「題名のない対話」という雑談の目指す所

パタン・ランゲージをメインテーマにしつつも「題名のない対話」というこの活動(雑談)は何を目的にするのか、どこを目指すのか、何を行うのかについて、主催の2人がつらつらとご挨拶いたします。

Takeshi Kakeda
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7 min readDec 26, 2016

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中埜博さんよりご挨拶

Hiroshi Nakano (http://hiro-nakano.org/)

題名のない対話、台風の目の写真、この放送(画像のない深夜放送のようなもの)に戸惑っておられる方がたくさんいると思います。

これは、松山のかっての早稲田大学のパタン・ランゲージ授業の教え子(?)でもあった懸田氏と私の自由な思うままの対談集です。

彼はITの世界にパタン・ランゲージを通じて、ユーザーの参加による創発性の源流を追求している稀有な存在であり、また客観的に建築の世界から発展してきたパタン・ランゲージの理論を、もっと一般的に拡張して誰にも応用できる方法を検討し、ぼくに助言してくれる客観的な助言者です。

「題名のない」とは、一つの世界に拘泥することなく、心理学、社会学、政治学、生物学、コンピューター工学、エコロジー、それこそ学問の世界を横断的に、自由に語るという、領域にとらわれないという意味です。

また「対話」とは会話とは違い、意見の違い、対立を超えて語り合うという意味です。これは、いわゆるワークショップの原点であって、お互いの違いを超えて、「共感」し合うことの方が、単なる合意より重要だからです。

特に、いまは、コンピューターのソフトウェアーのグループが著しい進化を遂げています。このタイミングでこそ、クリストファー・アレグザンダー教授の思想が、コンピューターのソフトウェアープログラムのどこに、影響を与えているかを見直す、良いきっかけであると思います。(ウィキペディアや、XPや、もちろんデザイン・パターンなど)

私は、アレグザンダー教授の最新版に近い〔ネイチュアーオブオーダー=自然という本質)2013鹿島出版(日本版)という本の監訳を通じて、さらなる「パタン・ランゲージ」の発展段階を研究してきました。その点から見直して見ますと、「パタン・ランゲージ」は、さらにわかりやすく、どんな世界でも、応用の効く「知」の道具となっています。

そこで、懸田さんと、いろいろな課題を個人的に相談しているうちに、懸田さんの方から、この話はみんなに聞いてもらったほうが、広く応用が考えられる人が生まれてくる可能性があるんじゃないかとの提案があり、この深夜放送版YouTubeの実現にこじつけました。

これから、思わぬ人々の参加を呼びかけ、もっともっと自由な対話の輪が広がることを、期待しています。

この放送は、今は昔の深夜放送のように、何かをしながら、聞き流し興味のあるところについて、質問意見を送ってください。できるだけ。視聴者の皆さんの声を反映しかつ。その回答を追求して、皆さん全員の対話を作り出すことが、この「対話」メディアの究極の目的なのです。これが、タイトルの台風の目に象徴されているのです。

懸田よりご挨拶

Takeshi Kakeda (http://zensow.jp/)

きっかけは前述の通り、私のパタン・ランゲージの師匠である中埜博さんと、ご一緒させていただくときにいつも様々なお話をさせていただいていたのですが、打合せなどの合間に話す雑談が、パタン・ランゲージをベースにしながらも、様々な分野の話題と交差しあいながら、ひとつの世界観を紡いでいくのが大変面白く、是非多くの人と共有したいと考えました。

また中埜さんのパタン・ランゲージに関する様々な取り組み、それと呼応する懸田の活動の交差点とし、より多くの人にパタン・ランゲージやネイチャー・オブ・オーダーについての理解・可能性・実践・応用についての情報を発信しながら、興味を持つ人とつながっていければと考えています。

中埜さんは東京在住、私は愛媛在住ということで、直接会って話す機会はそれほどありません。2週間に1度オンラインミーティング(というか雑談)を行い、その時の会話を録音→トピックをテキスト化→動画に差し込む形で編集することで「音声だけでも聞ける、気になることは文字でも確認できる」という形にしてYouTubeに公開します。語り口調は視聴者を意識すると固くなるのであえて視聴者を意識しない単なる雑談の形をとり、動画編集も不案内なので極力シンプルになっています。継続するためにこのあたりは凝らずにシンプルな方向に倒していく点はご容赦ください。

すでに「パタン・ランゲージ」については、様々な方が、様々な取り組みをされていますが、ここではクリストファー・アレグザンダー直系である中埜博さんを通じて、できるだけ元々のアレグザンダー氏の思想を大事にしつつ、発展・展開していこうと試みます。

私自身はソフトウェアシステム開発、特にアジャイルと呼ばれるビジネス適応型のプロダクト及びチームの進化プロセスについて15年ほど研究・実践・指導・啓蒙してきましたが、その中で建築や環境設計の分野のために生まれたパタン・ランゲージの影響を多く受けています。

そのような背景の中で、まずは中埜さんと私(そして時にはゲストを交えて)のざっくばらんな雑談(対話)を配信し皆さんの環境音楽(?)として耳にして頂ければ幸いです。

Medium上でのコラボレーション

中埜さんがおっしゃっているように、この雑談についての反応を頂けるとうれしいです。Mediumは記事の執筆者と読者の間のコミュニケーションをレスポンスという形で記事に反応を書きやりとりすることができます。

やりとりといっても見た目はただコメントですが、Mediumが面白いのは、レスポンスも記事と同様にそのレスポンスのビュー数やリファラーをMedium上で閲覧することができる点です。

レスポンスは単なる記事のコメント以上の存在であり、公開されたコンテンツを様々な方々と拡張していくひとつの手段です。是非とも積極的に質問・感想を頂き、ただの雑談を盛り上げて頂けると、もっともっと面白いことになるかもしれません。

何が飛び出るかわかりませんが、肩肘張らず、まずはスタートします!!!

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Takeshi Kakeda
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I’m Thinker, Doer, Maker, iki-iki Generator and Runner in Ehime, Japan. My blog is https://tkskkd.com/