クラウドストレージ比較

Τόνια
okano
Published in
7 min readNov 7, 2015

OneDriveが容量無制限をやめるとか、無料ストレージを縮小するとかで話題になっていたので久しぶりにクラウドストレージの比較をしてみた。

OneDrive

まずは渦中のOneDriveから。Windowsとの統合はさすが開発元といったところだが、多少信頼性に難がある。容量無制限のおかげで無茶をするユーザーの影響を受けているのかもしれないが、新しいプランが発効したら今度はOfficeなしではお金を払っても大容量のストレージは契約できなくなる。

Windowsに統合されたオンラインストレージという立場から、Officeのおまけストレージに立場が変わるようだ。純粋なクラウドストレージの選択肢からは外すべきだろう。

Google Drive

GoogleはMicrosoftほどOSやアプリケーションに依存した商売をしているわけではないので単体のクラウドストレージとして比較検討する価値がある。

信頼性は上々、レスポンスもいい。ただし従来のファイルやフォルダといった概念とは違うファイル管理をしているようで、場合によっては迷子になって表には見えないがストレージを消費するファイルというのができてしまう。探す方法はあるのだが、面倒だ。

iCloud Drive

かつてはOSに深く入り込んでいて、汎用クラウドストレージとしては使いにくいものだったが、iCloudからiCloud Driveになって使い勝手が良くなった。価格競争力も出てきた。とはいえ、アップル製品と組み合わせて使うほうが使い勝手がいいのは否定できない。

Dropbox

定番クラウドストレージだけあって信頼性やレスポンスは問題ない。従来は写真バックアップなど個人向け用途に力を入れていたが、最近は企業向け用途に力を入れだしたので個人向けではなくなりつつある。有料プランも手頃な価格の小容量プランはなく、1TBのプランのみだ。

Box

北米ではDropboxのライバルと目されるBoxだが、当初から企業向けを重視しているので個人向けで使うにはあまり向いていない。

pCloud

最近Dropboxに代わって愛用しているのがpCloudだ。Dropboxとの最大の違いはデスクトップクライアントが仮想ドライブをマウントする形式だということだ。そのままだとネットワークに接続していないとファイルを参照できないので、必要なフォルダを選択してDropboxと同じようにローカルと同期できる。フォルダごとに同期場所は自由に選べるのでDropboxよりも融通がきく。

Dropboxでもローカルと同期させないフォルダを作ることはできるが、その場合同期しないフォルダにアクセスするにはWebインターフェイスを経由するしかない。pCloudならローカルに同期しないフォルダもデスクトップから参照できる。

ここまでは一般的なクラウドストレージだが、ここから先はプライバシー重視のサービスだ。つまり、エンドツーエンドで暗号化して保存したファイルの中身はサービス運営者でも見ることはできないというのが謳い文句だ。

Spideroak

クラウドでのファイルアクセスよりはバックアップを重視しているため使い勝手に癖がある。以前は価格が高かったが、最近は十分競争力のある価格に下がった。

Tresorit

スイスのサービスだ。スイスといえばスイス銀行を思い浮かべる人も多いだろう。重要なものを預けるには最適の国だ。というのが本当かどうかわからないが、少なくともスイスが国をあげて作ってきたブランドイメージなので利用しない手はないということだろう。

Tresoritはハッカーからの挑戦を受け付けていて、一度も暗号化を破られたことがないというのが自慢だ。それだけ自信があるのだろう。

Spideroakほど癖はないが、それでもセキュリティの代償として使い勝手は悪い部分がある。一度アップロードしたフィアルは移動できない。ダウンロードや削除はできるので、移動したければダウンロードして別の場所にアップロードしなおして、以前のファイルを削除することになる。

Sync

カナダのサービスだ。スイスほどブランドイメージがあるわけではないが、米国政府からの干渉がないというのが彼らの言い分だ。

オンラインでファイルを編集したりはできないが、比較的使い勝手はいい。ローカルと同期するフォルダ以外に、ローカルとは同期しないVaultというエリアを持っており、バックアップにも便利だ。通常エリアとVaultのファイルはWebインターフィエイス上で自由に移動できる。

ただしここに挙げた暗号化クラウドの中で唯一Linux対応クライアントを持っていない。想定されるユーザー数の少ないLinux用クライアントを作るリソースが不足しているということなのだろう。これがちょっと不安だ。

pCluoud

一般的なクラウドストレージの項目で紹介したpCloudだが、Crypto Folderという暗号化フォルダをサポートしてる。これは有料オプションになるのだが、pCloudもスイスのサービスらしくTresorit同様にハッカーからの挑戦を受け付けている。

Crypto Folderはローカルでマウントした仮想ドライブの中でも別に設定したパスフレーズを入力しなければロックを解除できない。ローカルでのセキュリティも考慮されている。

比較的使い勝手がいい方とはいえ暗号化ストレージ特有の使い勝手の悪さが全くないわけではない。pCloudなら一般エリアと暗号化エリアの両方があるので、機密情報は暗号化エリアに保存して、そうでないものは一般エリアに保存することで使い勝手とセキュリティを両立できる。

Originally published at blog.okanomail.com on November 7, 2015.

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