

武重です。都会暮らしがつらくなってきたときに、母親にこんなの渡されたら、少しは元気が出るかもしれませんね。
貯めてたお金
田舎で育った反動か、東京の美容師に憧れていた。カリスマ美容師とか言われたかった。
現実はやっぱり苦しくて、コネもなく、実力もそこそこのわたしには下積みばかりが長かった。その辺の高校生みたいな時給で働いていたから、貯金もできないし、遊ぶ金だってなかった。
年に1度の長い休みで、久しぶりに里帰りすることにした。
「お母さん、来月帰るよ」
「そりゃよかった。あんたが貯めてた大金が出てきたところじゃが」
大金……? 頭をひねってみても何のことか分からない。想像できることといえば、親に預け続けたお年玉くらいだけど、あれは専門学校の学費で使い切ったと聞いている。
「来れば分かる」と母は電話越しでも目に浮かぶようなニヤニヤした声で繰り返した。
「はい、これ」と実家に帰るなり母は手を差し出した。手のひらにはカエル柄のがま口サイフ。
「これは?」
「あんたがちっちゃい頃に貯めてた金じゃがな」
あけると1円玉から100円玉まで、全部で632円あった。
「これでもう少しがんばりんさい」
母が笑っていた。
あとがき
最近、靴を極力履かずに、下駄で過ごしています。
履き慣れないと、やっぱり鼻緒で痛くなったりもしますが、それもすぐに慣れ、今じゃこんなに履き心地のいい履き物はないな、と履くたびに実感します。
歩くとカランコロンとなるのもいいけど、それも歩き方次第。静かに歩くこともできるから、TPOをわきまえて、歩き方を変えるのがまた楽しい。
たしかに靴は便利だけど、蒸れて臭くなるでしょ。
かといってサンダルは、ちょっとカジュアルすぎる。
そこで下駄ですわ。
あるいは草履。
でも本物の草履は高いからね。俺も偽物は持っているけど、それでも気持ちはいいです。
「いきなり着物は……」と思う人も、履き物から初めてはどうでしょ? ジーンズに下駄/草履っていいですよ。
お願い!
こうして書く活動で生きています。
気に入って頂けたら、♡マークを押すなど応援をお願いします
このPublicationをフォローすると、こういう短編の物語がほぼ毎日届きます→ 《原稿用紙1枚で書く物語》
その他、こんな場所で発信しています。購読お願いします。
日刊ケネミック(個人ブログメディア)
Facebookページ
Twitter(@ken_takeshige)