2021 Mavs offseason guide
2019–20シーズンからの課題
バブルでは劇的な勝ち方をし、ドンチッチもAll NBA入り。2020–21のシーズンは今年こそ上位シード、を目標にチーム作りを行っていました。特に、プレイオフでクリッパーズに敗戦以来、ディフェンスの強化をテーマに掲げてロスターを調整、ドラフト当日にはジョシュ・グリーンを指名、セス・カリーを放出して、ジョシュ・リチャードソンとタイラー・ベイを獲得。プレイオフでローテ外だったジャスティン・ジャクソンとデロン・ライトを2巡目と引き換えに放出。代わりに迎えたのがジェームス・ジョンソンと、イワンドゥ。コートニー・リーのサラリーは浮いたけど、FAで目ぼしい補強は特に行わず、ベテランからルーキーまでディフェンダーを集めたのでした。
2020–21シーズン
シーズン序盤は絶好調だったものの、チームにコロナが蔓延すると一気にウェストの最下位候補に。ポルジンギスが復帰したのに、なんか動きがおかしい。下半身が粘れてなくて晩年のノビツキーのようなヨタヨタ具合でした。ポストアップを試みたとしても腰の位置が高くてドリブルついてても体の軸がブレてしまい、簡単にボールを奪われる。ディフェンスでは最初の一歩が致命的に遅くてローテーションしようものならファウルで止めるかドフリーを許すかで、全然動けてない。ニックス時代に怪我したACLから復帰して、バブルでかなり希望が見えたプレーをしてくれました。しかし、クリッパーズ戦の初戦で痛めた膝の怪我が、ACLよりもポルジンギスのパフォーマンスを下げてしまいました。もちろん、短縮シーズンの影響でリハビリが十分にできていないというの1番大きな理由です。一度ダラス地区に寒波で大停電が起こり、1週間ほど試合が行われませんでした。その間リハビリに取り組めたようで、数試合欠場ののちのプレーは強度が上がっていて希望の光は見えていました。ただ、やはりニューヨーク時代の動きとはほど遠く、相変わらずポストアップはできていませんでした。一方チームといえば、終盤はブランソンやパウエル、そしてハーダウェイがレベルアップをしてくれて、レイカーズのプレーイン回避を掛けた直接対決に2連勝。最後はプレーインを目指さない対戦相手ばかりが続く幸運にも恵まれて、なんとか5位になりました。一時期は主力4,5人が3週間ほど離脱したまま戦い、ウェストほぼ最下位のところまで順位を落としてしまい、ドンチッチの表情がずっと暗いままで、指名権の行方も含めて暗雲が立ち込めていました。そこから勝利を積み重ね続けたことを考えると、チームの実力もかなり底上げされたのでは?と期待を抱きレギュラーシーズンを終えました。
プレイオフ
プレイオフは再びクリッパーズと合間見え、最初の2試合では3Pが爆発し、まさかのアウェイで2連勝。昨年と同じくズバッツがマークすると、ドンチッチはペイント付近からフローターやフェイダウェイによって得点するオプションが増えて、相手に対応を強制させることができてました。ただ、クリッパーズはスモールボールができる人員が豊富なところに落とし穴がありました。特に、テレンス・マンを起用するようになってから、ポルジンギスが明確に弱点になってしまいました。ドンチッチ頼みの戦術と、ポルジンギスとボバンを並べるラインナップでかろうじて1勝できましたが、それでもディフェンスから崩れてしまい、結局選手の層の質で力負け。レジー・ジャクソンもチームメイトからの信頼に最高のプレーで応え、7戦目は成す術なく敗退していきました。できれば、マブスホームで1勝をしたかったんですけど、それも叶わず。どこかポッカリと穴が空いたようなシーズンになりました。ポルジンギスがバブルの頃に戻り、リッチがバチバチに相手のガードを封じ、レディックがここぞの場面でシュートを沈めて、グリーンが若手ながらもベンチからハッスルで流れを作ると思ったんですけどね。全部うまくいきませんでした。
失意のオフシーズン
そして、オフシーズンが到来したある日、Tim Catoが取材したAthleticの記事がTwitter上に投稿されました。マブスのフロントオフィスに重大な問題が発覚との内容でした。読んでみる限り、2018年にキューバンが採用した、元プロギャンブラーで解析リサーチ担当ボルガリス。彼がGM並の権限を持ってしまい、ドニー・ネルソンがいるにもかかわらず、事実上の意思決定者になったことに対して組織内からの不満が噴出している、との報道でした。元々彼はNBAの試合の勝ち負けを予想して富を築いた実力者で、試合を裁いている審判の癖までも把握した上で、どちらのチームが勝かを高精度で当てていたとのことです。