PDAの話をしよう6・AppleのPDA, Newtonを君は知っているか?

PDA、パーソナルデジタルアシスタントの話をしています。PDAとは、スマートフォン登場以前のモバイル機器です。携帯回線による通信機能は内蔵せず、パソコンと同期することで活用する端末です。

私は、1994年に発売されたミニキーボード搭載、折り畳み型のHP200LXを愛用していました。HP200LXは、パソコンで同期できるソフトが内蔵されていました。このHP200LXと同期できるパソコンは、DOS/V、Windows系であることが必要でした。ただ、私は当時、アップル製のデスクトップ、Macintosh IIviを愛用していました。そこで、IBM互換のDOS/Vマシンを入手し、HP200LXの同期やカスタマイズに利用していました。

HP200LXは楽しいのですが、アップルのOSも楽しい。アップルOSでモバイルができないか、考え始めていました。当時、アップル製のデスクトップは非常に高価なため、ノート型のPowerBookは、さらに高くなっていました。モバイルで気軽に利用できる価格ではありません。その中でも、安価なPowerBook 145Bを入手して愛用はしていました。1993年に発売されたPowerBook 145Bは、安価とは言え、25万円という価格でした。モノクロディスプレイのPowerBook 145Bを随分持ち歩きましたが、重量が3kgもあり、モバイルとは呼べないノートでした。

そのアップルが、実は当時、PDAを発売していました。Newton Messagge Padです。1993年から発売されたNewtonは、Newton OSを搭載した端末です。実は、PDAの語源は、このNewton発表時に作られたもの、だと言われています。

PDAという言葉の産みの親であるNewton、当然ながら、アップル製デスクトップPCと同期します。アップル製のモバイル機器をどうしても使いたくなり、1996年にNewton Message Pad 130を入手します。このMP130は、Newtonは、HP200LXと違い、ペン入力によるデバイスです。アルファベットをディスプレイに書くことで、手書き認識をして、フォント変換するものでした。

このMP130は周辺機器が充実していました。モデムカードを内蔵することができ、パソコン通信も可能でした。さらに、Newton Keyboardという秀逸なキーボードがリリースされていました。さらに、当時、日本語化ソフトが、サードパーティから発売され、日本語の利用ができたのです。HP200LXを愛用していましたが、このMP130を入手することにしました。

ペンによる手書き入力は新鮮でした。まだ、モバイル機器は、ポータブルワープロと、HP200LXしか使ったことのない頃でしたので、ペンタッチ操作と入力という新しい世界を体験しました。さらに、Newtonはアップルらしい楽しい機能もあり、例えば、入力間違えをした場所を、ペンで上からぐちゃぐちゃと書くと、アニメーションと共に、ゴミ箱に入れてくれました。また、NewtonとMacintoshを同期させて、ソフトウエアを送り、カスタマイズすることもできました。さらに、Newton上で動くソフトを簡単に開発することができました。簡単な電子書籍Newton Bookを作成して公開したりしていました。

こんな楽しいNewton MP130だったのですが、致命的な欠点がありました。動作速度です。英語モードでも遅いのに、さらに、日本語を載せると、実用とは言えないほどの速度でした。折角入力しやすいNewtonキーボードも宝の持ち腐れです。

何とか実用を試みたのですが、継続使用を断念してしまいました。非常に残念です。ただ、単3電池4本で動くため、たまに、電源を入れて、動作確認をしたりしています。いまだに元気に動いています。

このNewtonは、その後、グラムシェル型のeMateや、大型ディスプレイ搭載のMP2100など進化をしましたが、残念ながら売れませんでした。

この当時アップルは混迷期でした。Newtonは失敗し、デスクトップPCはモデルを乱立、アップル互換パソコンの発売も許してしまうほど、アップルは迷走していました。その後、スティーブジョブスがアップルに復帰して、iPod、iMac、iBook、iPhoneと次々とヒット作を出し、アップルは復活します。その影でNewtonプロジェクトはひっそりと終焉を迎えていました。

PDAという言葉を産み出し、新しいデバイスとして登場したNewton。時代の波の乗り切れずに、終わってしまったデバイスですが、私にとっては印象深い端末です。

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