Omiseインターンが探る 東南アジアの決済事情①タイ編

Keigo Saita
Omise
Published in
5 min readNov 8, 2017

こんにちは、インターン生の斉田です。Omise Japanのインターンを始めて3ヶ月が経ちました。Omiseはタイを拠点として日本やシンガポールなど複数の国においてオンライン決済サービスを展開している企業です。日々の業務を通じてOmiseの事業領域である決済の知識が深まるにつれて、日本と東南アジアでは決済事情がどの程度違うのだろう?という疑問を抱くようになり、今回ブログとしてまとめることにしました。

急成長する東南アジア

人口増加、インフラ整備などを背景に急速な経済成長を遂げている東南アジア。しかし、世界銀行によれば、東南アジアにおいては未だ2億人を超える人々が金融機関の口座を保有していないと言います。OmiseはOnline Payment for Eveyoneを掲げ、このような金融サービスを享受できていないような人々にも決済サービスを届けようとしています。

東南アジアと一口に言っても、経済水準は国によってまちまちです。実際2016年の1人当たりGDPを比較してみると、シンガポールはカンボジアの40倍以上も格差があります(*1)。そんな多様な東南アジアの中から、今回はOmise本社のあるタイの決済事情を調べることに決めました。

比較的インフラの整備されているタイ

約6500万人の人口を抱えるタイは、1人当たりGDPが約6000ドル(日本は約39000ドル)と東南アジアの中では比較的経済的な成長を遂げた国です(*1)。タイでは70%の成人人口が銀行口座を保有しており、東南アジア諸国の平均50%に比べて高く、デビットカードの保有率も50%を超えており決済インフラが整いつつあります(*2)。

2011年と2014年の成人の銀行口座保有率

タイで用いられている通貨はバーツです。2017年11月1日現在の為替は1バーツ=3.4円程度。種類は紙幣と硬貨が5種類ずつで最高額紙幣は1000バーツ札です。全ての紙幣に描かれているのは先日亡くなったプミポン国王。国民から広く親しまれていたことがうかがえます。

タイの通貨、バーツ

タイオフィスメンバーへのインタビュー

タイの決済をよりリアルに知るべくOmiseタイオフィスのPalin(バンコク在住の20代女性)にも協力してもらいました!

彼女から聞いた内容をまとめると以下の通りです。
・クレジットカードに対応している店舗が少ないため、対面決済では現金を使うことが多い。Palin自身もカードを使う頻度は2週間に1回程度だとか。
・物価は日本より安く、ランチは200円程度で満足いく食事が取れる。羨ましい。
・クレジットカードの手数料をお客さんが負担しなければならない店舗もある。
・オンライン決済の場合は銀行振込を利用することが多い(オンライン決済事情に関する資料も送ってくれました)。

タイのオンライン決済の手段(*3)

もっぱら利用されているのは、代引(Cash on delivery)や店頭支払い(Payment over the counter)のような現金支払いと銀行振込(Bank transfer)。今後の決済サービス発展の余地がたくさん残されているように感じました。

まとめ

タイは東南アジアの中では比較的経済水準が高く決済インフラも整っている国ですが、決済手段は主に現金と銀行振込と限定的であり、まだまだ不便が多いように感じられました。今後はより経済水準の高いシンガポールや、近年GrabやGo-Jekなどのベンチャー企業がモバイル決済を浸透させようとしているインドネシアなどを調べてみたいと思います。

参考資料

(*1)GDP per capita (current US$):https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.PCAP.CD

(*2)How to scale up financial inclusion in ASEAN countries:https://blogs.worldbank.org/eastasiapacific/how-to-scale-up-financial-inclusion-in-asean-countries

(*3)Thailand eCommerce Insights | 13.9 Million Online Shoppers in Thailand by 2021:http://www.eshopworld.com/blog-articles/thailand-ecommerce-insights/

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