PDAの話をしよう5・アトランタオリンピックでHP200LX水没事件

伊藤浩一
PDAの話をしよう
3 min readNov 20, 2016

PDA、パーソナルデジタルアシスタントの話をしています。1994年発売のHP200LXをPIM(予定表、アドレス帳など)管理、パソコン通信、ホームページ更新に活用したエピソードを紹介しました。

その後、HP200LXは、モバイル端末として欠かせない存在になっていました。仕事で海外に行く機会があり、HP200LXを持参することにしました。場所は、アメリカ、アトランタです。アトランタオリンピックが開催された1996年に、オリンピック取材ということで、2週間ほど滞在することになったのです。

当時、パソコン通信をするには、モデムカードで、アクセスポイントにダイヤルアップしていた時代です。アトランタの滞在先のホテルの電話のモジュラーコードを抜いて、HP200LXのモデムカードに挿して、アメリカのアクセスポイントにダイヤルして、パソコン通信をする、という海外でも、モバイルを実践していました。

余談ですが、オリンピックセンターにあるパソコンで、自分のHPにアクセスすると、文字化けをしました。まだマルチランゲージでない時代だっため、日本語の表示ができなかったんですね。

そのアトランタで事件が起きます。鞄の中に、HP200LXを入れておき、いつものように取材から帰ると、鞄の中が水浸しになっていました。鞄に一緒に入れていた清涼飲料水のペットボトルが割れていたのです。日本では、ペットボトルが割れるという経験がなかったので、非常に驚きました。

HP200LXは、水没状態で、勿論電源は入りません。電子機器の常識として、水没して電源を入れると、ショートしてしまうため、すぐに乾電池を抜きました。そして、分解できるところまで、分解して、乾かすことにしました。しかし、残念ながら、糖分の含まれていた清涼飲料水だったため、乾燥だけでは復帰しませんでした。

1994年から愛用したHP200LXが、遠い異国地で、水没という悲しい事件になってしまいました。帰国後、HP200LXを買いなおすことになりますが、その後、今度は、落下させてしまい、液晶破損で、また買いなおすことになりました。合計、3台のHP200LXを使い続けることになりました。

このようなことが起きるのも、常に持ち歩いているモバイル機器だからこそですね。まだ、携帯電話も普及していない時代に、HP200LXで水没や液晶割れを体験することになってしまいました。HP200LXの体験が生きているためか、その後、100台近くのPDAやスマートフォンを使ってきましたが、水没や液晶割れは、それほど発生していません。このアトランタの経験が、強く印象に残っているせいでしょうか。

これほど愛用したHP200LXですが、徐々に他のPDAも使い始めることになります。それはまた次回。

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伊藤浩一
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ブログ「伊藤浩一のWindows Phone応援団(旧W-ZERO3応援団)」主宰。モバイルユーザーとしてレビューを毎日掲載しながら、日本のスマートフォンシーンの盛り上げを行い、アクセス数は月間30万を超えるブログとなっている。