確認しようがない2択の問題。妻は浮気をしているのか、していないのか?

『シュレディンガーの山』

会社の仲間と登山にやってきた。吉津という中堅社員がドタキャンしたものの、6人が集まり、楽しい登山になりそうだ。

「もう時効だろうけど、吉津のやつ、お前の奥さんに惚れてたんだよ」

先輩社員がニヤニヤしている。私は社内恋愛の末、結婚し、妻は結婚を機に退職した。たしかに妻は美人で、人気があったとしても頷ける。

「あいつ風邪とか言ってたけど、今頃お前の奥さんと遊んでたりしてな」
「口が悪い……」

と聞き流していたが、どうも妻の言葉が思い返される。

――あら、登山? じゃぁわたしもちょっと羽を伸ばして遊んでこようかしら。

普段だって友だちと遊んだりしている妻だ。羽を伸ばす、とはどういう意味だろう? 携帯電話を確認すると、圏外。今日は山小屋で一泊し、下山は明日である。

「あれ? 気にしてる? 冗談だよ冗談! 奥さんを信用しろよ」

登山中、妻のことがずっと気がかりだった。帰宅したとき、笑顔で迎えられても、不機嫌に迎えられても、たぶん浮気を疑わずには居られないだろう。確認しようがないことで、思い悩むなんてバカらしいが、とにかく頭から離れなかった。

《No.119 お題:登山》

あとがき――メダカ

庭にちょっとした石鉢があり、そこにいつも水が溜まっています。

先日、何気なく覗き込むと無数のボウフラが身をくねらせているではありませんか。見ただけで体中が痒くなるようです。

蚊の発生は自分の手で食い止めなければならない、とメダカの購入を決意。メダカはボウフラの天敵です。

さっそく石鉢に離し、翌朝確認すると “ボウフラが全滅” !

減るとか、そういうレベルではありません。無数にいたボウフラが探すのが困難なほど減っているのです。目を凝らして、ようやく1匹2匹見つけられた程度。

メダカにとっては天国のような環境であり、ボウフラにとっては地獄の沙汰だったことでしょう。

さて、ボウフラがいなくなった石鉢にはメダカが残りました。ボウフラがいないので、餌をあげなくてはいけません。毎日餌をあげていると、愛着が湧くもので、もはやペット。毎朝の楽しみがひとつ増えましたとさ。

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