人間以外から送られてくることが多くなってきた「電子メール」について

横田真俊
Not status quo bias
3 min readAug 11, 2017

6年間使ったパソコンの調子が悪くなったので、新しいパソコンを購入して現在引っ越し作業をしている。昔はパソコンの引っ越しはデータ移行で大変な思いをしたものだが、最近はそこまで大変ではない。

重要な書類はDropboxやOneDriveなどのオンラインストレージにあるし、大量にある音楽データはiTunes Music matchを利用すれば、ほぼ引っ越しせずに使える。画像データはNASに貯めているので問題ない。

データの移行はこのようにクラウド(ここで言うクラウドはIaaSというよりは、オンラインストレージ)のおかげで簡単にできた。どちらかというと、いつも利用しているソフトウェアをインストールする作業の方が大変だった。

ただし、データの移行先という点で一点だけ困ったものがある。それはパソコンの中のメールデータだ。現在では、ほとんどの人は「メールソフト」をインストールしてパソコンでメールを読むという行為はあまりしていないだろう。

GmailなどのWebメーラの普及してパソコン上でメールを読み書きするのであればブラウザ上で十分であるし、どちらかと言えばスマホ経由で読むことが多くなっているだろう。

何よりメールを利用するケースはほとんど無くなっている。社内の仕事の話であればSlackなどに代表される社内チャットを使うだろうし、社外で仕事の話をするのであればSlackかFacebookだ。友人や家族と連絡をやり取りする場合はLINEをメインで利用するケースがほとんどだろう。

人間がメールを書かなくなった代わりに増えているのは、人間以外の「システム」からのメールだ。自分がここ2.3日、どのようなメールを受け取ったかと言えば、AmazonなどのECサイトの購入情報や、様々なサイトのログイン履歴の情報、connpassなどのイベント情報だ。これらのメールは「自分の知り合い」が書いたメールではなく「システム」から送信されたメールである。

もちろん、このような「システム」からのメールは今までも多かった。ただ昔であれば知り合いからのメールも来ていたし、古き良きメーリングリストという仕組みもあって「人間」が書いたメールを読んでいた。

しかし、時代は変わってTwitterやFacebookなどのSNSやLINEなどのメッセンジャーソフト、Slackなどのチャットソフトを利用している人が大半だろう。電子的なやり取りでも人は「手紙を書く」よりは「しゃべる」事を選択したということなのだろう。

しばらくは「人間が書く物」は複数のプラットフォームをTPOで使い分け(親しい人にはLINE、社外の人とのやり取りはFacebook Messenger、社内のやり取りはSlack)、システムからの「通知」には、相変わらず「電子メール」を利用する事はあまり変わらない気がする。

「メールの終焉」を予言する人は多いが、ニュートラルなプラットフォームであり「システムからの通知」のように情報を一方的に送りつけるには便利なので、個人的にはしばらくはなくならないとは思う。

ただ、親しい知り合い同士のやり取りでメールを使うことは、今後は無くなっていくだろう。

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横田真俊
Not status quo bias

IT業界で働くサラリーマン。個人活動として、FacebookやTwitter、クラウド本の執筆なども行っています。詳細はURL先をご覧下さい。http://wslash.com/