キューバンはそもそもIT業界で成功を収めていて、仮想通貨やNFTなどデジタル分野に造詣が深く、積極的に投資をしていました。マブスの選手たちにNFTとは何かを講義して、実際にNFTのアイテムを登録させたりしていました。なので、元々新しいものを取り入れてビジネスをすることが大好きなキューバンが、ボルガリスのアプローチに理解を示すのも当然のことでしょう。しかし、記事にあるにはボルガリスは対人スキルが欠落しているようで、例えばネルソンを呼ばずにミーティングを行ったり、スカウトの意見を聞かず独断でトレードや新人の指名を行ったりと、フロント内でも子供のような振る舞いをしていたようです。結構マブスのフロントオフィス内で彼の傍若無人な振る舞いに対し、他のスタッフのストレスが限界点を超えていたのかな、それで記事が出されたのでした。具体的なエピソードが多く盛り込まれていたので、推測だけど、かなりの人数が取材に協力したのではと思います。さて、リークに業を煮やしたキューバンが、ドニーを首にしました。ドニーが直接リークしたのかは分かりませんが、彼の息が届く範囲の人物たちも含めてリークをした可能性は高いです。そして、事態はそれだけに留まらず、ネルソンの解任のお返しとばかりに、カーライルが辞表を提出しました。記事の中でカーライルはメジリなど主力ではない一部の選手に過剰に当たりすぎたり、ドンチッチとの関係が悪化しているとの観測が記事に出てしまいました。得に、ドンチッチはモーズリーを信頼しているようで、盟友のネルソンがクビになった現状で、このままだと組織内の立場が弱くなると感じたのでしょうか、マブスから身を引き、電話での交渉のみであっさりとペイサーズのHCになってしまいました。
本当はだれが悪い?
ボルガリスの件はあったけど、シーズン前の補強も数字上は的確ではあったし、リッチとジェームス・ジョンソンとグリーンがチームディフェンスを底上げしてくれるとかなり期待していました。もしクリッパーズに勝ち、その後ジャズといい勝負したのなら多分解任はなかったはず。記事も出てかどうか怪しい。負けたら誰かが原因にならざるを得ないから、ボルガリスのせいにもしたくなる。ただ、やっぱりキューバンもネルソンも優勝後の補強にずっと成功してないことを考えると、フロントオフィスに限界は来ていたのかも。FAのたびにチームを底上げしてくれるスーパースターを狙うのはいいけども、毎年プランBやCが機能せず、かろうじてロスターを埋めてはいたものの、クリッパーズ相手に2回連続負けてしまったことで、この体制の限界を超えてしまったと思います。ドンチッチ加入前はノビツキーの引退間際もあり、毎年補強では勝つためのロスターは組んではいましたが、プレーオフ初戦敗退が続いていました。本来ならば後1、2年早くリビルドに舵を切って然るべきタイミングだったのかもしれませんが、それは私自身も望んでいませんでした。ポルジンギスの獲得からも、彼がまた怪我をしてしまったりと、不運がまた襲ってきました。カーライルはプレーオフに強いが、ルーキーの育成が他のコーチより時間が掛かったり、フロントオフィスも大物狙いで空振りをし続けたFA戦線が続いた結果、何かがずっとうまくいかない状態が続いていました。ドンチッチが3年でAll-NBA 1st Teamに選出という、チームの育成タイムラインも良い意味で早まってしまい、基礎を少しずつ固めるようなチーム作りができない。2011年以降、フロントオフィスは方向性を定めづらい状況が10年も続いたと考えると、スキャンダルの話はあったのは事実ですが、確かに変更が必要なタイミングだったのかもしれません。
また、カーライルの推し進めるフローオフェンスは、あえてプレーをコールせず、予測不可能なことを生み出そうとすることに主軸が置かれていました。アシスタントコーチたちのインタビューを見ると、プレーオフは相手の予想を外さないと勝てないから、自由なオフェンスを取り入れている、つまり選手の連携とアドリブの判断を重視すると言っていました。ただ、やはりそういったオフェンスするならゲームメイクができる選手が複数人はコートにいないといけないだろうし、リッチもクリーバーもドリアンも、ドライブから得点取れる選手じゃないよね。やろうとしているオフェンスのコンセプトはすごい崇高なんだけど、集めているメンツにその実行力がないとしたら、それもやはりコーチングが定めたゴールがハマっていなかったことになる。
この2年間は蓋を開ければ、フロントが取ってきた選手と、ヘッドコーチがしたいバスケットに嵌まる選手にズレが大きかった。やっぱり、ここらで入れ替える必要はあったのかな。これが将来の優勝に繋がるように今は祈るばかりです。
どうなる?マーベリックス?
