立ち戻れる味覚を育てた15年

myy4
Nilquebe Insider
Published in
3 min readMar 8, 2018

「肉のうまさなのか、化学調味料のうまみなのか」の違いがわかるような
味覚を育てたいと決意したのは、長男が生まれた今から15年前のことです。

生後数ヶ月でアトピーの診断を受け、食物アレルギーもあり、血液検査の結果は正常値から2桁を上回るほどのアレルギー数値でした。長男の食べるものに気をつけなければ、健康で暮らせないかもしれないと覚悟したのが、ことの始まりです。3年後に生まれた次男も同じような体質でした。

息子たちの食のことを夫と相談しているうちに、子育て全体の話になり、さらに「我々はどういう暮らしをしていきたいのか」を思い巡らすことになります。

「長男も次男も大きくなったら我々から離れていくんだから、小学生までは一緒に夕飯を食べる生活をしよう」という結論が暮らしのものさしになり、15年間のほとんどの夕飯の食卓を囲んでこれたのは、夫の大きな努力によるものです。夫は契約先に通勤していたのですが、残業はしないことに決め、勤務時間も交渉したり、見た目からは計り知れないほど(失礼)子煩悩です。

ポテチやジャンクなスナック菓子も食べますし、マクドナルドにも食べに行きますが、基本的には無添加な食事を軸にしてきました。昔も今も、食卓にあがる料理は簡単なメニューばかりです。お出汁をとって煮たり、肉や魚に塩を振って焼いたり、野菜をさっと炒めたりのシンプルな調理。調味料やスパイスも、なるべく余計なものが入っていないものを使っています。

私も慣れないうちは、きついなあ、おそろしいほどの食費だし、安い冷食でちゃちゃっと食べさせてしまいたいと思ったこともなくはなかったですが、こういう食生活は子どもにどう影響するのだろう、という(実験結果というと言い方が乱暴ですが)楽しみも大きかったですし、なんといってもシンプルな料理はおいしく、消化もよいので続けてこれたと思います。

さて、15年経って、息子達の味覚はどう育ったのか。
「うまい。この出汁はどうやって作るの?」「このめんつゆの材料はなに?」と興味をもって聞いてくるようになりました。
こういう話をすると、「おたくのお子さんのお嫁さんになる人はたいへんね」とよく言われてしまうので、今後の10年は、「彼女ができたら君たちが作ってあげて。」と教育しようかな思っています(笑)。

(トップ画像は、自家製和風ピクルスです。スマイル阪神の新鮮野菜を、千鳥酢、きび糖、塩、薄口しょうゆ、夫の母の家のローリエ、黒胡椒で一晩漬けたもの)

--

--