#003 トモエリバーと速記用シャープ

shun ogino
one of my favs.
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3 min readOct 23, 2017

会社を辞めてから、手帳を使わなくなった。

会社員時代は手帳が支給されていたけれど、なんとなくそれを使うのが嫌で、自分で買ったほぼ日手帳を使っていた。毎日開いてその日やるべきことを書き出して、それを追って仕事をしていく。会社に属しているときは、一ヶ月先、三ヶ月先、半年先のスケジュールが大事というか決まっていたし、やはり手帳は必要だったように思う。

それがフリーランスになってからは、頭の中で管理できるくらいの仕事量なこともあってか、手帳は使わなくなった。絶対忘れてはいけないスケジュールの管理は、iPhoneのカレンダーアプリで間に合っている。

それから、手帳はアイディアスケッチのためにしか使わくなり、ほぼ日手帳の一日ページは僕にとってただの方眼紙と化した。手帳としては使わないのにほぼ日手帳を使い続けた理由は、トモエリバーという紙の描き味の良さがとても好きだったからだ。万年筆、マジック、鉛筆など、様々な筆記具で描いても、裏写りがほとんどん無く描き味もスムーズ、しかも薄くて軽い。常に持ち歩くスケッチブックとしては最高だった。

けれど、スケッチのために使いもしない手帳を買い続けるのも何か違う。最早、月ページや年ページはいらないし、ただトモエリバーの方眼ノートが僕は欲しいのだ。そこで、トモエリバーを使用したノートを販売する会社が無いか探してみたものの、僕が欲しい「5mm方眼でA5サイズのページ数が多いもの」という、全ての条件を満たすものは未だに見つかっていない。僕が欲を出し過ぎなのか、はたまた手帳以外の用途としての需要がないのか、こんなに使いやすいのになぁと不思議に思っている。

速記用に作られたというシャープペンシルのPRESS MAN 0.9は、使い始めて1年くらいだろうか。それまでは、大学の後輩から借りたままのステッドラーの0.9mmの製図用シャープを使っていた。学生時代に勉強していた建築設計の名残だ。ステッドラーのあの重量感と、シャープの先がしまえる機能が好きだった。とはいえ、0.9mmのシャープペンシルで他に良いものを知らなかったことが、ずっと使い続けていた理由かもしれない。

去年、福岡にある文房具店「プレイズストア」で、トモエリバーのノートがないか探していたときに偶然見つけたのが、このPRESS MAN 0.9だった。描き味を試していたら、「速記士や記者向けなため、本体が軽くて芯が折れにくく描き味が滑らか。」という話を店主から聞き、その謳い文句に惹かれて購入した。トモエリバーとの相性も良く、スラスラと滑らかに走るペン先は描いていて心地良く、なんといっても疲れにくいのが気に入っている。

さて、今日もこのシャープペンを相棒に、アイディアを形にしようか。

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shun ogino
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日本全国をあちこち行き来してるデザイナーが普段思ってること。