シングルモルトを飲みながら
今宵も夜がふけていく【お酒のうんちく話】
プロローグ
重圧感のある扉を開くと、思っていたよりも広い空間が広がっていた。店内は薄暗く、すみずみまで見極めることはできないが、カウンターの背後にある酒棚にはびっしりと酒瓶が並び、弱々しいスポットライトに照らされていた。
口数の少ないバーテンダーは、客に質問されたときだけ、ユーモア交じりに返答をして、そのあとはまた黙々とグラス磨きに夢中なふりをした。
「おすすめの、シングルモルトはありますか?」
彼は酒棚に何層も並ぶシングルモルトの瓶たちの中から、迷うことなくその一本を選び出し、きゅっと栓を開けた。グラスの中に注がれた琥珀色の液体からは、流れでるように芳しい香りがほとばしる。
目の前のグラスに手を伸ばすとき、いつもあの夜のことを思い出す。そう、彼が私に語ったシングルモルトの魅力。そして、今夜もシングルモルトを飲みながら、そっと夜はふけていく・・・
目次:
プロローグ
第一夜 シングルモルトって何?
第二夜 バーでシングルモルトを飲みたい…良いバーの特徴は?
第三夜 シングルモルトの味を決める要素~水、ピート、樽、それから…?
第四夜 樽のうんちく~シェリー樽、バーボン樽って…?
第五夜 シングルモルトおすすめ銘柄~これを見つけたら是非飲んでほしい!
第六夜 アイラモルトを紹介させてください~シングルモルトの中でも特徴的
第七夜 ジャパニーズウイスキー~その歴史、品質と世界の評価
第八夜 シングルモルトの楽しみ方~ストレート、水割り、ロック、ハイボール
第九夜 水と氷とシングルモルト~チェイサーって何?
第十夜 ハイボールを楽しむ~ウイスキーの造りを考えた飲み方
第十一夜 ウイスキーの価格は何によって決まる? 高いものって本当に美味しいの?
第十二夜 蒸留所見学~やっぱり酒飲みの至福の時間は試飲でしょう
第十三夜 蒸留所の有る場所を意識して飲む~シングルモルトを知るために
最終夜 瓶詰業者のこだわり~オフィシャル蒸留所とのせめぎ合い
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