おすすめの本 第5弾
昔は、世界中の農民が、自家採種をしていた。
よその土地から入手したタネでも、よくできた野菜からタネを採れば、その野菜はその土地に適応して、その風土に合った子孫を残す。こうした植物の適応力を馴化と言い、馴化と交雑によって、世界各地にさまざまなその土地固有の野菜が生まれた。この様なタネを固定種と呼ぶ。
一方、メンデルの法則により、雑種の一代目には両親の対立遺伝子の優性形質だけが現われ、見た目が均一の揃うことが知られる様になった。また、系統の遠く離れた雑種の一代目には雑種強勢という力が働いて、生育が早まったり、収量が増大することもわかった。
こうした原理を応用して人工的に作られたタネがF1種である。雑種の一代目だけが揃いの良い生育旺盛な野菜になるので、農家は毎年高いタネを買わなければならない。
日本において、高度成長時代以後、野菜のタネが自家採種できず、毎年種苗会社から買うしかないF1種に変わってしまった。
F1種は現在、雄性不稔という花粉のできない突然変異の個体から作られることが多くなっている。
子孫を作れないミトコンドリア異常の植物だけが、無限に殖やされて、世界中の人々が食べている。
子孫を作れない植物ばかり食べ続けていて、動物に異常は現れないのだろうか。
種苗店三代目が、世界の農家を席巻するF1種のリスクを訴える。
NPO 恒志会
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