#001 Aesopのリップバーム
これまで、いくつものリップバームを無くしてきた。きっと僕だけではないと思う。
「どうせまた無くすだろうから、ドラッグストアで安いものを買う。」
Aesopと出会うまでは、ずっとその生活を続けてきた。
Aesopというと、お店もパッケージもお洒落だし、購入したときについてくる巾着袋さえもお洒落だし、各店舗ごと別の建築家やデザイナーに頼んでいたりして、総じてお洒落、おまけに値段も高い。
最初は、ハンドバームからだった。
1つ2500円くらいの代物だったので、青山のお店できれいなお姉さんに接客された20代前半の僕が、清水の舞台から飛び降りるつもりで購入したのは言うまでもない。
そういった経緯があったからか、使うときは勿論、持っているだけで気分が高揚するし、塗ることで気持ちを切り替えられる感覚は、今でも変わらない。
そしてこの、「リセットできる香り」も僕にはとても重要だった。いつもパソコンの前でキーボードやマウスを触りながら一日を過ごす僕にとって、気持ちを切り替えるには何かアクションが必要だ。コーヒーを淹れたり、聞いている音楽を変えてみたり、と様々なきっかけはあるが、Aesopのハンドバームもそれを担ってくれている。
僕のお気に入りの香りは、少し前に登場した檜の香りのもの。その前は、柑橘系のボディバームをハンドバームとして使っていた。
それまでの僕は、ハンドバームもリップバームも中々最後まで使いきれずに、飽きてしまって新しいものを購入したり、無くしてしまうことが多かった。ところが、Aesopの物を購入するようになってからというもの、ぞんざいには扱わなくなったし、無くしたことも今のところは無い。
これは、香りや使用感が好みなこと、使うときの佇まいは勿論、減っていく佇まいも良く、そして高価である、ということが理由のようで、やはり少し高価で質の良い物を選ぶことは、永く使うということに繋がるような気がしている。
余談ではあるが、リップバームについては賛否両論あるらしく、使用感が固くマットな質感であったり、そもそも香りがあまり好みじゃない人もいるようだ。ただ、僕は男だし、リップを塗って唇がつやつやするのはあまり好ましくないし、香りについてもできれば無臭というかそこまで強くない香りが良いということもあって、そういった意味でもAesopの物は男の人でも使いやすいんではないかと思う。
まぁ、色々と御託を並べたけれど、鞄やポケットから出してさりげなく使う所作はスマートな方が良いし、「あ、この人、Aesopのリップ使ってる。」って女の子に一目置かれたいじゃないですか。
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