ナーレンズ・ノエルの重力、マブスの未来。by Bobby Karalla

Masashige Sato
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6 min readFeb 26, 2017

ナーレンズ・ノエルはマブスでのデビュー戦、たった9得点で終えた。しかし、それにも関わらず、オフェンス面では非常に大きなインパクトを与えた。それは、たった一夜限りで終わるようなものには見えなかった。

ノエルはピックアンドロールで危険なビッグマンになれる可能性がある。運動能力や、リム周りでのフィニッシュが優れているからだ。すでにカーライルからはタイソン・チャンドラーが引き合いに出されている。チャンドラーがダラスでプレーしていた日を覚えているだろうか?あのエリートロールマンは、チームメイトに多くのフリーの機会を与えてくれていた。特に、シューターに対してだ。

「現代の4人のシューターが並んでいるバスケでは、リムに向かって走ることで相手の脅威となる選手を持たなくてはいけない。今晩はアリウープを決めるには難しい試合だった。アリウープの機会を食い尽くしてしまう怪物が2人いたからね。だけど、彼がロールすることで違った状況が生み出された。注意を引きつけることで、他のシュートをフリーで打つことができた。これこそ重要な武器になるんだ。今のチームにもロールが上手い選手がいる。しかし、ノエルほど高く飛べるわけじゃない。」

私たちはノビツキーが与える重力について、よく耳にすることがある。コート上でノビツキーがいればたちまち周りに影響を及ぼし、敵のディフェンスが対策をしなくてはいけなくなる。ビッグマンは彼をオープンにすることを嫌がり、ポイントガードはスイッチをするのに怯えてしまう。非常に多くのミスマッチを毎回生み続けるのだ。

しかし、良いロールマンも同じように重力を持つ。ノエルの影響は第3Qの終わり側の1つのプレイに凝縮されている。彼はヨギ・フェレルのためにフロアの中央でスクリーンをセットした。そして、リムに向かって走り出し、ウィークサイドにいるディフェンダーの意識を引きつけた。

ウィークサイドディフェンダーはノビツキーを守る役目があった。NBAの歴史で最高のミドルレンジシューターを守らなくてはいけない。敵の意識をノビツキーから逸らす機会は余り見られるわけではない。だが、アリウープを狙うことはその1つになる。

「ノエルがロールをすることで、ペリメーターでの選択肢が増える。僕たちは良いシューターがたくさん控えているからね。もしアリウープを狙われると思えば、ディフェンスは引かなければならない。そうでなければ、ロブを上げられて、ダンクを献上することになる。このおかげで僕はいくつかシュートをオープンで打てたんだ。」ノビツキーは語る。

若干22歳のノエルをトレードで獲得した一方で、これまで以上に確かなことが示された。マーベリックスはノビツキーの引退後のビジョンを持ち始めたことだ。ノビツキーとノエルのコンビはいつか来るその時まで、なくてはならないものになるだろう。38歳のノビツキーは2ヶ月間ほぼセンターでプレイしてきた。その結果、マブスは主にスモールボールに頼ることで得点を生み出していた。しかしノエルがいることでノビツキーをパワーフォワードに戻すことができ、ボールスクリーンを常にセットしなくてはいけないプレッシャーを緩和することができる。そして、ディフェンスを崩す相棒を手に入れたことで、スポットアップシューターとして選手の寿命を伸ばせる。

今朝までたった1ページもプレイブックを知らなかったにも関わらず、ノエルはノビツキーの隣でプレイすることに、驚くほど素晴らしい対応を見せた。前半のある1プレーのことだが、ノエルはノビツキーがフリーでジャンパー打てそうなのを察知し、すぐさま彼のディフェンダーにスクリーンを掛けて、ノビツキーがボールをもらえる時間を作った。

ノエルはまた、ハリソン・バーンズの隣でも素晴らしい適用を見せた。マーベリックスに加入した初年度で3番より4番ではるかに素晴らしい活躍をあげている。ノエルはショットブロッキングやリバウンドをもたらし、バーンズがしばし陥る相手4番とのミスマッチを防いでくれるのだ。今日の試合のように、アンソニー・デイビスやデマーカス・カズンズを守る必要がある時だ。

バーンズはおそらく彼がプレイするほとんど100%の時間帯でノビツキーかノエルと過ごすことになる。このことで、スイッチを産むためにスクリーンをセットする必要もなくなり、ペリメータープレイヤーとして自分より大きいミスマッチを起こした相手に対してアタックを仕掛けることができる。彼らはノビツキーやノエルのディフェンスを担当しているのだ。3人のうち2人が共にプレーすることで、マブスは多様で効率的なオフェンスを4番と5番のポジションで持つことができる。

「ダークとハリソンが持つ多様なオフェンスの役割は簡単に入れ替えることが可能なんだ。そして、俺はかなりの変化をディフェンスでもたらすこともできる。ピックアンドロールでチームメイトにフリーを作り出すことに、俺はプライドを持って取り組んでいる。」

バーンズに関しては、ドライブする機会がもっと増えるかもしれない。ピックアンドロールを仕掛ける機会さえも恐らく増えるだろう。この先いずれかのタイミングで、ノエルが夏に再契約したとしたら、バーンズがPnRのボールハンドラーの役割を担うことになる。今まで要求されていない、唯一のプレーである。

「ロブパスの上げ方を全員が学ばなきゃいけないね!当面の課題だよ。」とバーンズは冗談を投げかける。

ノエルが加入したことにより、メジリやドワイト・パウエルでさえPnRのプレーで効率的に得点できるようになることが可能だ。ダラスはコート上でリーグ平均以上のロールのオフェンスを、やろうと思えば48分間継続させることができる。ノエルのおかげでチームにいる全員の仕事を楽にすることができるだろう。得点を見ると、ダラスは26本中12本の3ポイントを決め、ノビツキーはたった12本のシュートで18点をあげた。

これまでに話したことが起こる試合は、残りのシーズンで徐々に増えていくかもしれない。何より重要なのは、ヤングマーベリックスにとって、この先にまだまだ未来が待っている、この一言に尽きるのだ。

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