ChairGunでエアーライフルの弾道計算をしてみる
今期のエアーライフル猟はぼろぼろでして、まったくです。平地無風でのゼロインはほぼ完璧なのですが、自然のフィールドでいざ獲物と対峙すると全然当たらないこの不思議。
「腕が悪い」と一括りなのはわかるのですが、距離によるドロップであったり、撃ち上げ・撃ち下ろしといった距離補正、風などいろんなことが影響してるんだと思ってます。
で、エアーライフル猟で必要と思うのが「①銃の精度」と「②弾道計算」だと考えます。攻殻機動隊で、少佐とスナイパーのサイトーがスナイピング対決をする大好きなシーンのセリフがあるんですが、
「あえてGPSにジャミングをかけてまでスナイピングを挑んできている手練だ、“コリオリの法則”まで熟知していたら全員殺されるぞ!」
この“コリオリの法則”ってのが、銃弾が空中を飛ぶ間に地球が自転をして標的の位置がずれるやつで、ここまで計算できたら天才的スナイパーなのですが(攻殻機動隊を紹介したかっただけ)、それ以前に重力のあるこの地球での弾道把握が全然できていないので、ちょっと調べてみました。
ChairGun Proのパラメータ入力
ChairGun Proという素晴らしいアプリがあるので使ってみました。
銃と弾の重さを入れると弾道計算してくれる優れものです(しかも無料!)。HAWKEというスコープメーカーが作ったもので自社のスコープ普及のためでしょうか。確かに欲しくなります(笑
パラメータを入力するにあたり必要だった自分用メモ。
銃:FXトルネード 5.5mm
弾(Weight):FX airguns16GRAINS
初速(Muzzle Velocity):840Ft/s(180bar時)
ゼロイン距離(Zero Range):50m
スコープ高さ(Sight Hight):4cm
射程最大距離(End Range):100m
キルゾーン(Kill-zone):1inch(2.54cm)
スコープのクリックサイズ(Click Size):0.125moa/c
初速
一昨年のデータで、猟隊メンバーの方に伊勢原射撃場で計測してもらいました。いろんなサイトみてて890Ft/sが平均的のようですが、中古ということもありまぁこの辺でしょうか。狩猟時も空気圧は180barでやってます。
ゼロイン距離
射撃場でゼロインしたので、スコープは無風状態の平地50mで調整してます。
射程距離
前々回の鴨猟で外したのが100mくらいだったので。1発、2発撃っても(手前に着弾して気づかななかったせいか)鴨が飛ばず、3発目でスコープの一番下を狙ってやっと射程距離に到達したので狙えそうだなと。
キルゾーン
鴨のバイタルエリアが、だいたいこんなもんなかなと。
スコープのクリックサイズ
スコープはBURRIS社のCompact/Rimfire Airgun(RA) 4X-12Xを使ってます。
付属のプロダクトマニュアルを読むと「Each Click Moves Point of Aim」が「.125」。1クリックで0.125inchだとして、パラメータ単位の「c/moa」「moa/c」が謎。
調べてみると、M.O.A.(Minites Of Angle)の略らしく、射撃精度の単位のようだ。
このサイトがわかりやすかったです。
スコープの照準で使われる単位 MOAとMIL
http://www1.ttcn.ne.jp/~koto-br/MOAandMIL.htm
1 M.O.A.は「100ヤード(91.44m)先において1インチ(2.54cm)」を意味するらしく、持ってるスコープが1clickで0.125inchとして、ChairGunのパラメータに置き換えると「0.125moa/c」か。
あとはよくわからないのでデフォルト(笑
使う弾と距離とのドロップをみるのであれば、まぁいいでしょうと。
算出された弾道の軌道とデータ値
緑線が弾道で、赤線がスコープの中心線、2本の紫線がキルゾーン。
- 10mと50m(自分でゼロイン設定)がほぼ中心
- 30m付近が最大弾道高
- 60mを超えてからめっちゃ落ちる
- 100mでは60cm近く落ちる、めっちゃ落ちる
グラフでだいたいの感覚を掴んだところで、重要なデータテーブル。
重要そうな(理解できた)のが、赤枠の箇所。
POI(cm)
横に距離があって、それに対する上下の距離。これが一番知りたかったやつ。
さらに、使っているレティクルのメモリが M.O.A.単位なので、メートル法に(無理やり)置き換えると多分こんな感じだと思う。
前の猟で、カモを狙う100m先の撃ち下ろし(おそらく傾斜-15度くらい)で、スコープぎりぎりの下を撃ってやっと届いたくらいだったので、多分正解な気がする。
POI(clk)
中心に合わせようとしたらスコープをクリックする回数。100m狙おうとしたら158クリックするとか絶対無理でしょ(笑
Time(Sec)
これ、狩猟時にまったくといって気にしてなかった着弾までの時間です。鴨とか川を泳いでいる(移動している)と着弾までの時間がけっこう関わってくるんだと改めて理解。100mで0.5秒くらいかかるんですね。
仮に鴨が水面を射手に対し横に泳いでいた場合を想定して、どのくらい先を狙うのか妄想してみました。
まずは距離と着弾時間。
鴨の泳ぐスピードはこのサイトを参考にしました。
潜水する鳥の進化 — 鳥便り
http://akaitori.tobiiro.jp/simpleVC_20101031132848.html
マガモの水上における巡航速度は1.8km/h(50cm/s)のようです。ほんまかいなありますが(笑
これを真顔で信用して算出するとこうなりました。
これに引き金を引くまでの間、脳から指先まで伝達時間(0.数秒ですが)などもあるため、100m先で横移動のカモは撃たないほうがよいという判断になります。深追いは気をつけます。
ただし、これらはあくまで平地・無風での話
猟は単純ではないのです。
エアーライフルでカモを狙おうとしたとき、カモに毛取られないよう、土手斜面の上から狙ったりします。
そうです、「撃ち下ろし」といったことから、レーザー距離計で計測する数値をそのまま信用できないといった罠。わかっているんだけど、理解できていないシリーズです。
このサイトが直感的にわかりやすいのですが、撃ち下ろしの場合、着弾点は中心より上になるようです。
【物理ヤバイ】撃ち上げ、撃ち下ろし時の着弾点の変化【理解不能】
https://www.boy-meets-meats.com/contents/blog/post-7458/
理屈はわかった。では、角度によるズレを知ろうとした場合・・・と調べ始めたらキリがなさそう。。。
このサイトがめっちゃ詳しく角度にも触れているので計算式は存在しそう。ただ、わからない・・・
スコープの照準で使われる単位 MOAとMIL
http://www1.ttcn.ne.jp/~koto-br/MOAandMIL.htm
ということで、『撃ち下ろしのときは少し上を狙う』ということで(笑
時間のあるときに調べてみたいと思います。