#005 Akihiro WoodworksのJIN CUP

shun ogino
one of my favs.
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3 min readNov 16, 2017

大学生のとき、KIKIのブログを読んでJIN CUPを知った。
honeyee.comに投稿される著名人のブログを読み漁っていた時期だ。

確か「KIKISA」という名前で販売していたと思う。きっと、北欧で作られている木製のマグカップ「KUKSA」を捩ったのだろうか。それを持ってよく山登りに行っていたらしく、ブログにちょくちょく登場していた。しかもその写真がフィルムで撮影されたもので、デジタルばかりで撮っていた僕は、あの少しざらっとした質感やオーバー気味の露出に心惹かれた。祖父が使っていたフィルムカメラを引っ張りだして、遊びで撮り始めたのもこの頃からだったと思う。

小さい頃から中学2年生くらいまで、よく父に連れられてキャンプに出かけていた。だから、肌寒い外で飲む温かい飲み物の格別さは知っていたし、このカップで飲む山頂のコーヒーは格別なんだろうな、と想像していたのを覚えている。当時、KIKISAがどこで買えるか調べたのだけど、東京でしか買えないようだったし、学生の時分には高価な代物で、買うまでには至らなかった。

そのまま購入する事無く数年が経ち、鹿児島の作家アキヒロジンさんが作っていることを知ったのは、2010年に鹿児島に遊びに行くようになってからだった。その頃には「ジンさんといえばこのカップ」と言っていいほど定番になっていて、いつの間にかKIKISAはJIN CUPと呼ばれるようになっていた。

話は変わるが、昨年僕の生まれ育った名古屋で、オギープラザという名の個人的に好きなものを集めた鹿児島物産展を行った。この写真のKIKISAは、その出店オファーにと工房を訪れて購入したもの。そのときは、他の展示や出店に被っていたため、惜しむらく僕のイベントに出店してもらうことはできなかった。にもかかわらず、会期中に親類の結婚式が偶然にも名古屋であったらしく、時間が無い中お店まで来てくれたのだ。こういうサプライズは本当にうれしい。(僕はちょうど外に出ていて会えなかったのだけど)

今では、このKIKISAを持って友人とキャンプに出かけたり、野外フェスには必ずと言っていいほど持っていく。撫でたくなるほど滑らかな手触りや、寒い寒いと言いながら、友達が淹れてくれたコーヒーを両手で持って暖まりながら飲むのは、やっぱり格別だ。あと、コーヒーが冷める前に飲み干せる絶妙な容量、というのも気に入っている。

思い起こせば大学時代まで遡るようなこういった偶然も、鹿児島に引っ越すことにした所以なのだろう、と今になって思う。

ここだけの話、来年の春頃にオギープラザ3をやることになりそうで、次こそはとチャンスを伺っている。

AKIHIRO WOOD WORKS:https://www.awood.jp/
honeyee.com:http://www.honeyee.com/
オギープラザ:http://oggysonic.tumblr.com/tagged/oggyplaza/page/5

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shun ogino
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日本全国をあちこち行き来してるデザイナーが普段思ってること。