評価する側・評価される側の両方が成長するネクストビートのエンジニア組織の評価・FB運営について
はじめに
こんにちは、ネクストビートのシニアエンジニアリングマネージャーをしている上原です。
ネクストビートでは、エンジニア独自で、評価・FB運営を行っており、評価する側・評価される側も成長してもらうための仕組みを構築しています。
本ブログでは、その仕組みについてご紹介したいと思います。
※2023年5月 段階の制度です。
(画像著作者:pch.vector/出典:Freepik)
前提
まず前提として、ネクストビートでは、グレード・ランク制の評価制度を採用しています。一般的なグレード制と同様で、グレードが上がると、担当する業務の幅の広さ、専門性の深さや責任範囲が大きくなります。各グレード・ランクには、全社基準があり、それに沿って、上司が評価者がとなり、評価・FBを行います。
エンジニア組織では、この「評価・FB」の部分に関して、独自運営をしているので、その部分について、ご紹介したいと思います。
エンジニア組織での評価・FB運営課題
この仕組みは2021年にできました。当時の課題は、エンジニア組織の人員増加が直接の原因で、役員一人に集まっていたエンジニアの評価・FBを、開発組織で分散して行う必要性がでてきました。
ただ、単純に評価者を複数人にすると、評価者側の基準がバラバラになることが容易に懸念され、評価の客観性・透明性が薄くなってしまうことが次の課題になりそうでした。
そこで、評価者の育成も兼ねた評価運営の仕組みが必要となり、階層評価や、キャリブレーションを取り入れる事にしました。
評価・FB運営
それでは実際に行っている評価・FB運営の手順を紹介していきます。
■手順1. 自己評価
まず、事前に全エンジニアには、自己評価を記載してもらいます。評価項目は、OKR、能力、マインド、組織貢献の4項目に分類されます。詳細はリンク先を御覧ください。
■手順2. 階層化
この後、全エンジニアを以下のような複数階層に分けます。ご参考までに、現在の弊社の階層は、以下となっています。
- CXO・GM層
- マネージャー層(プリンシパル, エンジニアリングマネージャー)
- リーダー層(テックリード, プロジェクトマネージャー)
- メンバ層
■手順3. 階層評価
各自、自分の一つ下の階層までのエンジニアの評価者になってもらいます。例えば、自分が「マネージャー層」なら、「リーダー層」と「メンバ層」の両方の評価者となります。
この際、自分のチーム配下のエンジニアと、接点のあったエンジニアの評価を行います。これにより、直属上司以外の多角的な評価(例えば、自分のチーム以外への貢献についてのFB)を受けることが可能となります。
■手順4. キャリブレーション
その後、各階層の評価者が集まって、評価内容について質疑・応答を行います。この際に、評価基準のすり合わせ(調整=キャリブレーション)も、同時に行うことができます。
例えば、
- グレード・ランクに求められるレベル感に達している?
- 努力も大事 、その上で成果に繋がっている事はもっと大事
- 会社が大事にしている文化(当事者意識など)に向き合えているか?
- ファーストペンギン(新しい技術導入時などで、積極的に組織定着の旗振りをしてくれたリーダーシップなど)
- 関わる人に対して、心理的安全性を担保できているか?(自分の感情を仕事にもちこんでいないか?)
- 伸びしろ箇所
などなど。
キャリブレーションを通じて、評価者側も目線が揃うので、その後の1on1などで、育成者側として、ご活躍頂くときのベースが整っていきます。リーダー層から、評価運営に加わることで、今後上位のグレードになった場合にもスムーズな立ち上がりが期待できます。
■手順5. FB
上記をもとに、中間・期末にFBを行い、被評価者に次のグレード・ランクを目指してもらうことに繋げています。
以上が、一連の評価・FB運営の手順となります。
運営上のデメリット
いい事ばかりに思えますが、運営上のデメリットももちろん有ります。
- 評価者側のパワーが必要
- エンジニアリングマネージャー側の運営パワーも必要
※既存の評価システムだと対応できないため、手作業がどうしても多くなる。。。今後、運営をNoCodeツール?かなにかで、システム化したい 😃と考えてます。
ただ、人に向き合うことを価値として置いているので、必要な時間だと考えています。
まとめ
以上纏めますとエンジニア組織の成長に伴い、属人化していた評価の仕組みを、組織を階層化し、キャリブレーションを通じて、評価・FBする方法のご紹介でした。
このやり方を通して、組織の能力として、評価の客観性・透明性を担保しつつ、評価者・被評価者の両方の育成にも繋げていった事例となります。
以上、ご参考になれば幸いです。
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