謙です。息子に持たされたスマホ。ところが、そのスマホには息子も知らないひとつの機能があったのです。

スマホについた知られざる機能

フミがカバンから出したスマホにみんなの視線が集まった。

「あんた、そんなもの持ってたっけか?」

今日は週に1度の近所の老人が集まってお茶を飲む日。さんざ散らばっていた話題がスマホに集中した。

「高いんだろう?」
「フミさん、使い方、分かるのかい?」

とみんな口々に言う。

「息子夫婦に持たされたんだよ」
「ボケて徘徊するようになってもこれさえ持ってれば見つかるってやつだろ?」
「ボケたらこんなもの真ッ先に忘れて徘徊するわな」
「違いねェ」

みんな禿げた頭を叩きながら笑った。

「これがね、思わぬ効用があるのよ。ほら、うちの息子らは近くに住んでるくせにちっとも顔を出しゃしない。そのうえこれがあれば、お互いの顔を見て電話ができるとか言うんだよ。今以上に来ないつもりだったんだ」

「冷たいもんだ」

「ところがね、こいつのスイッチを切って、壊れちまったって連絡すると、不思議なもんで、スッと飛んできて、誇らしげに直してくれんだよ。得意なんだ、とか言っちゃってさ」

「ボタンひとつで息子が来てくれるんなら悪くねーわな」

フミがにやりと笑うと、他の老人らも、「そりゃ便利だ」と頷いた。

あとがき

響由布子・武重謙 コラボ企画 第3弾(詳細はこちら」です。

お題は『スマホ』でした。いかがでしたでしょうか? 明日はゲストの響由布子さんが同じお題で、小説を書いてくれますので、そちらもお見逃しなく。


つくづく “自分ってオタク体質だな” と思いました。

一昨日のこの連載のあとがきでも書いたとおり、学生時代に熱中していたベースに、改めてハマっているんです。それはそれでよいことなんですが、何年ぶりかに楽器を手にして、始めたことが「基礎練」なんですよ

普通、好きな曲を弾いたり、曲を作ったり、「楽しい部分」から始めると思うんです。

たとえばこれからサッカーを始める人なら、まずは友だち同士の試合に参加したいでしょ。いきなり基礎練漬けに毎日なんて嫌でしょ?

ところが、わたし、あんまり嫌じゃないんですね。

家で黙々と、「ドレミファソラシドシラソファミレド」と、メトロノームに合わせて、指のトレーニングを続けることが楽しいんです。

やりながら、「なんか、オタクだよなぁ」としみじみと感じてしまいました。

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