AI、ゲノム生理学(ゲノミクス)、プレシジョン・メディシン

Artificial Intelligence, Physiological Genomics, and Precision Medicine

西村章子(Shoko Nishimura)
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4 min readFeb 2, 2018

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個人個人の遺伝子レベルでの違いを加味したきめ細やかな医療、プレシジョン・メディシンの普及は、これからの医療の在り方を大きく変えていく可能性があります。

米国、ウィスコンシン大学からの報告です。

雑誌:

Physiol Genomics. 2018 Jan 26. doi: 10.1152/physiolgenomics.00119.2017. [Epub ahead of print]

タイトル:

Artificial Intelligence, Physiological Genomics, and Precision Medicine

要旨:

プレシジョン・メディシン(精密医療)発達の一番の立役者はビッグデータである。

ビッグデータを臨床応用可能な知見に変換するためには効率的な分析法が必要である。

その達成を目指して、多くの研究者が、コンピュータに学習能力を授ける最新アルゴリズムを用いたAIアプローチに注目している。

プレシジョン・メディシンに向けて機械学習を促進するための試みの多くは、アルゴリズムの開発と実行、そして、これまでに大量のゲノムシーケンスデータおよび電子上の健康管理データの蓄積に費やされてきた。

しかしながら、プレシジョン・メディシンを推し進めていくためには、データ量もそうであるが、データとの関連、正確さが同様に重要になってくる。

common disease の発症と悪化に、遺伝因子、環境因子がどれほど関与しているか、また、その相互作用がどうであるのか、疾患関連組織の生理学的ゲノムを読み込むことで、それらの効果測定の代替となり得るだろう。

疾患関連組織を手に入れるのは困難であるケースもあるが、腎の針生検検体のように重要な例外もある。

AI化が進んでいくことによって、新しい分析アプローチ法(データの相関性以上のものを含む)が開発される必要があり、また、AIにまつわる倫理上の課題に対処せねばならない。

疾患関連組織における生理学的ゲノム読み込み(高度AIとの組み合わせ)は、common disease のプレシジョン・メディシンへの強力なアプローチとなり得る。

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