックが必要だったりと制約も多くあります。

プリレンダリング

プリレンダリングは事前にビジュアルを書き出しておく手法で、多くは動画形式として扱われます。

動画形式であるためインタラクティブ性はありませんが、どの環境でもほぼ同等のクオリティでビジュアルを見せることができます。

またあらかじめレンダリングを行うので、リアルタイムレンダリングでは性能的に難しい写実的な表現も可能になります(レンダリングにとても時間がかかることもありますが)。

大抵の技術は動画としてプリレンダリング形式にできますが、代表的に使われるアプリケーションとしてはAfterEffectsやCINEMA 4Dが挙げられます。

どんな技術でつくられた作品も美しい

作り手としてどの技術を用いるかは大切ですし、楽しみでもあります。

ある作品について、ジェネラティブアートだと言う人もいればモーショングラフィックスだと言う人もいるでしょう。

それがProcessingでつくられているかAfterEffectsでつくられているかを大事にする人もいるかもしれません。

しかし、どの技術でつくられた作品も等しく美しいものになり得ると私たちは考えます。

こうした多様性を受け入れ、幅広いデジタルの芸術作品を総称する呼び方として私たちは「デジタルアート」という言葉を用いています。

表現の未来

インターネットテクノロジーの発展により、アートの表現はより多様なものとなりました。

そしてそういった表現技術も長い鍛錬を経ずとも身につけられるものとなっています。

デジタルアートがたくさんの人に楽しまれる未来は確実に来るでしょう。

たくさんの新たな表現が生まれ、世界がより創造的な場所になるのが楽しみでなりません。

最後に

私たちは、未来の表現を生み出す場所としてNEORTの開発を行なっています。
デジタルアートを愛する全ての人のためのサービスです。

近日β版を公開予定ですので、楽しみにしていてください。

※Update: NEORTは2019.02にリリースされました。
https://neort.io/

Twitter: @neort_io
Email: support@neort.io

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