The New Estimote // 新しいビーコン
DGI投資先のEstimote(エスティモート)がJapan IT Weekに参加するため短期間ですが 10/24〜10/26に東京へ来ます。Esimoteを使ってプロダクト開発をしてみたいなどあれば、お気軽にお問い合わせください。
Estimoteとは
Estimoteはビーコン技術を用い屋内の人の動きやモノ動きを把握し、導線改善等に活かすことが出来る技術を提供しています。また、エンジニアがこれらの機能を開発する環境を簡易化するためのSDKとAPIの提供を行っています。
屋内にEstimoteビーコンを設置後、スマートフォン当の端末でEstimoteアプリを起動し、壁沿いを歩き回ることでビーコンと端末間で三角測量をおこないます。これにより空間の大きさと形、空間内にある端末の位置関係を判定します。当初は空間とその中にいる端末を持つ人の位置を把握できるシンプルなものでしたが、現在はStickers(ステッカー)という小型のビーコンを固定したビーコンと併用することで、Stickersの付いたモノの位置や動き、温度等を把握することができるようになりました。(Estimote ビーコン、Stickersともにビーコンと各種センサーが内蔵されています。)
デモ動画を見ていただいた方がイメージが湧きやすいので、下記動画をご覧になって下さい。身近なモノを把握できる事を総称して”Nearables(ニアラブル)”と呼んでいます。ウェアラブルを文字った感じの造語です。
Estimote 利用例
Estimoteビーコンを利用するには、ビーコンと連動するアプリを開発する必要があります。アプリを利用するユーザーが「位置情報を提供する」という承認をすると、アプリに紐づくビーコンとの位置関係を把握することができるようになります。勝手にユーザーの情報を取ることはありません。Estimoteでは、エンジニアがこれらの機能を開発する環境を簡易化するために、SDKとAPIの提供を行っています。EstimoteビーコンとSDKを使うことで、開発のリードタイムを短縮して位置連動型の仕組みを持つプロダクトを開発できます。
それでは、これらの技術を用いた、簡単な応用例を3つほど紹介したいと思います。
case1: Target 導入事例(マーケティング施策)
アメリカの大手、ディスカウント百貨店チェーンTargetはおすすめの商品やクーポンを配信できるサービスを提供しています。
Targetのアプリを持つ顧客が来店した際に、顧客に対しておすすめの商品をプッシュ通知でユーザーにお知らせします。ユーザーの購買情報に基づいて、来店した顧客へ個別のディスカウントクーポンを配布することもできます。各顧客にカスタマイズしたダイレクトマーケティングを行うこともできるようになります。
case2: FC Barcelona 導入事例 (エンゲージメントの強化)
みんな大好きFC Barcelonaのホームスタジアム、カンプ・ノウでもEstimoteビーコンは活躍しています。FC Barcelonaのファンは公式アプリを持っている傾向が高く(試合結果やチームのニュース等も見れるため)このアプリを持つファンがスタジアムに来場したときに、アプリがファンに対して”あいさつ”をします。来場する頻度、チームの状況を加味したメッセージをファンに送ることができます。テスト段階ですが、各ファンの来場頻度に基づきスタジアムツアーの利用を促すなど、ファンとのコミュニケーションを改善する施策をはじめています。
また、スタジアムの特定の場所にいるファンに対してプッシュ通知を送り、退場の導線確保をスムーズに行うなどの機能は現在開発中です。スタジアムの管理者はヒートマップでファンの位置情報を俯瞰的に把握し、特定の場所にいるファンに対してメッセージを送るなどの機能が今後追加される予定です。
case3: グッゲンハイム美術館(レイアウトの最適化)
ニューヨークのグッゲンハイム美術館では、アート作品にアプリを持つユーザーが近づいた際に、作品の補足情報や詳細をスマートフォンの端末上に表示させます。より深くアート作品を理解したい来場者は従来イヤホン等で作品の説明を受けていましたが、アプリを使うことで効率よく作品の詳細情報を得ることができます。また、作品に近づくと作品に対する詳細が自然と表示されるため、毎回作品に紐づくコンテンツを探すという煩わしい行為から開放されます。
今後は来場者の導線を分析し、どの作品が一番高いエンゲージメントを持っているか、レイアウト上どの部分が一番混雑する傾向にあるのかを判定し、レイアウト改善に活かす試みをすすめいます。参考はこちら。
Estimote Mirror // ディスプレイ連動機能
Esimoteは2016年9月に新しいプロダクトをローンチしました。Estimote Mirror(エスティモートミラー)というU字型のデバイスです。MirrorをディスプレイのHDMIとUSBに差し込むと、ビーコン端末とアプリのコンテクストを反映したコンテンツをディスプレイに表示することができます。
プッシュ通知でユーザーにメッセージを送っていましたが、ディスプレイを用いることで、顧客が手に取った商品の違う色、サイズの在庫情報などユーザーが次に欲するであろう情報を先回りして目の前に表示することができます。顧客の購入データがあれば、それらの情報に基づきカスタマイズしたコンテンツを大きな画面で見せることができるようになります。
また、ディスプレイを用いることで空港などの大型施設でフライトの状況、ターミナルまでの所要時間などパーソナライズした情報を提供することもできるようになります。これらの機能は空間をデザインする上で、非常に便利なツールになると考えています。現在はテスト中ですが、来年初旬から正式版としてローンチ予定です。
Estimoteについて
2012年創業、2013年夏にY Combinatorを卒業し、現在までに合計1,600万ドル(約16億円)の資金調達を実行しています。ポーランドのクラクフを拠点にサンフランシスコ、ニューヨークに支社があります。DG Incubation投資以降、日本向けのサポートも開始し、日本で複数のパートナーとプロダクト開発を行っています。別の機会に日本での事例も紹介したいと思います。
Estimoteのことをもっと知りたい方はアカウントマネージャーMarta (marta.kosmala@estimote.com)又は、庄子(takahiro-shoji@garage.co.jp)までご連絡下さい。(日本語OKです)