Facebookは自分のプライベートや本音を書く場所では無くなりつつある

横田真俊
Not status quo bias
2 min readMay 12, 2015

以前はFacebookでつながっている人もほとんど無く、私のような「ネットの新し物好き」しかやっていなかったが、ある時から突然「ネットの新し物好き」以外の普通の人もFacebookに参加するようになってきた。

Facebookに表示されている「知り合いかも?」を見れば、自分の会社の人間、中学校、高校、大学で一緒だった人たち、それほど深くは知り合いではないけど挨拶をする程度の人たち。色々な人たちが「知り合いかも?」に出てくる。その多くは、もう「ネットの新しい物好き」ではなく、普通の人たちになってきているだろう。

以前のmixiなどのSNSは、ある程度自分を隠して参加でき、しかも、普段の生活で顔を合せる「普通の人」は参加していなかった。なので、普段の生活を隠して、ある程度の本音を書けた。

これは初期のFacebookでもそうだったのだろう。実名制とは言え、自分の「友達」を登録するのだから、本音も言えたし、それなりにプライベートも公開できた。

今は違う。Facebookでは、実際に会社や学校で顔を合せる人が「友達」として登録されているのはもちろん、イベントなどで1度しか会った事がない人ですら「友達」として登録されている人も多いだろう。そうなれば、なかなか自分の本音を出すのも難しくなる。

例えば、自分の同僚や上司が「友達」として登録されている中で会社の愚痴を言うことは、あまり褒められた行動ではないし、学校の人間にはできるだけ自分のプライバシーを公開するのを嫌がる人たちもいるだろう。彩りが良い高そうな食事は「いいね!」がもらえるかもしれないが、同時に「嫉み」をいだかれる可能性もある。

リスト機能などを使って「特定の相手」のみ投稿を見せる事もできるという人もいるだろう。しかし、「友達限定」で公開した投稿を、わざ々他の人に見せたがるデリカシーの無い人もいる。「人の口に戸は立てられぬ」という言葉通り「特定の相手」のみに投稿した内容がいつの間にか、それ以外に拡散することも多いにあるだろう。

そう考えると、もはやFacebookの人間関係は、そのまま実社会の人間関係と同じと思っていた方が良いだろう。実社会の人間関係で本音や自分のプライバシーを公開したくない人は、Facebookでも同様の行動をした方が良い気がしている。

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横田真俊
Not status quo bias

IT業界で働くサラリーマン。個人活動として、FacebookやTwitter、クラウド本の執筆なども行っています。詳細はURL先をご覧下さい。http://wslash.com/