「抜くか抜かないか」
「どういう時に抜くか」の議論は、不要で不毛です。
「抜かずに救うにはどうするか」が歯科医には大事です。
一生、自分の歯でかむために
独自の方式を編み出し50余年、治療に立ち向かってきた名歯科医が、「抜かずに治す方法」のすべてを公開する。怠けることなく養生に励み、初めの4ヶ月の間に抜けなければ、医患の共同作業によってぐらついた歯もまず救える・・・というのが、私の築いた治療法の真髄です。
この方法のポイントを余さず収めるよう全力をかけて努力しました。-片山恒夫-
カラー写真を添付し新装発刊しました。(定価:2000円)
第一部 膿漏治療の入門
第二部 ブラッシングする生活
第三部 治療に参加する
第四部 咬み合わせの回復
第五部 膿漏回復に役立つ義歯
本書は、健康雑誌「朝日健康情報(フットワーク)」の85年6月号から86年12月号まで、19回連載した片山恒夫「歯槽膿漏はこう治す」を、大幅に加筆・修正して製作された。フットワーク編集長:長倉 功
この書籍は1990年7月、片山恒夫先生80歳の時に初版が出てから、2004年1月、9刷を最後に絶版になっていた。今回、片山先生没後10年にあたり、口絵カラー写真を添付しての復刊に至った。NPO恒志会理事長:土居元良
まえがき
長いあいだ「年をとれば、歯は抜けるもの」と考えられてきました。
しかし、抜けるのは年齢のせいではなく、歯槽膿漏(歯周病)という「病気」のためです。
だから防止もでき、治りもします。
老人の歯が全部、抜けてゆくように見えるのは、歯周病が「国民病」と言われるほど罹患率が高いからです。
私が歯科医院を開業した1936年(昭和11年)、世間では歯周病が治せるなど考えもしていませんでした。
でも私は「何とかしたい」と独自の方式を編み出し、治療に立ち向かいました。
幸い効果は大きく、私は50余年も患者さんたちの歯を救ってきたことになります。
私の案出した方式は「医患共同作戦」です。
患者さんが「丹念に歯を磨く」「歯の実力に合わせてよく噛む」「従来の生活の改善」などを、医師に指示に応じて実践します。
同時に医師はとりあえず「歯の安静を保つ処置」をした後、治り方に応じて「回復の活性を図る上下の歯の噛み合わせ」を実現、「仮義歯(かりぎし:治療用義歯)を使って、歯周病の歯を治していく」などの工夫をします。
従来は絶望とされた歯周病を治すのですから、医患ともに大変ではありますが、歯周病はぐんぐん良くなります。
この方式は最近、ようやく歯科界にも普及する萌があり、患者さんにも「長時間ブラッシング」の必要性が理解されてきました。
歯周病の歯を救えるようになってきたのです。
ほんとうに嬉しいことです。
・・・・・・・
(以下省略)
NPO 恒志会
学び合う医療 支えあう医療 ほんまもんの医療