肩こりがつらいエンジニアは分割式自作キーボードを使え!

Tomokazu Uehara
nextbeat-engineering
Mar 31, 2022

お疲れさまです。ネクストビートでエンジニアリングマネージャーをしている上原です。

自作の分割式のキーボードを初めて作ったので、分割式キーボードや、自作のキーボードに興味ある方、検討している方向けにブログを書いてみました。

結論です。以下の分割式自作キーボードを使い始めて約2ヶ月ですが、肩こりがかなり減った 🙌 のと、キー入力速度が向上しています😏。

私のカワ(・∀・)イイ!! 分割式自作キーボード

始まりは、肩こり

私は公私ともにPCを使う時間が長いので、慢性的な肩こり😢があり困ってました。

そこで、なにかいい解決方法がないものかな?と探している中、
「分割式のキーボードを使うと、肩甲骨が開いて肩こりがしなくなった」
というブログ記事を複数見つけたので、分割式キーボードの検討を始めました。

いつも使ってるのは日本語配列キーボード

私は約25年間、日本語配列キーボードを使っており、直近8年はMacBook Proの日本語配列キーボードを公私ともに使っている状態でした。そのため、日本語配列の分割式キーボードを条件に探していました。しかし、以下の製品が発表されたばかりで、他に選択肢がないような状況のようでした。

BAROCCO(バロッコ)MD770 JP 日本語配列 2021年11月18日発売

BAROCCO MD770 JP(日本語配列)

このキーボードの発表から、発売日まで暫く期間があったので、せっかくの高い買い物(約2万円)するので、キーボードについて深ぼってみようと特集やブログ記事などを読んでみることにしました 📝。

初心に立ち返る

キーボードはパソコンへの入力手段ですが、その入力速度に一番影響するのは、「 ホームポジションから如何に手を離さずに入力できるか 」ということを再認識しました。

【タイピング日本一の達人が教える】速いタイピングのコツとトレーニング方法

ホームポジションから考えるキーボードの形

その上で、以下の考察が面白かったのですが、日本語配列キーボードよりも英語配列キーボードの方が、キーが中央寄せで、ホームポジションから手を離すことなく、両端のキーまで届きやすくおすすめ😃とのこと でした。

なぜJISよりUSキーボードをオススメするのか、というお話
英語配列(US)キーボードをおすすめする3つのメリット≫作業効率が爆上がり!

ただ、どちらの配列でも右手のキーボードエリアが広くなっており、この構造的な非対称性が原因で、右手小指の負荷が高く、ホームポジションから右手が離れやすい構造になっているのが気になり始めました。🤔

ざっくり左手と右手領域を分けると右手の小指が頑張る構造か、ホームポジションが崩れる構造

そんな時に、たまたま見つけた自作キーボードが左右対称だったので、ついに深遠なる自作キーボードの世界に入っていくことになります。

自作キーボードの物理的な条件

私が自分好みの自作キーボードを探す時に、以下の物理的な条件を決めていきました。ご参考までに「キー数」から順に説明していきます。

  • 分割式 or not
  • 左右非対称 or 左右対称
  • キー数
  • 親指の活用
  • キーレイアウト
  • キースイッチ
  • キープロファイルとキーキャップ

キー数

自作キーボードを探していると、「30%」というような%表現をよく目にします。これはフルキーボードからのキー数の割合を示すもので、フルキーボードが約100キーなので、30%のキーボードとは、キー数が約30個台のキーボードを示していると思っていただければOKです。

遊舎工房さんの通販サイトでの「絞り込み」の条件も「30%」とかで検索絞り込みできます。

%表記について

なぜ、「40%とかのキー数の少ないキーボードがあるの? 🤔」と疑問に持たれる方もいらっしゃると思います。これは、キー数に制限を設けることで、ホームポジションから物理的距離を短くし、ホームポジションから手を離さなくてすむという効果をもたらします。キー数の制限=呪術廻戦の縛りみたいなものですね 😝

以下のCorne Cherry V3は40%キーボードですが、ホームポジションの一つ外までしかキーを置かない設計(縛り)ですね。設計思想が素晴らしい!

40%の分割式キーボード Corne Cherry V3

「でも物理的にキー数が少ないと、数字や記号の入力とかどうなるの? 🤔」と思うかもしれません。そこは、ソフトウェアの仕組み(後述するキーマップ)があるお陰で、入力には困らないようにできます🙌。

いつも使っているMacBook Proだと66キー+タッチバーでしたので、まずは60%のキーボードで探すことにしました。流石にいきなり40%台のキーボードには手が出せませんでした。。。 😅

そこで、私は60%キーボードで、ソフトウェア側のキーマップ(後述)をつかうことで、ソフトウェア的な40%キーボード化に挑戦中です。😏

親指の活用

分割の自作キーボードは、親指 👍 を活用することを想定したものが多くあります。私も「親指でエンターキーを押す」というブログをみて、親指用のキーがあるものを選択することにしました。

Lily58 Pro も素敵

親指エンターは、慣れてくると非常に便利です。私の場合は、下の画像のように、左親指はスペースキー担当、右親指はエンターキー担当としています。はじめはうまく使いこなせなかったのですが、親指の横の第一関節のあたりをキーに乗っけてペシペシと押す感じになって入力速度があがりました。

