Klaviyoの新エディターは旧エディターと比べて何が良いのか?

Yuki Yoshinaga
ブランド運営帳
Mar 13, 2022

先日からKlaviyoの新エディターを使用しています。

旧エディターよりも使いやすくなっていておすすめです。何が変わったのか紹介します。

Klaviyoって何?という人はこちら

Klaviyo公式が発表した主な改善点

Klaviyoによる新エディターの説明

UndoとRedo

旧エディターでもある程度出来ていましたが、要素をまたいでのUndoやRedoは出来ない仕様でした。新エディターではこれが可能になったということですね。

Autosave

地味な改善ですが、Saveボタンを押す必要が無くなりました。保存ミスが無くなりますし、ボタンを押す手数が減った分作業時間の短縮にも繋がります。

プレビューがより早く

新エディターでは、プレビューが圧倒的に早くなりました。

グループ要素が登場。編集効率アップ

新エディターでは、新ブロック「セクション」や「カラム」の中に要素を入れていくことで、複数の要素を1つのグループ要素として扱うことができるようになりました。

旧エディターでは複数の要素をまとめて1つの要素として扱うことは出来ませんでした。複製できるのもSaveできるのも単一の要素だけだったので、リッチなコンテンツを作ろうとすると、作業時間が倍々で伸びがちでした。これが改善されたさわけですね。

実際に使用して感じた改善点

グループ要素をSaveできるのが便利。Save機能自体も使いやすく。

これまでのエディターでは、使い回せるのが各要素単位でした。これによってかなりメール作成の作業時間が膨らんでいたんです。

例えばメールのfooter1つ作るためには、
旧エディターではたとえSave欄を使ったとしても、次の手順を行う必要があります。

  1. Saveをドラッグ&ドロップしブランドロゴを見つけクリック
  2. Saveをドラッグ&ドロップしログインボタンを見つけクリック
  3. Saveをドラッグ&ドロップしアカウント作成ボタンを見つけクリック
  4. Saveをドラッグ&ドロップしSNSリストを見つけクリック
  5. Saveをドラッグ&ドロップしUnsubscribe導線を見つけクリック

つまり、大変手間だったわけです。

でも新エディターでは、footerを1つのセクションとして作成・Saveできるため、1回ドラッグ&ドロップするだけでよくなりました

弊社でいつも使うfooter。新エディターだと1回もクリックせず作れるように。

footer以外についても同じように効率的に使い回せるようになったため、長いメールや要素の多いメールを作る工数も、バリエーションを作る工数も削減されます。

このように、
Save機能の価値は明らかに向上しました。

ブロック編集が1つに統合され作業しやすく

地味すぎるポイントですが、新エディターではブロック編集を1つのパネル内で完結できるようになりました。

1つのパネルでブロックのほぼ全てを調整できるようになった

普通のことに見えますが、Klaviyoユーザーには大きな影響があります。

というのも、旧エディターではブロック内の設定をする場所が2つに別れていました。これがユーザーの認識を複雑にし、細かな調整の作業コストを高めていました。

旧エディター。ブロックのスタイルを調整するには別タブ(サイドバーの一番下)を開く必要があった

テーブルが使いやすくなった

もともとのテーブルは視覚的に分かりづらく、慣用的なUIとも言えませんでした。ですが新エディターのテーブルは分かりやすさがかなり改善しました。

テーブル要素の新旧比較

新エディターのテーブルは、完全なWSYWIGとは言わないまでも、どこをクリックすれば各要素を編集できるかひと目で分かりますね。

このおかげで、スプリット要素やカラム要素ではなくテーブル要素で済ませることが多くなりました。

新エディターを使う方法

さて、そんな新エディターですが、今のところ使用できる場所が限られていて、アクセス方法が分かりづらくなっています(自分も気づくのがかなり遅れました)。

新エディターへのアクセス手順

新エディターを使う手順は下記です。

  1. メールテンプレートタブを開く
  2. 新規テンプレート作成
  3. Use new Editorを選択

参考:How to Access Klaviyo’s New Email Template Editor

注意点

現時点(2022年2月6日)では、新エディターと旧エディターに互換性がありません。※現在開発中のようです。

新エディターで作ったメールやメールテンプレートを旧エディターで編集することは出来ませんし、その反対も同じくです。

つまり過去に作ったメールテンプレートを新エディターで呼び出して、単純に使いやすくなりました、というわけではありません。

新エディターへの要望

新エディターは地味ながら便利になりました。

特にセクションやカラムといったグループ要素の登場は大きかったですね。作れるコンテンツの幅も少し広がりましたし、作業時間もかなり短縮してくれました。

グループ要素の作り方

ただ機能としての要件は満たしてるけど「コレジャナイ感」があるように思います。

特に問題なのは、グループを作るためには先にグループ要素をドラッグ&ドロップする必要があることですね。

同じことを達成するなら、先にグループ要素をドラッグ&ドロップするのではなく、任意の要素を後からグループとしてまとめられるような、いわゆるオブジェクティブな仕様にしてほしかった気がします。

そちらの方が慣習的な操作ですからね。
(パワポやフォトショでも、先にグループ要素を作るんじゃなくて、入れた要素を後から⌘+Gしますよね)

パフォーマンスとレンダリング

あるいは、編集時に重い(CPUをそこそこ食う)という問題もあります。長時間編集していたり編集項目が多くなると、これは顕著になります。

一度Saveし再度編集画面を開けばまた軽くなりますが、この繰り返しとなるため作業上のストレスは少なくありません。

また、WYSIWIGがウリのエディターですが、編集画面とプレビュー画面では微妙に見た目に差異が出ることもあります。これはエディターに採用しているTINYのレンダリング能力の問題かもしれません。

新エディターでの作成・編集導線

現状、新エディターでメールを作るには、Email Template>新エディターでテンプレート作成という導線しかありません。

これはKlaviyo側がテンプレートを作成してからそれを使うというユーザーの動きを想定しているのかもしれません。しかしそれは私にとっては不自然な動きでした。UXデザイナーとしても、自然なユーザー行動とは思えません。

正式リリース時には、Flow画面やCampaign画面のメール作成導線から使えるようになっていてほしいですね。

Saveをもっと便利に

Saveはセクションの登場で便利になりましたが、まだ不便な点があります。

それは、Saveした要素は作りっぱなしな点です。変更したければ新たにSaveするしか無いんです。この手間は変更が軽微な場合はストレスです。

Saveした要素を編集することは出来ない

また、可能ならSave要素はコンポーネントとして動く仕様になってくれるとさらに効率的なツールになりそうに思います。

それは例えば、Saveしたfooter要素を編集するとその要素を使っている他のメールのfooterにも同じ編集内容が反映されたり、各メールの編集でインスタンスとしてのfooterの各要素をoverrideできるようになったり、といったことです。

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Yuki Yoshinaga
ブランド運営帳

UXマン。UXデザイン・リサーチ, ファシリテーション, コーチング。株式会社SUIHEI 代表 / An UX Designer. CEO of SUIHEI,Inc.