無料で利用できるオンライン英英辞書
最近、「英英辞書を使ってみたいんですが、何がおススメですか?」という質問を受けたので、無料で利用できるオンライン英英辞書を紹介してみます。特に記述がないかぎり、非ネイティブの英語学習者向け辞書を対象としています。
Longman Dictionary of Contemporary English
英英辞書を初めて使うなら、Longman Dictionary of Contemporary English (LDOCE) がおススメです。語義が基本2000語で書かれていているので、習得語彙が少なめでも使い始められます。もし、語義で知らない単語があれば、それは覚えるべき単語です。
英語のライティングでは、シソーラス(類義語・反義語)やコロケーション(連語:ある単語とよく組み合わせて使われる単語)を調べられると便利で、専用の辞書があるほどですが、LDOCEでもThesaurus(類義語)やCollocation、Grammar(文法上の注意点)などが語義と併せて記載されている場合があります。ネイティブ向けのシソーラスでは類義語のみが列挙され、その意味は書いていないことが多いですが、LDOCEでは類義語に加えて、ニュアンスの違い、用例が一目で確認でき、とても重宝します。
COBUILD Advanced English Dictionary
Collins English Dictionaryで検索すると、通常、先頭に表示されるのがCOBUILD Advanced English Dictionaryでの検索結果です。COBUILD Dictionaryは、電子コーパス(コーパス:書き言葉や話し言葉のデータベース)を初めて本格的に導入して作成された辞書で、語義が完全文で書かれているのが特長です。
例えばeffectiveをLDOCEでひくと、最初の語義は
successful, and working in the way that was intended
となっていますが、COBUILD Advanced English Dictionaryでは
Something that is effective works well and produces the results that were intended.
となります。どちらが読みやすいかは個人差があると思いますが、辞書独特の言い回しに慣れないうちは、COBUILDの語義のほうが読みやすいかもしれません。
COBUILD Advanced English Dictionaryの語義の下には、Collins English DictionaryなどCollinsの他の辞書での語義や、新聞・雑誌や書籍など実際の用例が、出典とともに確認できます。
Cambridge Learner’s Dictionary
Cambridge Learner’s Dictionaryは、LDOCEと方向性が似ていますが、よりシンプルな語義が特長です。「とにかく長い語義は読みたくない」という場合に使うとよいかもしれません(笑)。個人的には、英英辞書を使い始めた時に愛用していました。
単語の検索窓の右横で、Learner’s Dictionary以外の辞書に切り替えることもできます。
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
Oxford Advanced Learner’s Dictionary (OALD)は、ある程度英英辞書に慣れてきたら、ぜひ使ってみて欲しい辞書です。特徴的なのは、同じ単語でも品詞ごとにエントリがわかれていることです。「単語の意味は知っているけど、知っている意味の品詞だと文法的になんか変」という時に便利です。
例えば “He longed to see her again.” という文があって、longは「長い」という意味を知っていたとします。ただ、この文ではHeの後に形容詞がくるのは文法的につじつまが合わないですし、longedとedがついているので、動詞ではないかという見当がつきます。
OALDでlongを調べると、最初に表示されるのは形容詞としての意味ですが、画面右側の Other resultsというところに表示されている”long verb”というリンクをクリックすると、動詞としての意味が表示されます。(他の辞書だと、longはひとつのエントリとして表示されるので、ページをスクロールして動詞としての意味を探す必要があり、面倒です。)
単語の検索窓の左横をAmerican Englishに切り替えると、Oxford Advanced American Dictionary (OAAD)に切り替えることもできます。
Macmillan Dictionary
Macmillan Dictionaryは、特に学習者向けの辞書と明記されているわけではありませんが、OALDが使えれば問題なく使えると思います。秀逸なのは、語義ごとにシソーラスが参照でき、類義語とその意味が一目で確認できるところです。LDOCEのThesaurusで物足りない場合に使ってみるのがおススメです。
通常の辞書とは独立したMacmillan English Thesaurusも公開されています。
Merriam-Webster Dictionary
Merriam-Webster Dictionaryはネイティブ向けの英英辞書ですが、単語をひいた後に、ワンクリックでシソーラスに切り替えられるのが便利です。シソーラスでは語義ごとに、類義語、関係のある単語(コロケーション的なもの)、類義的なフレーズ、類義語っぽい単語、反義語など、幅広く網羅しているので、シソーラスをさらに使いこなしたいときに有用です。
非ネイティブ向けのMerriam-Webster Learner’s Dictionaryもあります。
Tips
最近はどの辞書でも、句動詞(例えばget up)が見出語になっていて、直接検索できます。(昔はこれができるのはOALDだけだったと思います)。また、検索したい単語を途中まで入力すると検索候補が表示されますが、表示される内容は辞書によって結構違うので、このあたりを比べてみるのも面白いかもしれません。
まとめ
英英辞書を使ってみたいという方に向け、主に非ネイティブの英語学習者向け英英辞書を紹介しました。自分のレベルや用途に合いそうなものをいくつか試してみて、フィーリングが合ったものをメインに使い始めてみるとよいと思います。メインの辞書で今ひとつ意味が取れないときは、別の英英辞書をひいてみると意味がわかるかもしれません。英英辞書でどうしても意味がとれない時は、英和辞書の助けを借りるとよいでしょう。