左親指はスペースキー、右親指はエンターキー担当

キーレイアウト

物理的なキーボードの各キーの配置をキーレイアウトといいます。

自作キーボードにおける様々なキーレイアウトの話
※サリチル酸さんのブログです。自作キーボードの情報が詰まってます。

実に様々なアイデアを具現化したキーレイアウトがあります。私は指の長さに応じて、縦方向にずれているColumn Staggered(カラムスタッガード)を使ってみたいと、ノーロジック&ロマンだけで選択しています。 😚

ロマンのカラムスタッガード

キースイッチ

キーボードの各キーは、キースイッチと呼ばれる部品でできております。
以下の画像は、CHERRY社のメカニカルスイッチです。

CHERRY MXスイッチの数々

このキースイッチで、キーボードを押したときの「カタカタ」という音や、押すときの力の具合を決めることになります。軽く押したら入力されるものから、しっかり押さないと入力されないものまで幅広くあります。

CHERRY MX スイッチについて

私はMacBook Proのキーボードが好きで、あまり打鍵感がないものが好きだったので、スピードシルバー軸という軽めのキースイッチを選択しました。使ってみると、MacBook Proのほうがしっかり押さないと入らないのだなという感想を持つ使い心地のキースイッチで、また一つ自作キーボードの面白さを知りました。

注意:自作キーボードの基板を買う時に、必要なものとして「Cherry MX 互換 スイッチ」のような表記があると思いますので、それに従ったキースイッチの種類を選択ください🙇。

キープロファイルとキーキャップ

各キースイッチに、キーキャップを取り付けていきます。このキーキャップにも様々な形があり、キープロファイルと呼ばれています。私はこだわれてないので紹介のみです。 🙇

キーキャップの湯のお誘い ver2 (※またサリチル酸さんのブログです)

また、めちゃこだわる場合には、面白いキーキャップもたくさんあります。

artisan-keycaps

センスのあるキーキャップ達

私のキーボード

何度見てもカワ(・∀・)イイ!! マイキーボード くまお工房のKudox Columner Keyboard Rev.1

というわけで、分割式、左右対称、親指用のキーあり、60%キーボード、Column Staggeredの私のキーボードが出来上がりました。

私はColumn Staggeredや、親指のキーになれていないので、親指・人差し指・小指のホームポジションがわかるように、奥さんにレジンで小さな突起をつけてもらいました。

これで物理的なキーボードは完成です。 🙌

キーマップ

このままだと、どこを押しても、なにも入力されません 。そこでArduino Pro Microなどのマイコンに、ソフトウェアをインストールし、キーマップを設定していきます。

キーマップとは、物理的な各キーに、どの入力を割り当てるかを配置する仕組みです。

これが思った以上に非常に簡単に出来きて、自分好みのキーマップを試行錯誤しながら作れます。各自作キーボードの作成マニュアルがついてくると思いますので、そちらをご参考ください。

(初心者編)VIAを使ってキーマップを書き換えよう
※またまた、サリチル酸さんのブログの引用です。

キーマップのレイヤー

キーマップは、レイヤーという概念で複数作成することができます。レイヤーの切り替えは、特定のキーを押すことでできたり、特定のキーを押し続けている間だけレイヤーを切り替えることも可能です。これにより、キー数が少ないキーボードでも、記号や数字の入力が可能となります。

私のレイヤーは、以下を参考にして、試行錯誤しています。

Universal Keymapシリーズ⑦ 13個のキーマップから分割型40%キーボードの最大公約数的キーマップを設計する

入力に慣れるぞ!

今回いろんな事を盛り込んだキーボードのため、入力訓練が必要でした。個人的に一番のおすすめはこちらです。

TypingClub

私の場合、平日は1時間、週末は数時間TypingClubをすることで、入力の速さと正確性を上げていきました。まだレイヤー切り替えなどが、無意識に行えない時もあるのですが、寿司打での入力速度は以前より約1.2倍と早くなりました! 😘 ✌️

デメリット

デメリットもあります。自作キーボードは、ケーブル端子のあたりが繊細なので、持ち運びに不向きです。ここは既製品には勝てないと思います。

そのため、会社と自宅の環境を同じ環境にするためには2台必要になります。作るのに約2万ほどかかるため、一応デメリットとさせていただきました。

余談

自作キーボードの基板とかを買うのですが、私の買ったくまお工房のKudox Columner Keyboard Rev.1は、既製品か!と思うカスタマイズされた包装で届いてたり、質問への丁寧なサポートがあったり、いい出会いになりました。

https://kumaokobo.com/
GitHubでの作り方の手順書

自作キーボードに興味を持った方

以上で、分割・自作キーボードに興味を持った方は、秋葉原の遊舎工房で、いろんな自作キーボードに触れる事ができるのでおすすめです。

秋葉原の遊舎工房はこのカンバンが目印。入場制限しながら運営されています。

すぐに買いたくなった方は、遊舎工房の通販サイトBOOTHのサイトにGo!

キーキャップなどはAmazonでも買えますが、時間を戻せるならKeychronのキーキャップが素敵だと最近では思っています。

あ、自作するときは、ハンダゴテとかいりますよ。自作キーボードの作り方などの詳細は、弊社のもうひとりのEM堤の記事をご参考ください

それではHappy Keyboard Lifeを!

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