戦争映画のサイトを作った話・その2

mmmatch
7 min readApr 16, 2016

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前回の続きということで、なんでこのサイトを作ろうと思ったのか、ちょっと書いてみます。

作ろうと思ったきっかけは、大きく2つ。

戦後70周年という節目

一つ目は、サイトのaboutページにほぼ書いてあるとおり。

2015年、戦後70周年の節目。戦争体験世代の減少とともに、薄れていく戦争の記憶。webでなにか、戦争や平和について考えられるようなコンテンツ作れないかな、、と漠然と考えてたときに、ふと作ろうと思ったのが最初。

思い立ったのは2015年2月頃。最初は年内にリリースつもりだったのが、なかなか作業が進まず・・。

作業が一気に進んだきっかけは、12月23日、たまたまつけたテレビで流れてきた、天皇陛下の誕生日の記者会見。

この1年を振り返ると,様々な面で先の戦争のことを考えて過ごした1年だったように思います。年々,戦争を知らない世代が増加していきますが,先の戦争のことを十分に知り,考えを深めていくことが日本の将来にとって極めて大切なことと思います。

天皇陛下と同じ意見だ!って感じで妙にテンションがあがり、火がつきました。笑

そこから一気にデザイン作って、開発はじめて、約2ヶ月後の2月22日にリリース。

案保法案をめぐる議論

きっかけその2は、案保法案です。aboutページにも最初書こうと思ったけど、結局書くのをやめた。政治的な主張がしたいサイトじゃないし。

安保法案は、憲法や安全保障に関わる超重要な法案なだけに、リベラル・保守、様々な観点から激しく議論になっていた。

ネット上では議論というより、どうしても「ネトウヨvsサヨク」みたいな罵倒合戦になりがちなのは非常に残念。

法案の是非についてはここで話したい内容ではないので一旦置いといて、今回の安保法案をめぐる状況の中でものすごく違和感を覚えたのが、「戦争を知らない世代が、戦争できる法案を作った」ということ。

安保法案を「戦争法案」と呼ぶと「レッテル貼りによる印象操作だ!」って怒る人いるけど、今回の法案で「戦争をしない国→戦争をできる国」ってなったことは明白な事実。

これが10年前、20年前なら、内閣の中にも戦争体験世代がいたりして、もっと慎重な議論がされてたんじゃないかな、と思う。

戦争の実体験のない人たち、仮に戦争になっても戦地に行くことがないであろう人たちが、この法案の必要性を必死に訴えるのを見ると、どうしようもなく虚しい気持ちになる。机上の空論で戦争を語り過ぎ。

安保法案が施行されてしまった今、なおさら、ぼくたちは戦争のことをちゃんと理解しないといけないと思う。

なぜ戦争が起こるのか。戦争が何をもたらすのか。戦争が人をどう変えていくのか。

戦争を知るということ

戦争を知らない世代は、どうやって戦争のことを知ればいいのか。

一番いいのは、やはり、戦争体験者の方から話を聞くことだと思う。サイト作るにあたって、似たようなサイトないかな、と色々調べてたときに、こういうサイトも見つけました。素晴らしい取り組みだと思います。

しかし、最初に書いた通り、戦争体験世代の方が減少してきている中で、直接話を聞ける機会が中々ないのも事実。

そんなときにちょうどいいのが、やっぱり「映画」。

自分の戦争映画の原体験は、中学生のときに映画館で観た「シンドラーのリスト」。多感な時期だった当時、その衝撃は凄かった。

シンドラーのリストもそうですが、戦争映画には実在した人物、史実をベースにしたストーリーが多いので、リアリティがあって考えさせられます。

リアリティといえば、おすすめなのがドキュメンタリー映画。「夜と霧」「SHOA」などホロコーストのドキュメンタリーとしての歴史的な名作や、元日本軍兵士の真実の声を撮った傑作「日本鬼子」「蟻の兵隊」、近年のアフガン紛争を記録した「アルマジロ」「レストレポ前哨基地」など、演技ではない戦争体験者の声、作り物ではない本当の戦争の映像に、激しく心を揺さぶられます。

サイトで紹介している映画の中には、「これって戦争映画?」って思われるものもたくさん入ってます。

「戦争映画 おすすめ」でググると、Naverまとめとかブログ記事とか色々出てきますが、やはりどれも「戦争シーンのある映画」の羅列なんですよね。まあ、当たり前ですが。。

自分のサイトのスタンスとしては、たとえ実際の戦争のシーンがなくても、題材として戦争や平和について考えさせられる要素が含まれていれば、どんどん掲載していこうと思います。例えば、ホロコーストを考えるときに、「ハンナ・アーレント」は欠かせない一本だと思っています。

サイトを作った理由をまとめようと思いながら、最後はひたすら映画の紹介になってしまった。ごめんなさい。

次回は、サイトをどうやって作ったのか、技術的な点についてまとめてみたいと思います。

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mmmatch

webサービスのデザイナー。映画や音楽、web、デザイン、社会のことなど好きに書いてます。個人で映画サイト運営中 → http://warfilms4peace.com/