キューバンがその後、リサーチファームを雇って球団社長やフロントを探し初め、ファンの溜飲を下げるためにかノビツキーをスペシャルアドバイザーとして招聘、フィンリーと共に新しいフロントオフィスとHCを決定するためのスペシャルチームを結成しました。そして、Marc Steinが早々にHCがジェイソン・キッドになるとすっぱ抜いたら、途端に縁故採用じゃないか、過去にDVの経験ある人間をHCにするのかと、現地のマブスファンから溢れかえる疑問の声。特にドンチッチが懇意にしているモーズリーがHCになればいいのでは?という意見がいつの間にか大きくなり、彼がなるべきだという論調に変化して、現地番記者でもキッドvsモーズリーの様相を呈してきました。その後、バレアやテリーもどうやらノビツキーたちとミーティングしたらしく、また縁故採用でACにするんじゃないかと引き続き炎上していました。実際はサマーリーグでACのトライアルを行うことに落ち着いたのですが、キッド自身が選手からいきなりHCになり、選手とコーチングの仕事の質の違いに悩んだ経験もある分、良い落とし所を見つけたのではと思います。
AC陣の選定は続きます。バックス時代、キッドと共にヤニスを育て上げたスウィーニー、レイカーズからは育成と分析担当のステューを引き抜き、そしてドンチッチのナショナルチームのHCを過去勤め上げたディフェンス構築担当のココスコフ、カーライル体制からはアームストロングとシャムゴッドが残留しました。コーチ陣はベテランから才気ある若手までうまく取り入れたメンバーが揃っているんじゃないでしょうか。
2021–22シーズンの展望
私がマブスを見始めて初めて、ドラフトで誰も指名しない夜になりました。現在育成中なのはジョシュ・グリーン、タイレル・テリー、タイラー・ベイ、そしてネイト・ヒントンの4人です。このうち2人は2wayなので、ロスターで2枠を占めることになります。ここでマブスのフロントのインタビューから推測していきます。ニコ・ハリソンは、「1巡目や2巡目を買わないかという連絡がきたが、対価が見合わなかった」とはっきりと理由を伝えています。さらに、リチャードソンをボストンに指名権をつける事なしに放出しています。ユタがフェイバースを1巡目をつけて出したのに比べると、チームの構想外の選手を何も犠牲せずにトレードできたのは、かなりの手腕なんじゃないでしょうか。2巡目くらいつけてもいいのに、とは思います。
ニコ・ハリソンはナイキとジョーダンブランドのバスケットボール担当でのしあがっているだけあって、競合との条件競争や、契約条項、選手の価値を見抜く力、コービーやリラードなど選手との対人関係構築、そしてマーケティングを強みとしてビジネスを実際に何年も継続して成功させています。自身もエースとしてNCAAトーナメントに導いたり、ベルギーの海外リーグで9年間プレーしていたりと、選手としての実績もあります。どういうトレードをしたらこちらが得になるか、そして将来に対してどんなインパクトがあるか、を冷静に素早く判断してくれる頼もしいGMだと思います。
ドラフト当日にマブスは15パターンのFAシナリオがあると言ってい他のに加え、8/2のFA解禁までは30パターンほど用意するとインタビューに応えていました。
さて、ここでマブスのFAでの戦略を考えていきましょう。
ウィリコーの4.1Mのチームオプションが行使されたので、このままのシナリオで話を続けます。
ここで、マブスが自由に使えるサラリーを見ていきます。
1 THJと再契約しない場合
2021–22シーズン、NBAでは1チーム当たり112Mまでは自由に選手と制限なく契約できます。この112Mはサラリーキャップと呼ばれているのですが、マブスは現在の契約下の選手たちへの支払いで、最低でも81Mのサラリーが確定しています。つまり、残りの31Mの範囲内で自由に選手と契約ができるようになります。
ただ、このサラリーキャップが存在するチームは毎年10チーム前後だったりします。GSWやレイカーズのようにステフやクレイ、レブロンやADなどのオールスター選手が3人ほどチームにいると、必ずサラリーキャップを超過してしまうからです。このサラリーキャップ制は厳しすぎると全く補強ができなくなり、フランチャイズプレイヤーも移籍せざるをえない状況が生まれてしまうので、NBAは昔から特例を定めています。3つのエクセプション(例外条項)と呼ばれるもので、チームがサラリーキャップを超過した状態でも、FAで選手と契約できる特例のことを指します。ただ、これを利用するには細かい条件があり、サラリーキャップを使用して選手を獲得したい場合は、このエクセプションを全部破棄しないといけません。マブスの場合、この31Mを使って選手を契約することを決めた場合、残りの補強はミニマム契約という最低保証年俸のみになるので、このシナリオを取る可能性は低いと思います。
話を戻すと、THJともし再契約しない場合、31Mを使って補強を行うことになります。スタメンSG兼6マンを改めてFA市場で探すとなると、それこそレナードクラスの選手の獲得が必要です。ただ、大物FAを追ってしまうと、過去の経験からその間に2番手3番手のFA候補が他のチームにさっさと契約してしまいます。ギャンブル性が高く、成功しない限りは戦力がダウンがほぼ確実なので、マブスフロントもTHJは再契約を優先事項としているようです。
2 THJと再契約する場合
