「目的」の作り方

Subaru Matsukura
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3 min readSep 21, 2017

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先日、研究者と編集者と松倉の3人で飲みながら意見交換のようなアカデミックな飲み会をしていた。

知らない世界の友人は知らないことをたくさん教えてくれる。アルコールと新しい刺激のインプットで気持ちよくお酒を飲んでいた。
その中でも一番勉強になったのが「目的」を作る意味についてのディスカッションだった。

日々、「今日やらなくてはいけないこと」と向き合って納品のゴールを目指すのが、こういった世界の当たり前であるが、研究の分野において「こうなのではないか?」という仮説を立て、逆算して研究を進める。イメージしている「ゴール」と現在地の「事実」を照らし合わせて、その差分をみる。そこに発見や想定とは違ったゴールへの道筋が見える。

突拍子も無いこと目的(旗)を立て、そこに向き合うことであまりに非現実的なことで業務上そういう遠くへ旗を立てることはない。限界ギリギリのラインでいけそうなところを目指し、チームでそれを超えたところに到達しようとするのが今までの松倉の考えだった。

しかし、目的が遠く非現実的な領域であればあるほど、思考すべき事柄は増え、新たな気づきの得られる量が圧倒的に変わることに気づいた。
仕事では作り手も、お客さんも一緒に旅をするので、じゃあ今から月にいきましょうか!なんていう投げかけはこちらの人間性を疑われる。

ただ、それが自分自身のことになると、この非現実的な目的に旗を立てることがぐっと価値がでてくる。途方も無い目的を持つことで、そこに至るには何が必要か、どう考えても無理なら別のルートは無いか、と模索を始める。その模索での気付きとその数がとても重要になる。

例えば、Nueを今後「日本一のプランニング会社にしていこう」という目的を立てるとなんとなく道筋とやるべきことが見えてくる。逆にいうと見えすぎる。それでもってすでに先人がルートを作っている。

たぶん、そこよりもっと遠い目的を持つ方が思考は面白くなる。
今の自分と目的との間に「?」が存在する旅の方が自分で考え模索する必要がある。この必要性がとても重要で例えば「日本からプランナーという職業を消す」という設定をすると一斉に???が生まれる。

アイデアを作る仕事をなくすのではなく当たり前のスキルにしていく。
そうすると自社の成長だけじゃなく日本の産業自体が盛り上がる可能性がある。それを達成するにはどうすべきか、何をすべきか、???を埋めていく作業が始まる。

こんな感じで何かにつけて目的はあるものだけれど、その作り方一つで成長の幅と速度は全然変わるのだということに気付かされた。
楽しすぎて飲みすぎた。学びと反省の密度が高い夜でした。

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Subaru Matsukura
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