
武重です。恋愛の話は好きですか?
上野公園でリップクリーム
彼との初めてのデートで上野公園にやってきた。先週告白され、3日悩んでわたしが答えた。その場で決まったデートだった。
上野動物園を隅から隅まで歩き回り、出てきたときはもう夕方だった。夕焼けの中、上野公園を歩いた。動物園では2人とも口数が多かったのに、今はどちらも黙っている。
噴水の周りを止まりそうなくらいゆっくり歩く。美術館なんかはもう閉まってる。
「この球場、正岡子規記念球場って言うんだ」
彼はとつぜん言ってまた黙る。赤かった空が少しずつ暗くなっていくのが分かる。
— — 上野公園がもっともっと大きければいいのに。
なんて考えてるわたしの心を読んだように彼は小道に入った。もう少し行けば西郷さんの所。彼がそこで立ち止まる。
「動物園楽しかったなぁ」
「うん」
「クマとかね」
「うん、さるとかもね」
彼がポケットからリップクリームを出す。それを慣れない手つきで塗っている。左右を見てる。いくら疎いわたしでも、その意味は分かる。
— — はやく暗くなれ!
心の中で手を合わせながら、大慌てでわたしもカバンの中からリップクリームを出した。
あとがき
先日、麗澤大学にて入学生に講演をしてきました。
テーマとして「行動が自分を作る」という言葉を掲げて、旅がどう自分たちを変えてきたか、という話をしました。
講演がどうだったかは、訊いてくれていた人たちの判断に任せますが、その場で「大学の授業のゲストスピーカー」の依頼を受けることになったので、まあまあ良かったのだろうと思うようにしています。
講演の最後で、新入生達に「質問ある人!」と聞いても1人も手が上がりませんが、自由時間になって、パラパラと寄ってきて「おもしろかったです」とか「旅がしたくなりました」と言ってくれる生徒がいました。
西欧諸国の人たちならきっとみんなの前で手を上げる人もいたのかな、と思う一方で、内なる熱さを持った日本人がやっぱり愛おしいと思う1日でした。
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