この場合、THJといくらで契約するかによってFAで使える金額が変わってきます。
初年度 15M – 16Mの空き
初年度 18M – 13Mの空き
初年度 20M – 11Mの空き
さて、ここで再びサラリーキャップのルールに関する話ですが、3つのエクセプション(MLE、BIE、TPE)を使う場合はどのチームも112Mのサラリーキャップ(キャップは帽子の意味。上限を表現してます。)をオーバーしていないといけません。これらの例外条項は、サラリーキャップをすでに超えた状態で新シーズンを迎えているチームの救済策として存在します。2021–22シーズンでいうと、およそ112M以上のサラリーを保持している限り使用可能です(正確に言うと、選手のサラリー+例外条項+所属した選手がFAになる場合のキャップホールド>112M)。この4つの例外条項を保持しているうちは、選手のサラリーと例外条項分の金額を統合し、総合サラリーとして計算されます。マブスは2021–22シーズンは151Mのサラリーを支払うという前提です(図の右側の列)。そして、例外条項はそれぞれ契約できる金額に上限が決まっているのですが、そのうち最も大きな金額を支払えるのは、non-Taxpayer MLE(Mid-level Exemption)通称フルMLEで、その額はおよそ9.5Mです。THJを再契約しつつ、他のFA選手の獲得にこの例外条項を使う場合、残りの補強に使えるのはこのMLE分の9.5Mとなります。
まとめ THJの再契約と、例外条項であるMLE、ミニマム契約を使って補強を行う場合、THJ以外の選手に出せるサラリーは9.5Mが最大です。
ここで別のシナリオを見てみます。先ほどのTHJの初年度のサラリーを20M以内に抑えて契約すれば、例外条項のMLE(9.5M)を使用するより高い金額でFA選手と契約することができることがわかります。もちろん、このシナリオ通りに進むと、例外条項を全部破棄しないといけません。MLEもroom例外条項も、リチャードソンのトレードで獲得した10.3MのTPEも使用できなくなります。が、それ以上の金額をFAで提示することができるので、他のチームより有利な交渉することができます。今年に関しては他のチームは軒並みサラリーキャップをオーバーしているので、キャップスペース10M以上を補強に使えるチームは現在7チームのみ。
と、マブスがかなり有利な位置にいることは間違いないです。
もし、THJと初年度15Mで契約を交わせば、16Mを利用することができます。これはFAの選手にとってもマブスに行きたい理由の一つになりますね。
3 トレードを使ってサラリーを更に空ける場合
Bostonとの間でリチャードソンのトレードが行われました。これは、マブスがオフシーズンで自由に使える金額を増やすためのものです。見返りとしてモーゼス・ブラウンを獲得しましたが、本当は何も見返りを貰わずキャップスペースを空けたかったとのマブス側情報があります。
つまり、2021–22シーズンにFA補強に使える金額を増やすためには、現在チームに所属している選手を他のチームに引き取って貰えばいいということになります。現在、トレードすることで10M前後の空きを作れるのは、ドワイト・パウエル(11M)、マキシ・クリーバー(8.2M)の2人です。もし、THJと再契約しつつ、さらにMAX額に近い30Mの空きを作るにはこの2人を放出する必要があります。そして、この2人を引き取ってもらうためには、マブス側がアセットをつけて相手のチームにメリットが出るようにトレードを調整する場面も出てくるかもしれません。例えば将来の指名権。現在1巡目は2027年以降、2巡目なら来年のものが利用することができます。ここで、選手を放出するためにこの指名権を使うのか、または他のチームから選手を獲得するために指名権を使うのかは、判断が分かれるところです。ジャズがフェイバースを1巡目つけて放出したように、活躍できる選手だとしても放出したい意図があるのなら、虎の子の指名権を使わざるを得ません。また、指名権以外のアセットを相手に求められる可能性があります。例えば、ドリアン・フィニースミスやウィリコー、ブランソンが挙げられます。
つまり、ラウリーやジョン・コリンズなどMAX契約やそれに近い選手を獲得するにはこれらのアセットを放出する覚悟が必要になります。もちろん、ラウリーがマブスに来るよと約束をした後に他のチームと交渉をスタートすればよく、来なかった場合はそのままトレードをしないでいれば大丈夫です。
では、それぞれの選手を動かした場合のサラリーを見ていきましょう。
マキシ・クリーバー 8.2M+31M-1M=38.2M
ドワイト・パウエル 11M+31M-1M=41M
パウエル+クリーバー 11M+8.2M+31M-2M=48M
そして、ここからTHJと再契約初年度16Mでしたとします。
22.2M
25M
32M
そうすると、ラウリーやコリンズなどの選手と契約したり、2人以上のFAにそれぞれ10M以上払って契約することも可能になります。また、この空いたスペースはトレードに使うこともできます。マブスフロントがチームを大きく再編する場合、このようにトレードを使って選手の入れ替えが起こることも十分考えられます。一般的に、GMが変わると選手の入れ替えも頻繁に起こるので、8/3以降何かしらの動きを目にすることになりそうです。
4 じゃあ誰を獲得するの?
