「パラノイアだけが生き残る」がキャリア論としても参考になった

Kei Kinoshita
No Products No Life
5 min readSep 17, 2017

インテル元CEOグローブ氏の「パラノイアだけが生き残る」の最後の章に、キャリアも企業経営と同じということが書かれていました。

自分の考えや経験と重なるところが多かったので、振り返りも兼ねて、重ねて整理してみようと思います。

Paranoidとは極度の心配症を意味します。グローブ氏は、企業は成功すれば安泰ではなく、大きな変化(本書では10xと述べられる)が必ず訪れるので、常に危機感を持ちいち早くその変化に対応できるような心配症だけが生き残ると書いています。

変化が訪れるので常に対応できるようにしておこう、というメッセージをキャリアにも適用して説明されているのが最後の章です。

最も重要なこと、そして最も困難なことは、自らの環境変化に敏感でいることだ。組織の中で仕事をしていると、世の中のさまざまな情報から隔離され、自分の会社の経営にとって大切な情報が耳に入らなくなることもしばしばある。

ビジネスの戦略転換点と同様に、キャリアの転換点をうまく切り抜けることができるかどうかはタイミングを感じ取る力にかかっている。あなたは今、何かが変わりつつあるという気配を感じ取っているだろうか。

インプットして自分で考えるの大事。広く社外・業界外にアンテナを立てることが重要。

それに、自分は極めて優秀な人間だから、この変化からも自分だけは免れるだろうと信じたくなることもよくある。「ほかの人は影響があるかもしれないが、私は大丈夫だ」と。これは危険なうぬぼれだ。優れた業績を上げてきた企業が過去の栄光から逃れられないのと同じだ。

どれほどスキルが高くても、自分の地位が安泰だと感じていても、これらの環境変化から影響を受けずにはいられないのである。

最近だとAIが人間の仕事を奪う話が多いが、自分のような企画職は代替されないだろうという驕りは危険。分析からアイデア出しも自動化できるし、タスク管理はシステムの方が向いている。スマホやアプリがいつまで人々に使われるかもわからない。

今とは違う役割を担っている自分を思い描く。それらの役割について調べる。そうした役割に就いている人たちと話をする。それらについて自問する。それらの役割に自分が適任かどうかについて、自分と対話をする。大きな変化に向けて、脳を鍛えるのである。

新たな環境でキャリアを積むにあたって、自分にはどのようなスキルが必要だろうか? 自分が達成したいと思うキャリアを現在すでに築いている、ロールモデルとなる人はいるだろうか?

今の仕事に関係のある人と話すことが多いので、自分が数年後になりたい・やりたいことをしている人ともっと会ったり繋がりを作ったりしようと思います。

物事がまだ順調に進んでいて、気分よく刺激的な仕事をしている間に変化を起こすほうが、キャリアに影が差してから起こす変化よりも、苦痛ははるかに少ない。

これは全然意識できてなくて、仕事が楽しい・充実しているときはその仕事のことばかり考えている。うまくいっているときこそ先手先手に行動するのを意識してみる。
確かにプロダクトライフサイクルをとってもみても、成熟期の次は衰退期。

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新たな国に移住するのに少し似ているところがある。慣れ親しんだ環境では、言葉も文化も人々もわかっていて、良いことも悪いことも、どのようにして起こるのかが予測できるようになっている。それでも、荷造りをして、そこを離れるのだ。そうして、新しい習慣、新しい言葉、新しいさまざまな危険や不確実性が待つ新しい土地に移る。

今まさに違う国で色々なバックグラウンドの人たちと働いているのですごいよくわかる。言葉も文化も違い、自分の実績を知らない人と働くのはゼロリセットに近く、知識やスキルなど実力が真に問われる。そういった意味では同じ職種だけど違う国で働けている今の経験は貴重。

引き続きプロダクトやインターネットに限らず広くインプットするのは継続する。新しい行動として、将来やりたいと思っていることをやっている人とも会う、充実しているけど先のことを考える時間をもう少し増やす、の2点を追加します。

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Kei Kinoshita
No Products No Life

メルロジでCPOとしてリペア店舗向けの予約プロダクトと集荷物流網プロダクトを統括しています。 メルカリUS/UK PM, JP Head of Product ←ランサーズ ← NTTデータ