紹介の意図・目的

西村章子(Shoko Nishimura)
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4 min readJul 26, 2017

遠隔診療の関連論文・資料を紹介する意図・目的について

はじめに

西村 章子(Shoko Nishimura)

Doctor to Doctor の遠隔医療は日本でも普及してきており学術的な報告も増えています。

一方で、Doctor to Patient の遠隔診療は我が国では始まったばかりであり、また様々な要因のため、未だ普及が進んでいないのが現状です。

私自身も、実際に遠隔診療を必要としている患者さんが目の前に複数名おられ、何とかしたいという気持ちの面から普及すべきとの立場を取っています。

しかし、本当に日本に遠隔診療を本格的に広げていく事が果たして良いことなのかどうか、それは現時点で未知数の所も少なくありません。

D to P遠隔診療の歴史がないため(電話再診はここでは省く)、日本でのエビデンスは皆無と言えます。

メリット、デメリット、改善点、特に病態の改善に本当に役に立つのか、あるいは、費用対効果はどうなのか、といった現実的な面は、臨床医なら誰でも気になるところでしょう。

諸外国からの報告紹介

日本以外に目を向けてみると、すでにD to P遠隔診療を取り入れている国は少なくありません。

例えば米国では、オバマ政権下、多額の費用を投じて遠隔診療が取り入れられてきました。

他方、発展途上国では不十分な医療体制を補う目的で遠隔診療に強い期待が持たれているという現状もあります。

諸外国と日本とで事情が違うとは言え、その違いを踏まえた上で、各国の遠隔診療の現状、比較試験を含めた科学的データなど様々な観点から遠隔診療についての報告を調べる事は遠隔診療の普及に当たって必要不可欠でしょう。

しかし、一般の臨床医は日常業務で多忙であり、なかなか「遠隔診療」についての論文を多数紐解くことは難しいのが現状だと思います。

そこで、このコーナーを利用して、遠隔診療に興味のある方、本格的な導入を検討中の方、また、否定的な立場を取っておられる方など広い医療従事者を想定して、諸外国からの報告を紹介していこうと思っています。

少しでもお役に立てれば幸いです。

選定基準

どの論文をピックアップするのか、どういう調べ方をしていったらいいのか、その方法論は今後の課題として、まずは、私の独断と偏見でPub-Med から、重要そうだと思えるものをアットランダムに選んで紹介していきます。

雑誌のインパクトファクターは多少は参考にしますが、それが全てではありません。

また、都合の良い論文だけを選び取る事も避けたいと思っています。

ここでは、「どんな論文か」を多数紹介する事が目的であるため、多少の間違いが含まれるであろうことをご了承願います。

基本的に一論文を詳しく解説することはしないので、気になる論文があったら是非原著をお読み頂ければ幸いです。

明らかな間違いに気づかれた方は、ご指摘を頂けると大変有り難いです。

さらに、重要な文献を紹介して頂いたり、取り上げた論文についての議論が活発に行われると私としても紹介者冥利に尽きるところです。

遠隔診療

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