昨年の敗戦を踏まえて、マブスに必要なものの優先順位を考えてみました。
1 プレイメイキング
2 ショットクリエイター
3 ディフェンシブフォワード
1はプレイオフでドンチッチが疲労のために2nd halfからパフォーマンスを落としていたことから、スタメンの時間からもプレイメイクの負担を減らせる選手が求められてます
ラウリー、コンリー、ディンウィディー、ミルズ、ドラギッチ、ローズ、ケンバ、カルーソ、オラディポ、ロンゾ、デボンテ、レジジャク、カルーソ、THT、ジョシュハート、ペイン
2はバックスのミドルトンや、サンズのブッカーやクリスポールのように、終盤のここぞと言う時にアイソで得点を取れる選手です。バレアやテリーの役割を担える選手。
デローザン、THJ、フォーニエ、ダンカンロビンソン、バートン、ノーマン・パウエル、カーメロ、ルーウィル、モンク、モリス、マクレモア
3 ビッグマン、3を打てることよりも、ゴール下での得点の機会を作れたり、ロブスリート役。
コリンズ、ロビンロペス、ホルムズ、ゼラー、ノエル、タイス、ジャレットアレン、エルナンゴメス、ギブソン、ミルサップ、マルカネン、バーチ、グリフィン、オリニク
1の中で、ラウリーが有力でしたが、どうやらヒートとの契約が濃厚との情報が。そうなると、ドラギッチやミルズ、ローズやオラディポ、デボンテが2番手として浮上します。
2からは、デローザンがこれまたマブスに来る情報はほとんどありません。フォーニエだと18M前後、モンクだと8–10Mほどで獲得できそうです。
3 コリンズは除外すると、ホルムズは15Mほどになりそうです。ノエルだと同様に15M前後。ビッグマンにサラリーを注ぎ込むのはスモールボール全盛期にそれほど得策ではないので、おそらくマブスはここから誰とも契約しないで、ボバンとウィリコーで手を打つ気がします。
THJともう1人の選手で30Mほどの補強が可能。つまりTHJともう1人誰を選ぶか?または、THJ以外の候補から1人、または2人を選ぶことになりそうです。
FAの難しいところは、各チームが予想していない動きが他所のチームに一つでも起こると、用意していたシナリオがすべて書き換える必要が出てくることにあります。Aの選手がBのチームに加入が濃厚なのに、Cのチームに加入。CのチームはそのためにDの選手を放出検討した、というように、玉突きでその時市場にいる選手が目まぐるしく変わります。そんな時に、一瞬で判断してディールをまとめるためにこのオフシーズンはフロントがシナリオを数十パターン考えるですが、それでもやはり思ったようにはいかないはずです。
さて、フランチャイズ市場1番重要な夏を迎えるわけですが、来月にはどんなロスターになっているのでしょうか。次こそは、プレーオフ初戦を突破できるようなチーム作りができることを祈っています。もちろん、それは簡単なことでは決してありません。新フロントオフィスがこの2ヶ月間話し合ってきたプランを元に、各チームのフロントオフィスと水面下で戦う、いわばコート外の戦いが始まります。このバトルを経て、マブスというチームがどんな形になるのかが、いよいよはっきりする時期です。まずは彼らの初陣を見守っていきたいと思います。