脳卒中患者のための自宅での遠隔リハビリテーション・プログラム

A Home-Based Telerehabilitation Program for Patients With Stroke

西村章子(Shoko Nishimura)
Picture Blog
4 min readNov 2, 2017

--

カリフォルニア大学アーバイン校からの報告です。

雑誌:

Neurorehabil Neural Repair. 2017 Oct 1:1545968317733818

タイトル:

A Home-Based Telerehabilitation Program for Patients With Stroke

背景

脳卒中後には一般的にリハビリテーション療法が行われるが、アクセス、コスト、コンプライアンスのため、必ずしも多くの患者に最大の利益をもたらしているわけではない。

遠隔リハビリをベースとしたプログラムがこの壁を克服するかもしれない。

著者らは慢性片麻痺脳卒中患者に対し在宅遠隔リハビリ・システムをデザインし評価を行った。

方法

対象は恒常的に上腕(片方)の運動機能が障害された脳卒中後3~24カ月の患者である。

各自、自宅にて遠隔リハビリテーションを28日間受けた。

個別的エクササイズとゲーム、脳卒中教育、1時間のフリープレイに集中するプログラム1時間を設けた。

結果

参加者(n=12)のFugl-Meyer (FM)スコアのベースラインは39±12(平均値±SD)であった。

コンプライアンスは良好で、割り当て日に329名/336名(97.9%)が治療に参加した。

腕の反復運動は参加者一人当たり28日間で平均24,607±9934回であった。

上腕の運動状態は有意な改善が見られ(FM変化4.8±3.8ポイント、P=0.0015)、参加者の半数で臨床的に重要な最小変化を示した。

コンピュータ・リテラシーは年齢と共に減少したが(r=-0.92、P<0.0001)、運動能力増加もシステムの利用量もコンピュータ・リテラシーによって変化することはなかった。

遠隔リハビリテーション・システムによる脳卒中教育により、脳卒中予防知識が39%増加した(P=0.0007)。

自己判定抑うつスコアは16日後の遠隔リハビリテーション・システムで得られたスコアと相関した(r=0.88、P=0.0001)。

実際の血圧はこのシステムで得られた血圧とほぼ一致していた(r=0.99、P<0.0001)。

結論

この在宅システムは、遠隔リハビリテーション提供、教育、二度目の脳卒中予防に効果的であった。

コンピュータ・ベースのインターフェイスを用いることにより、脳卒中後の患者に対し健康状態の監視および改善に多くの機会を提供し得る。

--

--