沖縄にだって、雨は降る

Aya Asakura
3 min readAug 16, 2018

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この雨が、夏を連れて行ってしまうのかもしれない。

8月16日、雨。

8月8日、海が見える部屋の鍵を手に入れた。

ずっと憧れていた。何度忘れても、ふと思い出しては甘い気持ちと、叶っていない夢への苦い気持ちが同時に滲み出てきた海と暮らすこと。

今これを書いている、家具を待つ間に友達から借りたアウトドア用の机と椅子からも、海が見える。船が浮かんでいる。海風に木々がそよいでいる。

家賃45000円、共益費2000円、駐車場1台付き。敷金礼金なし。

46平米の2LDK 築20年。世界で一番好きなビーチまで徒歩5分。

住まい手のほうはというと、生後38年と6ヶ月。

ひとり暮らし歴(シェアハウスも含む)13年。

パソコンを使って好きな場所で仕事をし始めてまもなく10年。

夫子供なし、ペットなし。

この場所からまた、住まい手の新しい物語が始まる。

ここで突如、いつも誰かにしているように、住まい手であるわたしにインタビューを始めてみようと思う。

Question1. なぜフリーランスになったのですか?

Answer1. 毎日、同じ時間に同じ場所に行って、同じ席に座り、同じ人たちと顔を 合わせて過ごし、仕事をしてもしなくても毎月同じ(満足のいかない額の)お給料が振り込まれることが苦痛だったからです。毎日同じ、毎月同じ、というのが耐えられない、変化を好む性分なのです。あと、20代のころにまわりにいた大人の中で、フリーランスの人のほうが、会社のえらい人たちよりも素敵に見えたから。波がいいときにサーフィンをしに海に行きたかった、それが何より価値のあることだと思ったから。社内編集者としてたくさん賞をもらっていたので、自分の能力を信じられたから。

Q2. 食べていけるか不安はなかったのですか?

A2. 29歳でした。行動原理がとても夢想的・精神的で、お金なんてなくたって生きていける世の中になるべきだという思想を持っていたんです。流行の衣服や人に誇れる家だとか車、インテリアを自分で買い揃えることだとか、高級レストランやリゾートにも興味がなくて、東京駅のすぐそばにある立派なビルで働いていたけれど、そこでの日々のすべてに心底、興味がなかった。興味があったのは、もっと原始的なこと、人類はどう自然と調和してあることができるのか、自然に寄り添ってあることで人生がいかに豊かになるか、といったこと。だから、いざとなったら、すでに経験済みだったWWOOFをすればいいと思いました。営業でも1番になれた経験があったので、どうしてもお金が必要な分はフルコミッションの営業をすればいいと思いました。

Q3. フリーランスは35歳が限界という説がありますが?

A3. さあ。特に感じたことはありません。逆にいえば、内在化した不安はいつもあるのだろうと思います。そしてそれは、フリーランスでなくてもあるものではないでしょうか。「自分の人生、このままでいいのか?」って、誰もがその人のタイミングで、思うものでは?35歳って、たしかにそういうタイミングかもしれません。

Q4. 仕事はどうやってとっているのですか?

A4. お客様からお客様への紹介と、SNSを介して見つけていただくことがほとんどです。すでに出会っている方に「今、お仕事を探しています。何かあればよろしくお願いします。」と伝えることはあります。そうするとだいたい、いただけます。

平成最後のお正月に、フリーランス10周年を迎える。

いろいろあったし、これからもいろいろあるけれど、

わたしはきっと、大丈夫。

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