論客ふたり

「株買ってるから●●●●●●●●●●●●っていう女性向けの服の会社について教えてほしい、女性向けわからん」

「弟よ人選が悪い、知らんがな」

「じゃあどっかで見たら教えて」

「（なにをじゃ）たぶんわからんがな」

「いやどこの株買ったらいいか考えてて」

「おっされなの知らん、PCデポとかにして」

「炎上してたじゃねーか、情弱から技術料として高い金を取るのは云々」

「（そこはネタが出たのだから詳細を振り返るような流れはまるっと割愛せえよ）」

姉と妹が自分への投資と見た遺産、今まで一回も転職も引っ越しも自立も（持ち家だからなあ）考えたことのないこの弟、なんとか使わず増やそうという考えに至ったということらしい。金は人を変える。

「若い人向けの商売で今後安泰なのは、盛れば隠せるところになっていって所有っていうのはどんどん意味を成さなくなっていくと思うよ」

「マニア向けは安パイか」

「ハードオフの中古高級オーディオの店、マニアがうっとりして話してたぞ。単価が高いからいつみても人いないけど品ぞろえの評判はよかった、そういう人は金を惜しまない」

「今境目でしょ。確実なものはないし、今後どうなるとも限らない。経済自体が行き詰っててアメリカも最終手段に出るかもしれない。経済が行き詰ると必ずどこかで戦争になるって父ちゃん言ってた」

「ああ、それ本に書いてあった。トランプさんになった時なりそうだと思った」

「既存の派閥に影響のない人選だから、チャンスがあればやる気だと思う」

「となると軍需産業か…正直それは気が進まない」

「ヤマハみたいな別部門で評価できるところ探せば」

「トヨタもそうだしな」

「…あの人の言うことは間違ってない、すごい」

その遺伝子がうまいこと持ち主を幸せにするとも思えないんだけど。自分のことだけ考えていればいいのに、自分ひとりだけではどうにもならないことまで考えてる。

他にここまで話せる人はいなかったっていうけど、考えたところで何の得もなければ無力さを思い知るだけなんだから、しないだけなんだと思うんだよなあ。それがどこから見て良いことか、どこから見て良くないことかは別として。

やっぱりどこかで発動するんだな。こういうの。

そういう視点がある、ということを知ってしまうことほど、元に戻れなくなることはない。

あと、投資やギャンブルに必ず勝つ方法というのを聞いたんだけど、賭ける賭け金増やすの倍々ゲームという現実味のない方法だったので富豪以外無理じゃんと言っておいた。

うちは貧乏だから父ちゃんのことは父ちゃんと呼べと言われて年末一軒家。大変騙された気がするので正直論客遺伝よりそこを一番何とかしてほしかったのさ(´･×･`)