炎症性腸疾患(IBD)管理への遠隔医療の利用(myIBDcoach):実践的多施設無作為抽出試験
Telemedicine for management of inflammatory bowel disease (myIBDcoach): a pragmatic, multicentre, randomised controlled trial

潰瘍性大腸炎やクローン病など、いわゆる炎症性腸疾患(IBD)に対する管理を、遠隔医療の介入により根本的に変え得るという記事が、世界的に有名なLancet に発表されましたのでご紹介します。

雑誌:
Lancet. 2017 Jul 14. pii: S0140–6736(17)31327–2
タイトル:
Telemedicine for management of inflammatory bowel disease (myIBDcoach): a pragmatic, multicentre, randomised controlled trial
炎症性腸疾患(IBD)管理への遠隔医療の利用(myIBDcoach):実践的多施設無作為抽出試験

背景
従来のやり方でIBDをきちんと個人的にコントロールするのは困難である。というのも、IBDが複雑であり、外来診療所ではプレッシャーが高くなり、引き金となる事象が増えているためである。
そこで、著者らはIBMの全てのサブタイプに利用できる遠隔医療システムを開発し、ヘルスケアの利用およびその質の高さを報告するやり方で患者に自己管理を行ってもらい、標準的治療と比較した。
方法
オランダの2つの研究施設と2つの非研究施設で、実践的無作為試験が行われた。
回腸直腸嚢吻合術を受けたかどうかに関係なくIBDに罹患しており、インターネットアクセス可能な、18歳~75歳のオランダ人外来患者を、遠隔医療システムを通した治療群(myIBDcoach)と標準的治療群に1:1に無作為割付けし12か月間経過観察した。
ランダム化はコンピュータによる最小化法を採用した。
結果評価を行う参加者、ヘルスケアプロバイダ、スタッフには治療割り当てをオープンにした。
主要評価項目は、外来患者の訪問回数と患者が報告する治療の質(アナログスケールで0–10スコアにビジュアル化)である。
安全性についての評価項目は、フレア、ステロイド治療、入院、救急外来受診、手術の回数である。
解析は治療に集中して行った。
本研究は、ClinicalTrials.gov(NCT02173002)に登録された。
所見
2014年9月9日から2015年5月18日の間に909例の患者が遠隔医療群(n=465)と標準治療群(n=444)に無作為割付けされた。
12か月間で胃腸科医師または看護師への外来受診平均回数は、遠隔医療群(1~55回[1~50])が標準治療群(2~34回[SD 1~64])と比較して有意に少なく(差-0.79[95%CI-0.98~-0.59]、p<0.0001)、入院回数も同様であった(0.05 [0.28]対0.10 [0.43]、差-0.05[-0.10~0.00]、p=0.046)。
12か月間での患者が報告した医療の質スコアは、遠隔医療群が8~16[1~37]、標準治療群が8~27[1~28]、差は0~10[-0.13~0.32]、 p=0.411)であった。
フレア、ステロイド治療、救急外来受診、手術の回数は、2群間で差が見られなかった。
解釈
標準治療と比較して、遠隔医療は安全であり、外来頻度と入院を減らすことができた。
この自己管理ツールは、IBDの個人ベース、価値ベースの医療へと改革するのに有意義である可能性がある。





